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Tokina AT-X 107 DX Fisheye 中編 [カメラ機材]

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上の写真のように、フードは固定式というか、盛り上がったレンズを保護するように周囲に立てられた楯のようなもの。レンズキャップもプラスチックではなく、厚みがあり、「はめる」というより「かぶせる」という感じのアルミ製のもの。このあたりはフィッシュアイらしい特殊性を感じるところです。ちにみに、魚眼レンズというと、前面レンズがかなり盛り上がったような印象を持っていましたが、実際に見た感じは、それほどでもなかったです。でも前面にフィルター類は付けられませんし、保護フィルターが付けられないのは、取り扱いなどでちょっと不安な場合もありますが、水滴や指紋などを簡単に拭き取れるようにコーティングを工夫した、というメーカーのアナウンスを信じることにします。
USMやHSMといった超音波モーターを使っている訳ではないので、駆動はジージーと音がしますし、AF速度もはっきり言って遅いです。しかしまあ、動体を撮る訳でもなく、使用状況を考慮すれば、この点では大きな欠点とは言えないでしょう。シットリとした重いズームリングの廻り方は、軽めの多い昨今のレンズに慣れた身には新鮮。これも、素早く画角調整しなければならない望遠系などと比べ、使用目的の違いが感じられる所かも。でも、ズームの回転方向が、キヤノン純正と逆なのは、ちょっと戸惑います。元々被写界深度が非常に深いフィッシュアイですから、ピント精度も特に問題無し。逆光に強い、という評価も、どこかのレビューで読んだことがありますが、あえて太陽を画の中に入れても、見苦しいゴーストは見当たらないようですから、やはり光源の位置をそれほど気にしなくても良いかなあ、と思います。画角が圧倒的に広いフィッシュアイですから、これはありがたいですね。
しかしまあ、この圧倒的な画角は、何でも画面内に入れてしまいます。気を付けないと、自分の足が写ってしまいます。周囲の歪曲のデフォルメ感も、私的には新鮮。この奥行き感というか広がり感というか、これを利用すれば何だか面白い画が撮れそうですが、それには、撮影者自身の工夫とセンスが要りそうで、使いこなせるまでにはちょっと時間がかかるかな。
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屋外で大きなものを一枚に収めたい時などには、今までの広角レンズのイメージでは、被写体が小さくなりすぎます。上の写真はワイド端10mmで撮ったもので、もう海に落ちそうなくらい近づいて撮ってます。写真では分かりにくいかもしれませんが、撮影者の私の足先は、386と書かれた係留ロープ杭のすぐ下にあって、私のすぐ頭上に船の舳先があります。このレンズは、思い切り近づかないとダメですね。風景撮影など使うと、私の腕では散漫になりそうで、ちゃんと目的を持って撮ることを要求されるようです。逆に、後ろに下がるスペースが無い屋内では重宝しそうですが、今度は邪魔なものも入りこんできますから、それの整理に気を使うかも。その点で、ズームできるのは助かります。このズーミングで周辺の歪曲度合いも変わってくるのですが、テレ端の17mmでは随分緩和されます。それでも周辺は真っすぐな物が曲がりますから、これじゃあ広角レンズの方が良い、と思われる方も多いでしょうし、この程度の曲りでは、魚眼らしい価値が無い、とおっしゃる方も多いと思います。けれど私としては、ズームを採用したということは汎用性を重視したということ。魚眼のデフォルメ感を楽しみつつ、いざとなればレンズ交換せずに、超広角レンズの代用となる点を「使い易さ」としてプラスに考えたいです。
下の写真は、向かって左が10mmで撮ったもので、右は撮影位置をちょっと後ろに移動して17mmで撮ったもの。10mmでこの5m近い塔を画面一杯に撮るには、数十センチまで近づかないといけませんでしたが、魚眼らしいデフォルメ感があります。17mmではそれが随分薄くなるのが分かっていただけると思います。
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下の写真は向かって左から、Fisheye 10mm・同17mm・EF-S15-85の15mm で、同じ位置から撮ったものです(小さくて見難いかもしれませんが、画をクリックすると大きく見れます)。写真では分かりにくいかもしれませんが、この巨大なクレーンを画面一杯に写し撮ろうとすると、Fisheye 10mmでは、ホントに真下まで寄らないといけません。が、同じ位置から17mmで撮ると、こんな感じになります。そして同位置からEF-S15-85の15mmで撮ると、若干画角が狭くなる程度で撮れることが分かっていただけると思います。それでもよく見ると、やっぱり魚眼の方が歪曲が感じられますし、この点でEF-S15-85は普通のレンズっぽいですね(当り前ですが)。
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Tokina AT-X 107 DX Fisheye 前編 [カメラ機材]

