サッカー撮影56(サブ機 その3) [サッカー撮影]
一時的にせよ、サブ機にメイン機の肩代わりができる性能を求める選択をする際に気になるのは、センサーサイズの違いによって、撮影時に違和感が生じないか、という点です。フルサイズセンサーとAPS-Cサイズセンサー搭載機では、レンズに要求される焦点域が異なるのは当然として、センサーサイズの違いに起因するファインダーの見え方が違います。取っ替え引っ替えした場合に、撮り難さが生じたりしないだろうか、それならばセンサーサイズは統一した方が良いのではないか、という考えが生じるのは、当然のことだと思われます。
確かに統一できるものならば、そうした方がより良いだろうし、所有レンズのラインナップの点でも無駄が無いでしょう。けれど私は、この点はそれほど不安は感じていないのです。仮にサブ機が一時の借り物ならば、そうした不安も的中するかもしれませんが、どちらも自分の所有物ならば、これは慣れます。慣れますし、慣れないといけないと思います。サッカーという難易度の高い被写体を真剣に撮っておられる方々は、努力も研究もされる方です。筋書きの無いドラマ、咄嗟の判断と集中力を要求されるサッカー撮影に真摯に向き合う方々です。そのような方の手元にある所有物なのですから、自分の道具に対する信頼感を得ようとするはずですし、乗り越えるのに苦労するような高い山だとは、私は思えません。また、フルサイズとAPS-C機では、センサー面積は倍ほど違いますが、メーカーもその点を考慮して、ファインダー倍率を変えています。CANON機でいえば、フルサイズの1DXのファインダー倍率は約0.76倍に対し、APS-C機の7Dは約1.0倍です。差異はありますが、見え方が倍ほどは違いません。
それならば、サブ機を選ぶ際にもう一歩踏み込んで、このセンサーサイズの違いをバリエーションとして活用できないか、との考えが浮かびます。例えば、初めて出かけるサッカー場の場合、ピッチまでどの程度寄れるのか、スタンドからの撮影を余儀なくされるのか、分からない場合があります。そうなると、必要焦点距離が掴めず、用心の為に複数のレンズを持ち出さなければならないことになります。これがセンサーサイズの異なるボディを持ち出すことで、焦点距離のバリエーションを増やすことになり、単焦点レンズをメインにしている場合は特に、現地に着いた場合の適応力を加味してくれることがあります。
私の具体例ですと、
1D MarkⅣ
7D
EF300mm F2.8 L IS
EF1.4xEXTENDER Ⅱ
これをバックに入れて行けばフルサイズ換算で、390mm・480mm・546mm・672mmの焦点距離を得られますし、しかも開放F値はF2.8またはF4.0ですから、曇天や雨天でも撮れます。これでプレイの撮影は大抵の場合は事足りますし、集合写真や表彰式の無い試合では、最近の私には多い組合せです(気合の入った試合には、当然ヨンニッパを持ち出します)。勿論このような選択は、前回書いた第一の選択、サブ機にメイン機の肩代わりができるだけの性能が有る場合、が条件になります。
ただ、受像センサーのサイズが異なるだけで、他はまったく同じか、といえば、そうではないです。以前にも書いたことがありますが、私の1D MarkⅣと7Dでは、ISO感度を上げた際のノイズの出方が明らかに違います。AFに関しても、微妙な違いがあります。それに伴い、設定や使いこなしが変わってくることは当然のことでしょう。試合途中でボディを替えなければならないような事態になれば、慌てたり面倒を感じたりするでしょうが、トラブルがない限り、そういった事態は考慮外で良いと思います。何より「自分の機材」なのですから。
1枚目
CANON 7D+EF70-200mm F2.8 L IS Ⅱ+EF1.4xEXTENDERⅡ
焦点距離 240mm 絞り優先AE シャッター速度 1/800 絞り F4.5 評価測光
露出補正 -1/3 ISO 200 AI SERVO AF RAW
2枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm 絞り優先AE シャッター速度 1/640 絞り F3.2 評価測光
露出補正 +1/3 ISO 100 AI SERVO AF RAW
3枚目
CANON Kiss DX+EF70-200mm F2.8 L IS+EF1.4xEXTENDERⅡ
焦点距離 280mm 絞り優先AE シャッター速度 1/640 絞り F5.6 評価測光
露出補正 +-0 ISO 100 AI SERVO AF RAW
4枚目
CANON 7D+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1250 絞り F3.5 評価測光
