ファーストインプレッション その2 [カメラ機材]
上の作例
1D4+EF400mm F2.8 L IS 焦点距離 400mm 絞り優先AE WB(M)
F3.5 SS 1/1000 ISO 640 評価測光 露出補正 +1/6 AI SERVO AF RAW
私が1D4で撮るのは、ほとんどサッカー撮影。よって、動体撮影がその殆どであることを前提に、AF関係(AI SERVO AF Ⅱ)の印象を書いてみたい。
1D4ユーザーの感想などを読んでいると、「よく粘るようになった」という表現を見かける。この粘るとは、捉えた被写体に対してピントを合わせ続ける際の表現だと思われるが、その点で私も同様の印象を持つ(1D3と比較して)。1D3はしっかり被写体(動体)を捉えたつもりでも、一瞬ごく僅かに外してくれたり、再度すぐに戻ったり、という、落ち着かないというか、ピーキーな点があって(とくに1D3の初期では)、その点で扱い辛さがあった。撮影者が被写体である選手を正確にトレースしているつもりでも、不規則に動いている以上、その間の被写体(選手)の形状変化もあるし、輝度の変化も背景の変化もある訳だから、このような状況で連写しても、全てがジャスピンというのはなかなか難しいのは理解できる。でも、もう少し落ち着きが欲しいなあ、と思ったことも何度かあった。1D3の最終期には、2回のリコール修理と撮影者自身が慣れてきたせいで、当初の戸惑いは無くなったし、基本的には他機種に比べて、さすがキヤノンの動体撮影最上位機らしいAF性能だ、とは思っていた。
1D4のAFは、1D3のそういった神経質な感じは少なく、その点はかなり改善されていて、充分性能アップを享受できる。ただし、初速に関しては若干落ちたかな、とも感じる(あくまで1D3と比べて)。初速とは、動体撮影において、サッとカメラを構えて被写体にAFフレームを合わせた際の、ピントが来る間の短さのことで、時間に表せば極僅かだろうから、あくまで私の感覚上のことなのだが。ただそこで、狙った被写体をしっかり捉えられれば、その後の追従性は文句無い。表現としての「よく粘る」とは、そんな感じだと思うし、私としては同意だ。
上の作例
1D4+EF300mm F2.8 L IS 焦点距離 300mm シャッター速度優先AE WB(太陽光)
F4.5 SS 1/1000 ISO 100 評価測光 露出補正 +1/3 AI SERVO AF RAW
以前、現在のAFはいかに進化したとはいえ、未来予測機能がある訳でもなく、人工知能が有る訳でもなく、撮影者の意図と直結している訳でもない以上、100点満点などあり得ない、と書いたことがある。いかに1D4のAFに関しても、完全無欠というわけではない。前述の、サッとカメラを構えて被写体にAFフレームを合わせ連写する場合、そこでしっかり狙った被写体を捉えていれば、よく粘って追従してくれる。しかし、そこで間違った被写体を捉えてしまった場合(例えば、競り合うサッカー選手で、隣の選手にピンが行ってしまった場合)、粘ってくれるがために、微妙なピンズレ写真の量産になる場合もある。1D3の場合、ピーキーなAFが幸いして、1,2枚目でそうなっても、一連の連写で正確に狙った被写体をトレースし続ければ、3,4枚目でピンが来る場合(被写体の乗り換え)もあった。しかし1D4の場合は、粘ってくれるがために、そのまま間違った被写体を連写するケースもあった。
例えば、ファインダー内で選手が小さいと、狙った選手にキチンとAFフレームを合わせて連写したつもりが、実は隣の選手にピントが合っていて、領域拡大などしていたら、その間違った選手を「粘って」撮り続けていたりする。動体撮影なのだから、当然レンズを振って撮影する。連写する前に、この間違った被写体を「引っかけて」しまうと、粘るAFは逆効果になることもあって、ファインダー内で小さく被写体を捉えた時は、より慎重になるべきだろう。ファインダーで見ている限り、背面液晶モニターで見ている限り、なかなかそうとは分からないのだが、家に帰ってPCで見て、「どうも?」と思い、等倍で見てみると、ピントがズレていた、ということが何度か有った。
だからといって1D4のAI SERVO Ⅱが悪くなったわけではない。要は、撮影者自身が1枚目でしっかり狙った被写体にピントを合わせれば良いだけのことなのだ。ただ、先に書いた初速が若干遅くなったように感じるので、1枚目にピントをしっかり持ってくるには、動体撮影においては撮影者の予測が重要。1枚目を切る前から被写体をしっかりトレースし、ピンが来ていることを確認してから連写、が要求される。しかしこれは、動体撮影の基本。1D3の時の、サッと構えてサッと連写、という撮り方自体が横着したものだったのかもしれない。サッカー撮影において、被写体である選手の動きを予測し、先回りして撮るということは、実は基本的なこと。1D3は咄嗟にシャッターを切るという点で、そのAF特性に助けられていた面があったが、1D4では再度基本に立ち返り、予測し、確認し、撮るということで、そのAF性能のアップを最大限に享受できるのではないかと思う。
