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サッカー撮影05(記憶色 前編) [サッカー撮影]

これまで色に関しては無頓着だった私。極端に違った色が出ていなければ許容範囲、むしろ、それ以外の事に集中するので手一杯、というのが実情でした。しかし2年程前ある方に「正しい色が出ていないんじゃない」と指摘されたことがあって、それ以降ちょっと気にするようになりました。今回のテーマは、「記憶色」です。

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「記憶色」という言葉を聞いたことのある方、いらっしゃるだろう。記憶色とは、多くの人がイメージとして記憶している色のこと。例えば、桜の花はピンクだと思っている人が多いと思うし、写真として見せる場合も、そう表現したいところだが、実際には桜の花びらは白色に近い。晴天の青空や海も、実際には薄い青や濃紺のように見えるのだが、その場で自分の眼で見たものより鮮やかな青色にしたいと思う。それは、印刷された写真を見慣れているが故に、そういった好ましいと思われる記憶色に近づけようとしているためだ。万民の記憶色に表現するのが正しいのか、真実を忠実に表すべきなのか、そういった奥深い事をここで書きたい訳ではない。ここでテーマにしたいのは、その場に居た自分が見て、記憶している色を、そのままに表現すべきかどうかで、もちろんサッカー撮影においてだ。
今の時期は少ないかもしれないが、真夏などではナイターでサッカーの試合が行われる場合もある。当然、照明に照らされる選手を撮るということになるのだが、この照明がサッカー場によってかなり変わる。同じサッカー場でも、ピッチ中央と周辺部で色見が変わったりする。下の2枚の写真を見て欲しい。ちなみに撮影データを記しておくと、
1D4+EF400mm F2.8 L IS USM 焦点距離 400mm 絞り速度優先AE 評価測光 AI SERVO AF
絞り F3.2 シャッター速度 1/1600 ISO 6400 露出補正 -2/3 オートホワイトバランス(AWB) RAW

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上の2枚の写真は上記の同じ設定でRAWで撮り、パラメーターはどちらも同じにして現像したもの。この2枚は同じ日、同じ試合で撮ったもので、撮影時間が向かって左側は20:43:28、右側が20:45:00。注目すべきは芝の色で、1分半の間にボールが動き、グランド内でレンズを向けたポイントが異なるために生まれた差だと推測される。これはホワイトバランス(WB)の問題ということになるのだろう。キヤノンのオートホワイトバランス(AWB)は優秀という評価が以前からあるが、人工照明下で、光線状況にムラのある難しい条件では、同じピッチでもレンズを向ける方向・場所によっては、AWBでこんな差が出る、という例。
では、色温度を指定して撮ればイイじゃないか、という意見が出るだろう。そこで、上記の2枚の写真の色温度を、どちらも3500Kにしてみたのが下の写真。2枚の差が少なくなり、ほぼ正しい色が出ていると思われる。

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もう一例。下の写真は、別の日に同じグランドで撮ったナイターでの写真。

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向かって左側がAWB、右側が色温度3500K。比較してみると、多くの方が右側を選ばれると思う。先にキヤノンのAWBは優秀と書いたが、全ての場合に正しいとは限らず、次回の撮影から、こうしたナイター撮影では、このように色温度を指定して撮ろう、という結論に達しそうだ。
しかし私は、どうも違和感が拭えない。なぜなら、撮っていた私が記憶している色味とは、3500Kにした画とは違うように思えるからだ。あの時私の眼に映ったのは、こんな緑の芝ではなく、もう少しアンバーがかっていた芝と記憶している。撮った写真を正しい色・本来の色を出すようにすると、その時その場で自分の眼で見て記憶している色と、だんだん離れていくことがある。何だかサッカー場ではなく、写真スタジオなどでライトアップされた選手を撮ったように思える、とは言い過ぎだろうが、自分の記憶色との差を感じてしまうと、臨場感が薄れていくようで、本当にこれで良いのかなあ、とも思ってしまった。

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coffee [日々の徒然]

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予報どおり、今年の冬は寒い日が続いてますが、我が地方ではあれ以来、雪は見ていません。こんなに寒いのだったら、いっそもう一度雪でも降ってくれれば、などと不埒なことを考えてはいけませんね。
ところで私、最近は毎日ホットコーヒーを楽しんでます。特に凝っているわけではないのですが、こう寒い日が続くと、暖かい飲み物が嬉しくなります。確かウチにコーヒーメーカーが有ったよなあ、と探してみると、棚の奥に埃にまみれて有りました。早速、綺麗に洗って使ってみると、やっぱりイイですね、コーヒーって。
考えてみると、年間を通じてかなりの量のコーヒーを飲んでます、私。昔は一時期凝ったことがあって、豆も何種も揃え、手動式コーヒーミルで炒って、楽しんでいた時期もあったのですが、毎日の生活自体が慌ただしくなると、そんな余裕など消え、インスタントで充分、最近の缶コーヒーもなかなか、という志向が永く続いていました。そんなある日、サッカー帰りに寄ったコンビニで、予め容器に入って売っているのではなく、その場で炒れられるコーヒーを飲んだところ、なかなか美味しい。それがキッカケとなって、家でも飲むようになったというわけです。
それでも、昔のように凝るわけではありませんから、スーパーで買ったコーヒー豆とコーヒーメーカーは、手軽で充分な妥協点。キモとなる水だけは、ちょっと贅沢して、市販されている天然水を使っていますが、毎日こうして飲むおかげで、缶飲料を買うことが無くなり、結果的には節約になっているかなあ、などと、相変わらずセコイことを考えたりしています。
冬の寒い日に、湯気の立つカップを口に運びながら、思いを馳せるのも、なかなかオツなものかもしれませんよ。
(節分の豆には合わないと思いますが)

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