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サッカー撮影64(1.4xテレコン or APS-C機 その3) [サッカー撮影]

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フルサイズを基準とした場合、「もう少し焦点距離を」といった場合、1.4倍テレコンを装着するか、APS-C機である7Dにボディを替えるか、です。
300mmのレンズを使っていたとするならば、フルサイズ換算で1.4倍テレコンで420mm、APS-C機なら約480mm。400mmのレンズならば、560mmと約640mmということになります。この場合の約60mmや80mmの焦点距離の差は、それほど問題にはならないと思います。それよりもこれは、1DXと7Dのボディの性能差(ここでは主にAF性能差)と、1.4倍テレコンを使う際のデメリットを両天秤にかけて、どちらが重いかを計る、ということになると思います。この点で、1DXのユーザーではない私には、結論を言う資格はありません。あくまで推測ですが、1DXのAF性能が素晴らしい評価を得ている点、解像力や切れ味の点で優れた単焦点であるサンニッパやヨンニッパを使う点、7Dが現在もCANON APS-C機の最上位機種であっても、発売開始から既に4年半も経過している点、それらを考えてEF 1.4xEXTENDERのⅢ型を使うという前提ならば、1DX+EF1.4xEXTENDERⅢの方に軍配が上がるような気がします。確かに、1.4倍テレコンを使えば、開放F値がF2.8からF4.0になってしまうし、その為ISOを少し上げざるをえないかもしれませんが、それでも日中屋外のサッカー撮影ならば軽微なことでしょうし、高感度性能に優れたフルサイズセンサーならば、7DのISOアップよりも優位に思えます。テレコン無しの素の描写を知っている身としては、サンニッパ・ヨンニッパの切れ味鋭い描写力が幾分かスポイルされることでしょうから、口惜しく思うこともあるかもしれませんが(レンズがズームレンズだったりすれば、結論は微妙かもしれません)。
それでは、もし1DXと同等のAF性能を持ったAPS-C機が出現したら、どうでしょう。たとえばごく単純に、1DXのボディはそのままに、フルサイズセンサーのみを7DのAPS-C 1800万画素に替えて、ファインダー倍率を少し上げてみた機種が出現したとしたら、です。
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AFユニットはそのままで、受光センサーのみが小さくなるわけですから、周辺部をトリミングしたように、AFセンサーの配置は前後左右に広がり、測距できる範囲が画面に対して広がります。その代り、AFフレームは相対的に大きくなってしまいます(7Dのように領域拡大は使いにくいかも)。もしこのような機種が現れれば、ここではサッカー撮影を舞台にしていますので、日中屋外での使用が前提で、高感度特性に関しては特段に厳しく注視しなくてよい状況ですから、結果が逆転する可能性は大いに有ると思われます。
前々回の概念図を参照して別の観点から見ると、テレコンを使うということは、マスターレンズを通って来た画を更にレンズで拡大することですから、テレコン無しの画に比べれば、画の(というか、これでは光の)純度と言った点で劣ることは避けられません。それは画を構成する解像度や描写力に影響しますが、同時にサブミラーからAFセンサーに導かれる光の純度も劣ることに繋がります。センサー性能が同じだと仮定するならば、そこへ導かれる光の質は、間違いなくテレコンを使わない方が優位だと思われますし、それを基にしたAF速度・レスポンスの面でも同様に、素のレンズ+APS-C機の方が優位だと思われます。
ただ以上は、1DXのボディを使うことが前提の話です。では7D後継機に1DXのAFを積んだら同じような結論になるでしょうか。私はそうは思われないのです。如何にAFセンサーが優秀であろうと、そこに導かれる光の質が良くなければ結果も良くはならない。1D系がなぜあのように大柄で重いボディなのか、それは大型のバッテリーを積むことや縦での操作性を上げるだけではないのです。サブミラーを含めたAFセンサーユニットに、より理想的に光を導くために必要なスペース確保する、という目的もあるのはずです。従って、7D後継機に1DXと全く同じAFセンサーを積んだとて、AF性能が同じになるとは私には思えません。

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ただ、仮定の話をしてもしかたない。どんなに希望と期待を膨らませようとも、メーカーが製品として市場に投入しない限り、我々は手にして使うことはできないのです。そのメーカーが製品化するかどうかは、商品ラインナップの戦略性によります。7D後継機には1DXのAFユニットのディチューン版が採算される、との噂がありますが、ボディの大きさを考えれば、1DXと同じ性能を与えることなど最初からできないのです。しかも、1DXの半値以下で販売されることでしょう。それは、より多く売るためであり、結果的に使用ユーザーの力量の幅を考慮せざるを得ず、1D系のように尖った製品になりづらい。やはりいつの時代も、1D系はCANONでは、孤高の存在なのだと思います。
仮定や希望の話は好きではないので、ここは現実に眼を戻しましょう。

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上の写真
CANON 1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm(換算約520mm) 絞り優先AE シャッター速度 1/2000 絞り F4.0 評価測光
露出補正 -2/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW 
下の写真
CANON 7D+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm(換算約640mm) 絞り優先AE シャッター速度 1/2000 絞り F4.0 評価測光
露出補正 -2/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW 

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上の写真
CANON 1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm(換算約520mm) 絞り優先AE シャッター速度 1/1250 絞り F3.5 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 200  AI SERVO AF  RAW 
下の写真
CANON 7D+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm(換算約480mm) シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1250 絞り F3.5 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW 

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上の写真
CANON 1D MarkⅣ+EF300mm F2.8 L IS+EF1.4xEXTENDER
焦点距離 420mm(換算約546mm) 絞り優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F4.5 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 200  AI SERVO AF  RAW 
下の写真
CANON 1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm(換算約520mm) 絞り優先AE シャッター速度 1/1600 絞り F3.2 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 125  AI SERVO AF  RAW 

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