この酷暑の今夏、人工芝グランドでの撮影が多かった。その際、帰宅後に撮った画像を見てみると、どうもピントが不安定。最初は故障か不具合かとも思ったが、その後天然芝グランドではそんな兆候もなかったので、やはり人工芝から立ち上る陽炎の影響か、と推測している。これについては1D3の時も、程度の違いはあれ、感じていた事だが、1D4になって高画素化されたことも影響するのだろうか、AI SERVO AF Ⅱが陽炎をOUT OF FOCUSと判断するからだろうか、ちょっと気になる点だ。
上の作例
1D4+EF400mm F2.8 L IS 焦点距離 400mm シャッター速度優先AE WB(太陽光)
F4.0 SS 1/1250 ISO 160 評価測光 露出補正 +-0 AI SERVO AF RAW
ファーストインプレッション その1 [カメラ機材]
1D Mark Ⅳ(1D4)を購入して5カ月。ファーストインプレッションを書かなくては、と思い続けて、もう1万枚以上も撮ってしまいました。今更感はあるのですが、いちおう書き残しておこうと思います。ただ、1D2,1D3を使ってサッカーを撮り続けてきた私なので、どうしてもその延長線上でのインプレになってしまうこと、あくまでアマチュアの私が感じた個人的感想だということを前提で、お願いします。では、サラッと書きます(といっても、4回に渡りますが)。
まず最初に、今回のインプレを書くにあたって、カタログを取り出してみた(上の写真)。写真では分かりにくいが、1D2(2004年3月発行)は26ページ、1D3(2007年2月発行)は22ページ、1D4(2009年10月発行)は僅か10ページである。メーカーからの解説書がPDFで公表されるなど、この6年間で紙媒体の扱いはドンドン変わっていると感じるが、こうしたカタログ自体も節約の対象になっているのだろうか。個人的にはちょっと寂しく感じる。
さて、1D4を初めて手にして、まず感じたのは、「1D3とほとんど変っていないなあ」。で、実際にいつものサッカー撮影に持ち出して撮ってみると、微妙に違う感覚も感じる。けど、やっぱり大きく変わったとは思えない。そして家に帰って、撮った画像を見てみると、「こりゃあ、凄いかも」と。これがまあ、私の大まかな印象。
1D3は既に下取りに出してしまい手元にないので、直接比較して見ることはできないが、外観はほとんど変っていないと思う。メニューや設定項目などは、ISOオートなどの新たに追加された機能もあるが、1D3ユーザーには、取扱説明書を読まなければ分からないような項目はほぼ無いと思われる。従って私も、1D3どおりに設定して、直ぐに撮影に入ることができた。外から見て変わったとはっきり感じたのは、液晶モニター。23万から92万にアップされた高画素モニターは、屋外で使うことが殆どの私にも、はっきりその差を感じる。でもまあ、撮った画像をこのモニターで確認することがほとんど無い私の場合は、決定的に嬉しい、というほどでもないし、7Dでも高画素モニターは体感しているので、1D系もやっと追い付いたか、という感じ。
しかしやっぱり、ガッシリした剛性感を感じる1D系のボディはイイ。確かに大きく重いのは事実だが、塊感とでもいうか、機能が凝縮された感じは1D系ならではのもの。7Dも中級機としてはそれなりに良いとは思うのだが、縦位置で撮影することの多い私には、あのバッテリーグリップは好きになれないし、その点1D4は縦でも実によく掌にフィットする。
上の作例
1D4+EF400mm F2.8 L IS 焦点距離 400mm シャッター速度優先AE WB(M)
F3.5 SS 1/1250 ISO 160 評価測光 露出補正 +-0 AI SERVO AF RAW
シャッター音に関しては無頓着な私だが(音で良い写真が撮れるわけではないので)、それでも言わせてもらえば、1D4と7Dでは雲泥の差がある。撮影のリズムや所有感に影響する、ユーザーにしか分からない部分だろうが、1D系はどれも、そのシャッター音は素晴らしく、他の機種とはかなり差がある。シャッターストロークは縦横ともに同じぐらい中庸で、個人的には浅目が好きな私には、ちょっと深いかな。メーカーに送って調整してもらうことも考えたが、併用する7Dのシャッターストロークと同じくらいなので、暫くこのまま使ってみて、様子をみようと考えている。
