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五人家族 [巷の雑感・時の想い]

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我が家は五人家族です。
1997年(平成9年)に次男が生まれて、それからずっと五人家族です。一つ屋根の下で、五人が毎日を送っていました。喜んだこと、楽しかったこと、辛かったこと、悲しかったこと、いろんなことが起こっては、その都度顔を見合わせては、過ごしてきました。2008年に長女が東京の大学に行くことになり、長期休暇以外は四人でいる時間が長くなりました。2010年には長男も同じく東京の大学に行くことになり、三人で過ごす時間が長くなりました。その長女も長男も、東京で就職して社会人となります。我が家から飛び立ったのだ、と思えば、三人には取り残され感が漂いますが、まだ羽ばたかせたい子がいる以上、親としてはまだ道半ば、ということでしょうか。
卒業旅行から帰国した長男は、卒業式に出た後、故郷の此処に帰ってきました。社会人としての活動前の暫しの休息のために。そしてそれに合わせて、長女も帰ってきました。社会人4年目を迎えるので、少しは休みの希望が通ったのでしょう。五人が顔を揃えたのは何年ぶりの事だろう、と記憶をたどらなければならない程、久しいことです。あの頃はそれが当たり前だった。でも今は、そうではない。これが、歳をとっていくということなのでしょうか。
随分小さくなった我が家の玄関に、たくさんの靴が並びました。あの頃、私たち五人を育んでくれた家屋は、他者の元に行ってしまいました。今は借家住まいの身、私の不徳の致すところです。それでもこうして五人で食卓を囲めば、以前と少しも変わらぬ笑顔が飛び交います。ああ、毎日こうだったんだ、これが普通だったんだ、そう思いました。でもそれは、今はそうではないという証。これが、時が流れたということなのでしょうか。
親となるその真の意味も知らず、その責務も本当に果たしているのかも分からず、そんな我が家に生まれ来た子供達。それは偶然だったのかもしれないけれど、この家族を成すには必然だったのです。
我が家は五人家族です。昔も今も、そしてたぶん、これからも。

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