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内蔵テレコン [カメラ機材]

EF200-400mm F4 L IS USM Extender1.4x。このレンズに関して私見を少し追加させていただきます。

EF200-400-テレコン.jpg

このレンズの大きな特徴として、1.4倍のテレコンを内蔵し、任意に瞬時に、切り替えて使うことができます。レンズ内部に設置された可動式レンズなので、このレンズ専用の工学設計ができ、汎用性が重視される従来の外付けテレコンに比べ、高画質が期待されるのですが、実際はどうでしょう。
外付けテレコンの場合、レンズとボディの間に挟む形で装着します。それはつまり、レンズ後端部(マウント部)とボディの受像面(センサー面)との距離が長くなることを意味します。レンズの構造上、この部分が長くなるほど、像の拡大率は上がるはずです。1.4xテレコンよりも2xテレコンの方が倍ぐらい厚いのは、構成レンズの枚数や厚みだけでなく、この距離の点も理由の一つだと思います。
それに比べ内臓の場合、テレコンのON/OFFでレンズ後端と受像面(センサー面)との間隔は変わりません。内臓テレコンのレンズの屈折力だけで拡大せねばならないのですから、ある意味外付けよりも難しい設計を余儀なくされたと思います。その結果、このEF200-400 F4+1.4xの場合、発表から発売開始まで約一年半の時間を要したのだと推測しています。そして結果的に、EFレンズ最多の24群33枚のレンズを使うことになったのでしょう。ちなみに、外付けのExtender 1.4xは3群7枚、この内臓式のテレコン部は4群8枚で構成されています。構成レンズ枚数が多ければ良いという訳ではありませんが。
テレコンを使ったことが有る方にはお分かりだと思いますが、外付けテレコンの場合はレンズ後端部に取り付けます。マスターレンズから得られる画を拡大して受像センサーに送ることになるのですから、マスターレンズの良い点も悪い点も拡大します。この場合、解像度であったり収差の問題だったりします。マスターレンズの外に取り付ける以上、仕方ないことですね。その点内蔵テレコンの場合、もちろんレンズ設計上の制約はあると思いますが、光軸上の解像や収差の影響がなるべく少ない場所に、このテレコン部を持ってくることが可能です。「可能」というか、内臓式にするなら、設計者はそうしたかったに違いありません。ただ、現代のレンズ、それもキヤノンを代表するLレンズでチャレンジするのは、容易ではなかったはずです。技術的な詳細は分かりませんが、幾多の試作と再設計を繰り返して、今の位置になったことと私は想像してます。先日、ニコンも同型のレンズを発表しましたが(キヤノンのこのレンズよりも高価ですが)、内臓テレコンのレンズ配置が同じようなのを考えると、たぶんそうなのではないか、と。
ヨンニッパの画を超える、とまではいかないけれど、かなりの所まで肉薄するズームレンズ。それがもし内蔵テレコン無しのEF200-400mm F4 L IS だったら、もう少し安価だったのかもしれません。このレンズの最大の魅力であり、最も設計が難しかったのが、1.4xテレコンを内蔵することだと思います。そして今、「安心メンテ」から帰ってきた私のこのレンズは、設計者の狙いに極めて近い性能を発揮してくれるものと期待しています。
以上、あくまで私見です。間違った記述が有ったら、スミマセン。

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福証

遅くなりましたが、本年も宜しくお願い致します。子供も成人式を迎えましたね、一緒にサッカーやってた頃が懐かしいです。これからの活躍を応援したいですね。
しかし200-400、いいですね~。
私も引き続き望遠かついで頑張ります。
今年も鈴鹿8耐狙ってるんですが、三重インターハイですね。ジュニアユースさんも大忙しじゃないですか?
宿が取れないんですよ。どうしたものかと悩んでおります。
by 福証 (2018-02-08 07:43) 

wataru-wata

ジュニアユース様、こんにちは!

ほんと、このレンズについて色々知りたい事ありますよね。

以前、梅田で開催されたcanonの発表会に参加した際、技術の方に質問したのですが

「良いレンズですよ」的な答えしかなく、気になっていたのですね。

と、それ以前に腕が無い方が問題なのは棚に上げるのが私の悪い癖ですね(笑)
by wataru-wata (2018-02-08 10:27) 

ジュニアユース

コメントありがとうございます。

副将さん、こんにちは。
そうなんです、今年はインターハイが我が県で行われます。
具体的にどう撮るのかは、これから煮詰めていく段階なのですが、真夏ですからね~、過酷でしょう。
我が家がもっと広ければ、「泊まりに来てください」と言えるのですが・・・、申し訳ない。

wataru-wataさん、こんにちは。
このレンズは、キヤノンとしても相当苦労した設計になっていると思います。
その結果があの値段になっているのでしょう。
昨年は試写の意味合いもありましたが、今年はこのレンズで勝負したいところです。

by ジュニアユース (2018-02-10 12:44)