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CANON EOS 1D X MarkⅢ [カメラ機材]

キヤノン一眼レフカメラのフラッグシップモデル「EOS 1D X MarkⅢ」が、今年2月中旬に発売する旨のアナウンスが発表されたことは、ご存知の方も多いと思います。キヤノンオンラインショップでの販売価格は税別80万円、量販店でも税込792000円で予約が開始されました。これは前モデル「EOS-1D X MarkⅡ」(2016年4月発売開始)の初値、651000円(税込)から、2割程の約14万円のアップです。なかなか手の出せない価格になりましたね。キヤノンに限らず各種メーカーは、量販機に関しては値上げ幅を絞っていますが、高級機・高性能レンズに関しては、モデルチェンジの度に大幅な価格アップをしている印象があります。昨年私が手に入れたヨンニッパⅢ型も、Ⅱ型から実売価格で30万円以上上がりました。これは、ミラーレス機開発費用を捻出する為、と考えるのは、ちょっと穿った見方でしょうか。
さて、この「EOS 1D X MarkⅢ」(1DX3)ですが、もちろん私は実機を見た訳でも触ったわけでもなく、ただ発表されたスペックのみザ~っと見ただけですが、ちょっと私見を書いてみたいと思います(あくまで現時点の超私的な感想ですので、念のため)。

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これまで私は、1D系をⅡ、Ⅲ、Ⅳ、1DXⅡと使ってきました。それは私が主に被写体としているのが、サッカーというスポーツ撮影だったからですが、このCANONのフラッグシップたる1D系は、その時点の期待に十分応えてくれるものでした(Ⅲ型には苦労しましたが)。従って今回の1DX3も、現状のCANONの持てる技術をつぎ込んだ最高峰の機種(動体撮影に関しては)だと思います。アナウンスされた内容を見れば、さすがにオリンピックイヤーに向けて登場しただけあって、ほぼ全ての項目がブラッシュアップされています。けれど結論から申し上げれば、私には「直ぐにも欲しい」という気にはなれない、というのが本音です。将来的には分かりませんが、少なくとも今年2020年中に手に入れることは無いと思います。
まずその理由の一番は、フルサイズセンサーが約2010万画素(5472×3648)と、1DX2と同じに据え置かれた点。もちろん、新開発を謳っている以上、映像エンジン「DIGIC X」の採用と合わせて、高感度特性やダイナミックレンジの向上は見込まれると思います。ただ私的には、2400万画素にして欲しかった。2000万画素と2400万画素ではそんなに違わない、と思われる方もいらっしゃるでしょうが、実際にKiss X9で2400万画素を扱っていると、フルサイズセンサーならこれくらいは当然、と思えるからです(逆に、APS-Cで3000万画素オーバーはちょっと?)。私がメインに使っているレンズ、EF400 F2.8 L IS ⅢやEF200-400 F4 L IS +1.4x は、1DX2の2000万画素を余裕で解像してくれるし、もう少し画素数がアップしても十分対応可能だと思っていましたし、その為の投資だったのです。この点が残念であり、私の触手が伸びない最大の理由です。
CANONは自社センサーですから、画素数を増やすことはできたのに、なぜ据え置いたのか。それは、ライブビュー撮影においてメカシャッター/電子シャッターの両方で、AF・AE追従・約20コマ/秒という連写速度を達成したかったから、なのでしょう。ここに、ソニーのフルサイズミラーレス一眼「α9Ⅱ」(約2400万画素、AF/AE追随で最高20コマ/秒)に対する対抗意識が感じられます。レンズのヨンニッパでの軽量化においても対抗意識剥き出しにしたキヤノンは、この連写速度をどうしても実現したかったのでしょう。その為のDIGIC Xであり、内臓バッファー容量を増加し、高速読み出しのCFexpressのダブルスロットも採用したのだと思います。割を食ったのが、画素数据え置きではないか、と思ってしまいました。前回の記事で、「1DX2のフルサイズ約2020万画素の画をAPS-Hサイズに切り取ったら、1D4の約1600万画素に満たない。1DX2の画をAPS-H程度にトリミングするなら、最初から1D4で撮った方が高画素の画が得られる」と書きました。私は画素数至上主義ではありませんが、フルサイズ2400万画素なら1D4と入れ替えることができたのに、と思ってしまいました。
CANONが画素数を据え置いた背景には、動画撮影により重点を置いたことも一因かもしれません。動画に関してはシロウトなので、詳しく言及できませんが、アナウンスされた資料を見れば、動画関係にかなり力を入れた記述が目立ちます。これは、スポーツ・報道分野に於いて、動画の要望が高くなってきていることに起因していると思います。実際、サッカー情報サイトなどでも、静止画より動画を採用するところも多く、ネットで配信するなら動画切り出しの静止画でも十分対応できるのではないでしょうか。

