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見慣れた山 [巷の雑感・時の想い]

私の住んでいる処は、東を見れば海、西に行くと山がある。
標高1000mちょっとの山脈だし、見る者を魅了するとか、雄大さを感じさせるとか、取り立てて有名、
というわけではなく、ごく普通の山。
でも私は、この山をずっと見てきたような気がする。

私がまだ小学生の頃だから、もう40年近く前のこと。
あの山が雲で見えなくなったら、天気が悪くなるということだから、傘を持って学校に行きなよ。
そう、おばあちゃんによく言われたことを、この山を見るたびに思い出す。
そのおばあちゃんも、もういない。
今は私が替わって、自分の息子たちに同じことを言っている。

私の家からは、山が青く見えるのだが、もっと近づけば、木々で緑に見える。
オマエの家からは緑の山に見えるだろう(市中心部から離れた、辺ぴな所に住んでいるだろう、という意味)、と
高校時代の友人をからかったことも思い出す。
その辺ぴな所も、今では新興住宅地が増殖しつつある。

近づいても、遠くから眺めても、西にはいつも、あの山がある。
家族が変わり、友人が去り、歳を重ねても、あの山は変わらない。
本当は少しずつ変わっているのかもしれないのだが、それを人には感じさせない。
立派でも著名でもなくていいから、私もそうありたいと、最近思うようになった。


見慣れた山.jpg


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