露出補正 -1/3 ISO 125 AI SERVO AF RAW
5枚目
CANON 7D+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm 絞り優先AE シャッター速度 1/1250 絞り F3.2 評価測光
露出補正 -1/3 ISO 125 AI SERVO AF RAW
6枚目
CANON 7D+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm マニュアル露出 シャッター速度 1/1250 絞り F3.5 評価測光
露出補正 +-0 ISO 800 AI SERVO AF RAW
7枚目
CANON 7D+EF70-200mm F2.8 L IS Ⅱ
焦点距離 200mm 絞り優先AE シャッター速度 1/1250 絞り F3.5 評価測光
露出補正 -2/3 ISO 100 AI SERVO AF RAW
8枚目
CANON 1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1250 絞り F3.2 評価測光
露出補正 +-0 ISO 125 AI SERVO AF RAW
9枚目
CANON 1D MarkⅣ+EF400mm F5.6 L
焦点距離 400mm マニュアル露出 シャッター速度 1/1000 絞り F6.3 評価測光
露出補正 +-0 ISO 250 AI SERVO AF RAW
10枚目
CANON 7D+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm 絞り優先AE シャッター速度 1/2000 絞り F3.5 評価測光
露出補正 -2/3 ISO 100 AI SERVO AF RAW
11枚目
CANON 1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F3.5 評価測光
露出補正 +1/3 ISO 100 AI SERVO AF RAW
こんにちは☆
サブ機に関して、興味深く拝見させていただいております。
当方の場合は、メイン機の入れ替え→メインをサブに・・・が、そのパターンです。
と言うよりも2台体制をする事によって90~560までの領域を確保出来たので、メイン2台体制と言う感じです(笑)
人それぞれによって2台体制の意味合いは異なりますが、共通しているのは良い写真を撮りたい!と言う事ですよね。
腕がなかなか上がらないので、ほんと落ち込んでおります(苦笑)
by wataru-wata (2013-09-24 11:57)
ジュニアユースさん、こんばんは。
サブ機特集、ありがとうございます。
D4のサブ機ということであれば、
十分な画素数でもってFXとDXのフォーマットを使い分けられるD800が賢明な選択かもしれないですね。
連続撮影速度と連続撮影枚数、そしてファイルサイズが気になるところですが、
D4と遜色ないセンサー機能を有しているカメラを半額以下で購入できるのが魅力です。
とは言っても、悩みますねえ。。。
by 迷える子羊 (2013-09-24 20:46)
ジュニアユースさん、初めまして。ゆうせいSSと申します。
私も3年前から、息子の入団したスポ少のサッカーを撮影しています。
歩留りが悪く、もっと勉強したいと思っていた時に、このブログを発見
いたしました!2週間かけて、やっとすべての記事を読破いたしました
ので、この記事とは関係ありませんがコメントさせていただきました。
大変勉強になる写真と記事ばかりで本当にありがとうございます。
これからも、寄らせていただきますのでよろしくお願いいたします。
by ゆうせいSS (2013-09-25 01:55)
コメントありがとうございます。
wataru-wataさん、こんにちは。
私の買い換えパターンは、メインはメイン、サブはサブ、かなあ、今のところは。
コレクターではありませんから、まさにおっしゃるとおり、「良い写真を撮りたい!」が目的ですよね。
それに加え2台体制にすることで、チャンスに強くなる、ということもあると思います。
迷える子羊さん、こんにちは。
ニコンユーザーにとって、D800の存在は大きいと思いますよ。
使ったことはありませんが、D800で動体撮影されているかたもいらっしゃいます。けれど、使いこなしは
変えているみたいですけどね。
サブ機について、あと2回続きます。
ゆうせいSSさん、はじめまして。
2週間もかけて読んでいただき、書いた側としては大変うれしく思います。苦労した甲斐があった。
(これでも、書くのは結構苦労しているんですよ~)
いつでもまた、立ち寄ってくださいね。
by ジュニアユース (2013-09-25 09:56)