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自転車の修理 [巷の雑感・時の想い]

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地方在住者にとって自動車は、普通に生活するのに必要な、生活必需品化しつつある、と以前書いたことがあります。そして私も例にもれず、車を日常に使っています。それでも最近は、自転車を使うことも多くなりました。何といってもエコだし、火の車の家計にも貢献できる。最近の運動不足のことを考えれば、体にもいい。都市生活者のように「車より自転車の方が便利だから」という積極的な理由ではないのですが、風を切って走る気持ち良さを、ちょっと思い出したのが発端だったのかもしれません。
そういう私の今の自転車は、4年前に8900円で買った格安品。特に手入れもしていないので、錆も出始めています。この自転車、昨秋に後輪がパンク。まあ仕方ないなあ、としばらく放置してあったのですが、やっぱり無いと不便。先日行った某ショッピングセンターの自転車売り場で、「パンク修理840円」という表示を見て、それなら直そうか、と持ち込みました。丁寧に応対してくれた店員さんは、「こりゃあ、チューブも替えないと。それにタイヤもひび割れてますから、交換しないと」。結構苦労して車に積み込んでここまで来たのに、「それじゃあ結構です」という訳にもいかず、仰せのとおりに修理してもらうことにしたら、修理代金は3400円ほど。後輪のみ綺麗になった自転車を、また何とか車に積み込んで、帰宅しました。
冷静に考えてみると、今回後輪がダメになったということは、近い将来前輪も必ず修理が必要になるということでしょう。そうすれば、また3400円ほどが必要になる。新品8900円の自転車に、そこまで修理代をつぎ込むのは、良かったのか悪かったのか。新品を買うよりは安いとはいえ、4年も乗った自転車なら、タイヤ以外にもブレーキが不調になったり、チェーンが切れたり、ということは今後予想でき、そう考えると、いっそこの際に新品に替えた方が、不安無く・気分良く、という精神的プラスも考慮すれば、正解だったのかも。だいたい、エコや節約の目的でも自転車を使っているのに、ここで大局的に考えて損をするようなことでは、本末転倒なのでは、などなど。
先日、知人に今回のことを話したら、「そりゃあ、安かったと思うよ。オレなんか、○×店で同じくタイヤ交換してもらったけど、5000円だったからね」との返事を得るに、その店の修理代金が特に高かったとも思えない。店員の口車に乗ってしまった私が悪かったのか、と考えてみても、確かにボロボロにひび割れて裂けつつあるタイヤをこの目で見て確認した訳だし、今後も乗り続けるのに、余分な修理をしたとも考えにくい。
逆に、もっと高価な自転車だったら、タイヤ交換費用は、もっと高かったかというと、そうではなかろう。ということは、今回私が思慮を巡らせた主要因は、格安自転車だった、ということでしょう。これが自転車ではなく自動車になると、違う。タイヤがパンクしたからといって、パンク修理するよりタイヤごと替えようと考える人は居ても、修理するより新車を買った方がイイ、と思う人はまず居ない。第一、新品価格が自転車の比ではないし、修理価格が新車価格と変わらない、というケースは稀で、もしそうなったら間違いなく「諦めがつく」。愛車・愛機・愛用品という「愛」の付くものは、価格に替えられない使用者自身の思い入れがあるだろうから、少々高くても、直して使い続けたい、という想いが湧き出てきたとしても不思議ではない。ただ、身の回りにあるものは、そういった品ばかりではない。今回の件だって、10万円以上する高級自転車だったら、誰かに贈られた思い入れのある自転車だったら、この修理代をそんな風には感じなかったでしょう。私がこの格安自転車を選んだということは、実用性第一で、どのくらい使うか分からない、でも有った方が便利だから、という理由だったと思うし、その時点では「節約」ということを考えた結果の選択だったと思う。そしてそれなら、最後まで「節約」ということを考えて、取捨選択していくべきだったのでは、というのが、今回思慮を巡らせてしまった根柢の要因でした。
昨日、近所のホームセンターに行くと、新品自転車が6990円で売られていました。昔子供の頃、自転車のパンク修理をしてくれた、街の自転車店は、どこも閉店されたか、店自体が無くなっていました。残っているのは、大型店やショッピングセンターやホームセンターだけ。実用品と割り切るなら、安価な自転車を修理せずに乗り換える方が、得な時代になった、自転車もそんな消耗品の仲間入りをした、ということなんでしょうか。前回の記事でメガネのことを書きました。そして今回は自転車。私たちほ生活していく上で、いろんな物を使っています。必要な物・贅沢な物・喜びを与えてくれるもの・毎日使う物とたまにしか使わない物。使えば壊れたり、減ったり、劣化したり、当然します。その時にどう選択するか、悩まなければ賢い消費者にはなれない、難しい時代になってしまいました。一昔前は、永く使うことが美徳で、そう教えられてきた昭和年代の私には。

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