1D2から1D3へのモデルチェンジの際、バッテリーがニッケル水素からリチウムイオンに変わったのはご存じのとおり。私は1D3購入時に予備バッテリーも一緒に購入したのだが、結局ほとんど使ったことが無かった。フル充電での撮影枚数は、連写を多く使うか、モニターの表示時間などで変わってくるので、一概には言えないのだが、フル充電で1D3では4000枚は楽に撮れたので、結局予備は必要なかった。1D4は1D3と同じバッテリーなので、現在手持ちの2個を交互に使っている。確かに、1D4では若干減りは早くなったと感じるが、それでも3000枚は撮れるので、泊りの撮影旅行以外では予備のバッテリーは必要無いかもしれない。
上の作例
1D4+EF300mm F2.8 L IS 焦点距離 300mm シャッター速度優先AE WB(太陽光)
F2.8 SS 1/1000 ISO 100 評価測光 露出補正 +1/3 AI SERVO AF RAW
まず最初に、今回のインプレを書くにあたって、カタログを取り出してみた(上の写真)。写真では分かりにくいが、1D2(2004年3月発行)は26ページ、1D3(2007年2月発行)は22ページ、1D4(2009年10月発行)は僅か10ページである。メーカーからの解説書がPDFで公表されるなど、この6年間で紙媒体の扱いはドンドン変わっていると感じるが、こうしたカタログ自体も節約の対象になっているのだろうか。個人的にはちょっと寂しく感じる。
さて、1D4を初めて手にして、まず感じたのは、「1D3とほとんど変っていないなあ」。で、実際にいつものサッカー撮影に持ち出して撮ってみると、微妙に違う感覚も感じる。けど、やっぱり大きく変わったとは思えない。そして家に帰って、撮った画像を見てみると、「こりゃあ、凄いかも」と。これがまあ、私の大まかな印象。
1D3は既に下取りに出してしまい手元にないので、直接比較して見ることはできないが、外観はほとんど変っていないと思う。メニューや設定項目などは、ISOオートなどの新たに追加された機能もあるが、1D3ユーザーには、取扱説明書を読まなければ分からないような項目はほぼ無いと思われる。従って私も、1D3どおりに設定して、直ぐに撮影に入ることができた。外から見て変わったとはっきり感じたのは、液晶モニター。23万から92万にアップされた高画素モニターは、屋外で使うことが殆どの私にも、はっきりその差を感じる。でもまあ、撮った画像をこのモニターで確認することがほとんど無い私の場合は、決定的に嬉しい、というほどでもないし、7Dでも高画素モニターは体感しているので、1D系もやっと追い付いたか、という感じ。
しかしやっぱり、ガッシリした剛性感を感じる1D系のボディはイイ。確かに大きく重いのは事実だが、塊感とでもいうか、機能が凝縮された感じは1D系ならではのもの。7Dも中級機としてはそれなりに良いとは思うのだが、縦位置で撮影することの多い私には、あのバッテリーグリップは好きになれないし、その点1D4は縦でも実によく掌にフィットする。
上の作例
1D4+EF400mm F2.8 L IS 焦点距離 400mm シャッター速度優先AE WB(M)
F3.5 SS 1/1250 ISO 160 評価測光 露出補正 +-0 AI SERVO AF RAW
シャッター音に関しては無頓着な私だが(音で良い写真が撮れるわけではないので)、それでも言わせてもらえば、1D4と7Dでは雲泥の差がある。撮影のリズムや所有感に影響する、ユーザーにしか分からない部分だろうが、1D系はどれも、そのシャッター音は素晴らしく、他の機種とはかなり差がある。シャッターストロークは縦横ともに同じぐらい中庸で、個人的には浅目が好きな私には、ちょっと深いかな。メーカーに送って調整してもらうことも考えたが、併用する7Dのシャッターストロークと同じくらいなので、暫くこのまま使ってみて、様子をみようと考えている。
1D2から1D3へのモデルチェンジの際、バッテリーがニッケル水素からリチウムイオンに変わったのはご存じのとおり。私は1D3購入時に予備バッテリーも一緒に購入したのだが、結局ほとんど使ったことが無かった。フル充電での撮影枚数は、連写を多く使うか、モニターの表示時間などで変わってくるので、一概には言えないのだが、フル充電で1D3では4000枚は楽に撮れたので、結局予備は必要なかった。1D4は1D3と同じバッテリーなので、現在手持ちの2個を交互に使っている。確かに、1D4では若干減りは早くなったと感じるが、それでも3000枚は撮れるので、泊りの撮影旅行以外では予備のバッテリーは必要無いかもしれない。
上の作例
1D4+EF300mm F2.8 L IS 焦点距離 300mm シャッター速度優先AE WB(太陽光)
F2.8 SS 1/1000 ISO 100 評価測光 露出補正 +1/3 AI SERVO AF RAW