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注目は、AFです。従来のラインセンサーから正方画素を採用した「High-res AFセンサー」になったこと。ラインセンサーの組み合わせではなく、高密度正方画素がAFセンサーって、ミラーレス機のAF技術の応用なのでしょうか。プロ機の1DX3で採用してくるのですから、この新AF性能に関しては自信が有るものと思われます。被写体追従でのファインダー撮影で、1DX2の最高14コマ/秒から最高約16コマ/秒 へのアップは、メカシャッターの改良と共に、AF性能の向上が無ければ意味ないですから。ただ、測距点の増加(最大61→191)、低輝度/高輝度対応の拡大は嬉しいですが、ファインダー内での測距点カバー範囲が1DX2に比べて広がらなかった点は、ちょっと残念かな。いづれにせよこの「High-res AFセンサー」採用によるAF性能は、実機が市場に出て、様々な人が実戦で使ってみてのレビューを期待したいところです。
また、通信機能の充実も挙げられます。試合結果が翌日の新聞で十分だった時代と違い、今は試合終了後1時間以内での速報が当然の時代ですから、このプロ機では必須なのでしょう。その他にも、様々な性能向上点がありますが、それは各種カメラサイトや雑誌にお任せして、長くなるので割愛します(実機を使ってもいませんし)。
昨年私はヨンニッパⅠ型をⅢ型に買い替え、大いに満足しています。けれどヨンニッパⅡ型を持っている方でⅢ型に買い替えた方は少ないのではないでしょうか。EF70-200 F2.8 L IS もⅡ型を持っていますが、Ⅲ型にモデルチェンジしても買い替える気持ちは起こりませんでした。Kiss X9を持っていますが、Kiss X10が出ても買い替える気はありません。この1DX3について私の結論は、日中・屋外でのサッカー撮影が90%を占めること、動画は全く撮らずファインダーでの静止画のみの使用状況、そしてこの価格をも含めて考えれば、無理して急いで手に入れる必要性は感じませんでした。1D4から1DX2を見れば、確実に全ての項目の性能アップを感じられますから、きっと1DX3も1DX2からの進化も感じる事でしょう。けれど、未だに私の1D4は現役です。デジタル物は新しいものほど高性能なことは常識ですし、1D4がいつまで現役でいられるかも分かりません。そして、もしかすると、一眼レフ機として最後の1Dになるかもしれない1DX3です。CANONがほぼ全ての項目に手を入れたフラグシップに相応しい機種だと思いますから、将来的には購入に至るかもしれませんが、今の私の懐具合も考慮すれば、「今年は無いかな」というのが、私の今のところの結論でした。

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wataru-wata

ジュニアユースさん、おはようございます☆

まずは、1DX3の2020年購入は無い可能性が高いとの事で残念です~。

って人様の事だと思って、好き勝手かいてすみません(><)

かくいう私も今の時点で購入予定はありません。

理由は値段と使用頻度です。

上の子供が出かけられなくなり、家族旅行が減り、カメラを持ち出す事がほとんど無くなったんですね。

レンタルでも良いんじゃないの?と言われるくらいで寂しい限りです(涙)
by wataru-wata (2020-01-22 09:05) 

ジュニアユース

wataru-wataさん、こんにちは。
1D系の進化の方向と、私の期待がちょっとズレてきているような気がしました。
でもきっと、いつかは1DX3を手にするでしょうね。
1DX4の登場が怪しいですから。

by ジュニアユース (2020-01-22 20:23)