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サッカー撮影31(伝わる気合 2) [サッカー撮影]

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昨日のこと
春の嵐になるとの予報通り、朝から雨の大阪
車の屋根を、時折強く叩きつける雨音に、今日は撮影は無理だな、と思ってしまう
雨だけならまだしも、時に強く吹く風も加わるとなると、怯んでしまう撮影意欲
レインコートに雨傘で、駐車場から試合会場までを歩く
一向に衰える気配の無い雨空を辿って、たどり着いたその先で、私が見たものは
雨にも風にも、臆することも、怯むこともない選手たちのプレー
雨天でも行うのがサッカーとはいえ、この条件下でも、時に闘争心をむき出しに、時に冷静に対処し、ファイティングスピリットをみなぎらせる
それに対して、雨だから、こんな天気だから、とカメラを車に残したまま来てしまった私の、何と情けないことか、何と不甲斐ないことか
恥を知った私は、ハーフタイムの笛と同時に、脱兎のごとく抜け出した
逃げたのではない、私も彼らのように戦うため、その武器を手にするために走る
もう傘などで遮っていられるわけない、7キロ近い重量の愛機を手に、急いで戻る
途中で息が切れる
既にずぶ濡れ状態で、ピッチサイドにたどり着けば、試合開始の笛、私も戦闘開始
傘もレインカバーも無い、雨を遮るものが何も無い状態では、カメラ共々全身ずぶ濡れは当然
でも、構わない
私も彼らと一緒に、試合に入り込む
いや、これで入らせて頂く資格を得たと、無心にシャッターを切る
雨に打たれながらも、しかし愛機は、その意気を感じてくれたかのように、軽快な音を立て、しかも確実に応えてくれる
防塵防滴仕様のプロ機だから出来ることだ、と思われよう
しかしこの状況では、防水ではない以上、故障の可能性は少なくない
でも、撮る
信じて、撮る
その後、故障するかもしれない
でもそれは、何がしかの代金と引き換えに、修理して元に戻せるもの
今、私の目の前の彼らの成していることは、今しか撮れない
試合前にスパイクを磨くことを怠らない子達が、試合で使って汚れる事を恐れるだろうか
怪我をするといけないからといって、ゴール前の守備陣に飛び込んでいくのを恐れているだろうか
そんなところに、損得勘定はない
誰に強制されたわけでもなく、彼らからの伝わる気合、意気を感じたからこそ、私も撮る
これを見て、撮りたいと思うスピリットこそ、私は大切にしたいと思う

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誰にでもお勧めできるわけではありません。耐久性に優れた高価な機材を使っている自慢をするつもりもありません。雨天用の準備不足との誹りは、甘んじて受けます。物を大切にする気持ちを否定するつもりもありません。
ただ私は、撮るべき時には確実に撮る、撮る必要のないときは撮らないプロカメラマンに対して、我々アマチュアカメラマンは、目の前で繰り広げられる選手の気合に、大いに撮影意欲を刺激されることがある、そしてそれが撮影結果に反映されることがある、と言いたいです。その選手の気合とは、サッカーの技術レベルの高低とは関係なく、もちろん性別年代には関係なく、その子の持てる力の限りを尽くそうという意気込みだと思います。そして、それを感じ取れるカメラマンの感性も、サッカー撮影には大切な要素だと思います。

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おおぬまゆうじ

お久しぶりです

いつも見ております

いつも雨天の写真には見ていて感心させられます
その出来上がりもさることながら、撮影意欲には脱帽です
真似をして、土砂降りの中撮影したこともありました(笑)
しかし、目の前の選手の素晴らしさより、機材の心配の方が先立ち・・・・(^^ゞ
「雨の日の中島」(古い)的な撮影者って、単純に私はかっこいいなぁ!って思います

良い瞬間と向き合える幸せ
是非自分も味わいたくなってきました!
良いものを読ませてもらいました
by おおぬまゆうじ (2012-04-01 14:11) 

副将

しびれるカメラマンスピリットです。
プライドと正面から向き合う勇気だと思います。作品造りなんて気持は捨てられており、自身が勝負しているのではないでしょうか。そのまま機材を車に置き去りにして終了ホイッスルを聞いていたら酷い敗北感と後悔が抜けなかったでしょうね。
by 副将 (2012-04-01 15:50) 