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もったいぶるつもりはなかったのですが、ご報告が遅くなってしまいました。今回、ウチの防湿庫の一員となったのは、トキナーの魚眼ズームレンズ、ATX-107 DX Fisheyeです。
今年8月26日に発表されたキヤノンの新レンズ。その中に、EF8-15mm F4L フィッシュアイ USMが有ったことに、驚きというか意外というか、そんな声が上がったようですね。確かに、他にリニューアルを希望する声の多いレンズが多々有ることを考えると、個性的だが使用が限定されるこうしたレンズよりも、という気持ちは、よく分かるし、私も同様だったのですが、でも魚眼でズームで、しかもLレンズということで、注目されている方もいらっしゃるようで。
フィッシュアイレンズ(魚眼レンズ)とは、とにかく広大な画角を得ることを目的とし、結果として周辺部の歪曲収差が出るのだが(故意に収差を残したレンズではない)、それをまた味として楽しむためのレンズ、だと私は思っています。フィッシュアイには全周魚眼と対角線魚眼があって、このAT-X 107は対角線魚眼なので、焦点距離10mmにて画像対角線で180度の画角が得られます。円像となる全周魚眼に比べれば、利用頻度の高そうなのは対角線魚眼の方で、私が探していたのもこちら。このレンズは、APS-Cセンサー専用のレンズで、ニコン等に比べると、僅かに小さいキヤノンAPS-Cセンサーでは、正確な180度の画角は得られない、との話もありますが、まあ私は気にしていません。
フィッシュアイレンズは単焦点、という認識が多いと思うのですが、ズームレンズも実は以前からありました(一種のみですが)。1995年発売のペンタックス用Fフィッシュアイズーム17-28mmF3.5-4.5が、主にフィルム用としてあったのですが、2005年にデジタル専用(APS-C専用)として、DAフィッシュアイ10-17mmF3.5-4.5EDに代わりました。この際、ペンタックスはトキナー(ケンコー)と共同で開発したようで、レンズ構成などは同じにしつつも外装などを換えたトキナー版が、2006年9月に発売開始されたこのレンズで、それまでペンタックスユーザー専有だった魚眼ズームが、キヤノンユーザーも楽しめるようになった、というわけです。
魚眼レンズをズームにすると、どういった所が利点なのか、といえば、やっぱり私は、ズーミングすることで、画像内の余分な物をカットできる、という点ではないかと思います。とにかく撮影者自身の前方全てを写し取ろうとする魚眼レンズ。当然、邪魔な電線や目につく看板なども入りこんできます。それをズーミングすることでカットすることができる点が、日常使用では一番ありがたい事ではないか、と。焦点距離10mmで対角180度の画角は、17mmでは100度となってしまい、魚眼レンズの画面効果は薄れてしまいますが(後述します)、一般使用にはズームできる方が使いやすいのではないか、と思っています。私が手を出してしまったのも実はこの点で、単焦点だと極端なキワモノレンズとなってしまい、使用頻度が極めて限定されてしまうように思えたのに対し、ズームだと魚眼のデフォルメを楽しみながらも、歪曲が多少ある超広角レンズとしても、そこそこの使用頻度が見込めるのではないか、ということでした。確かに、単焦点魚眼レンズに比べると、多少暗い点は欠点ですが、まあ昨今の高感度に強いデジタルでは、ISOアップで対処できるだろうし、ボケを楽しむレンズでもありませんしね。それと、やっぱり価格。使用頻度の高いレンズには、それなりの予算を費やしても良いとは思うのですが、逆の場合はやっぱり節約したい。本格的というより、気軽に楽しみたい方の私には、この価格が限界かな、と。
さて、今回は通販で購入したこのレンズですが、まず手に取ってみると、意外にコンパクト。下の写真は、向かって左から、Tokina 107DX Fisheye・SIGMA 18-50 F2.8・EF-S15-85 IS・EF17-40 F4Lです。大口径の明るいレンズでもなく、手ブレ補正ユニットを搭載しているわけでもなく、APS-Cセンサー専用として小型化されているからでしょうか。これ1本でまかなえる標準レンズではないですし、どうしても脇役として持っていくレンズになりそうなので、バックの片隅に入れておける小ささは、ありがたいと思いました。トキナーレンズを所有するのは2本目ですが、変に高級感を狙ったデザインをしているわけでもなく、しかし触ってみると金属的な堅牢感が伝わってくる外装は、質実剛健といったトキナーらしい好印象。
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Sunday Bridge [パソコン]

