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天皇杯 前編 [サッカーあれこれ]

サッカー好きの方ならご存知の事と思いますが、毎年行われる天皇杯が、現在全国各地の会場で行われています。この天皇杯、今年で第90回ということです。
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高校生でも大学生でも、社会人チームでもクラブチームでも、もちろんプロも参加して、同じ土俵で戦い、その年のナンバーワンを決めるのが、この天皇杯です。年代や立場の枠を超えて、しかもこれほどの全国規模で大会を行っているのは、(私の知る限り)サッカーの天皇杯ぐらいではないでしょうか。そしてそれが、今年は90回目を迎える。ということは、90年も続いているということも驚きです。もちろん、当初は今のような形ではなかったようですし、参加チームもグッと少なかったですが、それでもこうした大会が続けられたことが、今の隆盛の礎になったと言えると思います。
そんな天皇杯ですが、今年はワールドカップの影響でJリーグ日程が過密のせいか、一回戦が9月3日、二回戦が9月5日に行われました。一回戦を勝ち上がったチームは、僅か中一日で二回戦を戦わなければならないところが辛いところです(ちなみに昨年は、一回戦が9月19~21日、二回戦が10月10~11日)。この天皇杯に出場するアマチュアチーム(一回戦を戦う都道府県代表が全てアマとは限りません)が口をそろえて言うのは、「プロのJリーグチームと対戦したい」。そのJチームが登場するのは二回戦からですから、何とか一回戦を勝ち上がっても、十分な準備ができないまま、念願のプロとの対戦となる訳です。一試合で10km以上のダッシュを繰り返し、体力消耗の激しいスポーツであるサッカーで、中一日というのは、いくら高校生や大学生でもキツイでしょう。
会場で500円で販売されている冊子。もちろん今大会のトーナメント表が掲載されているのですが、一回戦に登場する都道府県代表チームのチーム名が記載されていません。各県の出場に至る試合結果も未記載の所が多いし、もちろん出場チームの紹介記事も無し。最終的に出場全チームが決まったのは8月29日で、その5日後に一回戦ですから、いくら印刷屋さんが頑張っても無理というもの。これをみても、今回の日程が、かなり無理があったように思われてなりません。
こうしたプロとアマチュアが混在するトーナメント戦では、実力上位のチームが負ける大物食い(ジャイアントキリング)が、しばしば話題になります。特にサッカーのようなロースコアーゲームでは、そうした番狂わせが起こりやすいですし、現に毎年そういった例が見られます。それを楽しみにして見ている方もいらっしゃるかもしれませんね。そういった方にとっては、今年は見応えの無い年になってしまうかもしれません。例年以上の猛暑の中で精根尽き果たして勝っても、体力回復途上でJチームと対戦しなくてはならないのですから、なかなかハンディが大きそうです。
ワールドカップイヤーの弊害といえばそうなるでしょうが、Jリーグの日程を優先した結果、天皇杯の一回戦・二回戦の日程にしわ寄せが来た、と言われるのも分かる気がします。それでも天皇杯は、90年も続いている伝統ある大会。日本全国全てのサッカーチームを対象に、その年の最強チームを決める大会。確かにJリーグのルーティーンな試合に比べれば、一・二回戦などは注目度も観客数も足元にも及びませんが、Jクラブ37チームよりも多くのアマチュアチームや大学・高校・ユースチームが都道府県代表、あるいはJFL代表や大学代表として出場しているですから、思う存分力を発揮できる体制にしてあげたいと、個人的には思います。
この天皇杯も、四回戦以上になると、ほぼJ1チームしか残っていないのが例年のこと。そうなると、Jのカップ戦と同じような感じ。それを考えると、三回戦ぐらいまでがこの大会らしい意義ある対戦が見られる、天皇杯の醍醐味は三回戦まで、と思うのですが、これはちょっと言い過ぎでしょうね。

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