Cimarron

雨降りはカメラ撮影には大敵ですよね、新ブログにも書きましたが私も新調したゴーヨンを洗礼してきました。
防滴構造なのは良いのですが、レンズやカメラがに雨粒が当たって濡れていくのは精神衛生上よくないですよね。
ジュニアユースさんにはAqua Tech SS-600 Sport Shield Rain Coverがおすすめです。
プロも使用しておりました。
雨の日の撮影は、雨の日にしか取れない画が撮れるので嫌いではありません。
by Cimarron (2012-04-02 12:00) 

ジュニアユース

みなさん、コメントありがとうございます。

おおぬまさま、こんにちは。
「雨の中嶋」、私もその世代ですよ~
雨の日には、雨の日にしか撮れない画があることは真実だと思います。ただ、そのための準備を怠らないことは
大切ですよね。今回、遠征最終日ということで(家に帰っていないので)、準備不足だったことは恥です。でも、
子供たちに意気をいただけたことは、良かったです。

副将さん、こんにちは。
撮らなかったら、おっしゃる通り、後悔と敗北感だったと思います。今回は、子供たちの意気を感じて撮りました。
そこには計算も作品作りの意図もなく、ただがむしゃらに追い続けましたね。ちょっと昔のことを思い出しました。

Cimarronさん、こんにちは。
ゴーヨン、いきなり雨の撮影ですか。今回私も、ネット越しの撮影を強いられ、雨粒にピンを持って行かれたことも
あったりして、決して結果が良かったわけではないのですが、撮っていて充実感はありました。後のメンテは、
さすがに入念にしましたけど(メディアスロットの中にも浸水してました)。

by ジュニアユース (2012-04-02 20:30) 

yusuhara

ジュニアユース様にとって闘いだったんですねw(゜o゜)w
だから伝わってくるものが違っていたのかと

やっと理解致しましたm(_ _)m
by yusuhara (2012-04-03 13:59) 

ジュニアユース

yusuharaさん、こんにちは。
その試合が、かったるい試合だったら、たぶん撮らなかったでしょうね。プロだったら失格です。
プロは試合の内容にかかわらず、撮るべき画を撮らないといけないでしょうから、これはアマ
ならではのことかもしれません。
でも、真剣にプレーする子達の熱意には、こちらにも伝わるものがありますね。

by ジュニアユース (2012-04-03 21:30) 

アプロ

確かに会場に来ているプロは売れる写真しか撮りません。
写真を午前中に撮ってプリントして張り出しているので、時々見に行きます。
結構なお値段でCDに焼いて売ってますが、可愛い小型犬とかが多いですね。
間違っても牙を剥きだした真っ黒で高速な子は撮ってません(笑)。

天気予報が怪しいときは雨セット一式車に積んで出かけてます。
選手が頑張っているとカメラマンも頑張らなくてどうすると。
by アプロ (2012-04-03 22:34) 

hagakure

初めまして。いつも記事を楽しみに拝見しています。

白いユニフォームの選手の写真、すごく良いですね。視線の強さと動きが闘志を感じさせます。
受け止めるジュニアユースさんの覚悟あっての成果に違いなく、へたれカメラ使いとしては溜め息を禁じ得ません。
人を撮っていると、被写体の意気に感じるというのか、引きずり込まれる瞬間、というのは確かにありますね。それを固定できるようになりたいなと、いつも思っています。

by hagakure (2012-04-03 23:24) 

ジュニアユース

コメントありがとうございます。

アプロさん、こんにちは。
ホントおっしゃる通り、選手が頑張っている時に撮らないでどうする、ってことですよね。
5泊6日の最終日に、こんな天気になってしまいましたが、雨用道具を車に入れておくべきでした。
反省してます。

hagakureさん、はじめまして。
カメラ、しかも望遠レンズで選手を追っていると、彼らの必死の表情や懸命な動きがよく見えます。
たぶんこれは、隣に見ている保護者よりカメラマンの方が、絶対によく感じられると思います。
なので、彼らの頑張りを形にして残したい意欲となって表れるのでしょうね。お互いこれからも
頑張りましょう。

by ジュニアユース (2012-04-04 16:59)