来年のことを言うと鬼が笑う、という諺がありますが、しかしもう、来年のことが話題になる時期が来てしまいましたね。
今月発売のPC雑誌などを眺めていると、来年2011年初頭からインテルは、次世代CPUを順次出してきて、デスクトップからノートまで刷新する、とのこと。コードネーム「Sunday Bridge」と言われている32nmプロセス、LGA1155の新ソケット採用の新CPUは、プロセッサー№が4桁になるそうですが、まあ勿論性能はアップするんでしょうね(詳しい事は分かりませんが)。来年PCを買い替える方は、注目事項かもしれません。
振り返ってみると、今年はPC関係でそれほど大きな変化があったような話が、あまり聞かれませんでしたが、来年はいろいろありそうです。HDDの大容量化も頭打ちになりつつあるようだし、以前ご紹介したブルーレイの新規格、ディスク1枚100GBオーバーというBDXLももっと低価格化してくるだろうし(既にBDXL対応の地デジレコーダーは出てますね)、転送速度がアップしたSTAT3やUSB3.0がもっと普及してくるだろうし、そういった点が来年の見所でしょうか。そうそう、SSDがこのところジワリと値が下がってきているのも、個人的には注目しています。
来年7月に予定されているアナログ放送終了時の喧騒を中心として、2011年も物欲との戦いの年となりそうです。
 
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カタログ [巷の雑感・時の想い]

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昔、初めて自動車を買った時のこと。ディーラーで貰ってきたその車のカタログを、枕元において寝る前に何度も眺めていた。契約してから納車までの日々、毎晩カタログを眺めては、端から端まで読み、運転席に座る自分の姿を想像し、どこへ行こうか、誰をまず乗せようか、などと夢を膨らませ、毎晩指を折って、その日が来るのを待っていたことを、記憶している。
デジタル一眼レフカメラを買おうと思いたった時、近所のカメラ店で貰ってきたカタログを、毎晩凝視していたことを思い出す。掲載されている素晴らしい画が、自分の手で撮れる期待にワクワクしながらも、解説文を100%理解できないもどかしさを感じたり、それゆえ、本当にこんな高価な物を買ってよいのだろうか、後悔しないだろうか、などと不安な気持ちも有ったことを思い出す。
興味や購入意欲のある人に向けては、重要な宣伝媒体なのかもしれないカタログは、実はそんな人へ夢や希望を届ける媒体であったりもする。ゆえに、気が付いた時にフッと手に取って見られて、寝転がって見られて、家族や友人に「こうなんだって」と指を示すことができる、紙媒体のカタログは重要だと、今でも思っている。ところが、今の世の不景気で、経費節約のためか、インターネットの普及のせいか、こうした紙のカタログは重要視されなくなってきているように思え、ちょっと寂しく感じる。確かにメーカーのホームページに行けば、知りたい情報はいくらでも得られるし、メーカーも随時更新・追加・修正できるので、便利なのは間違いない。ただどうも、画面で見るカタログは情報であって、あの紙のカタログを見て得られるワクワク感は、無い。
こうしてブログを書く時も、「アレはどうだったっけ」とちょっと調べたりする場合、まずはネットで検索してみる。それが最も早く、効率的だと思うからだが、一昔前なら、カタログや書籍を引っ張り出してきて探す、ということをしていた。無形である知識や情報を得るために、ある意味無形で無機質なネットから得るというのは、理にかなっているかもしれない。けど、実際に手にとって楽しむ物に想いを馳せるのなら、やっぱり手に取れるカタログの方が良い、と思う私は、やっぱりアナログなんだろうなあ。
今ここに、キヤノンのカタログがある。カメラのカタログは一機種一種類だが、レンズカタログは毎年発行されるので複数冊あるのだが、一番古いものは2002年11月発行のもの。これを見ていた頃は、白いレンズなんて到底手にできない憧れ、であったはずなのに、などと苦笑してしまった。そんな過去を思い出させてくれるのも、保存でき、手に持って眺めて見れる、紙のカタログの良さなのかもしれない。



ところで・・・


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