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乾電池 [日々の徒然]

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家内に誘われて、近所のスーパーへ買い物に行きました。
「誘われて」という点が微妙なところでして、こういった場合は「荷物持ち」の役割を押しつけられることが決まっているようなもので、そういった下心ミエミエのお誘いなのですが、この誘いに乗らないと今夜のオカズが乏しくなることも、既に経験値として刷り込み済みなので、表面上は快くお誘いに乗る、小心者の私です。まあ、せっかく来たのだから「この際」と、好みの品をカゴに入れたりしようとプラス指向に切り替えるのですが、「この際」と思っているのはアチラも同じようで、重量物でカートがドンドン重くなっていきます。スーパーで仲良く買い物をする夫婦というのは、若いカップルなどは楽しいデートの延長線上なのかもしれませんが、この歳だと、こんな表面には表れない思惑の上でカートを押していたりするわけです。
さて、一ヶ月ほど前に来た時は、品が溢れるほど並べられていた棚の所々にあった、空白と入荷未定の張り紙が、震災の影響を感じさせたりもしたものでした。が、飲料水だけは「お一人様4本まで」との数量制限はされていてましたが、そのような欠品の空白は今では殆ど見かけなくなりました。ではあの時、どこを探しても見つけられなかった乾電池は?とその棚を覗いてみると、やっぱりまだ有りませんでした(単三乾電池だけは豊富に並んでましたが)。あの時、ココでも震災があったら、やっぱり懐中電灯が要るよなあ、と思って、我が家の物入れから取り出してみると電池切れ。これじゃあイカンと、妙な家主の責任を感じて、電器店からスーパー、ディスカウントショップやホームセンターと、アチコチ探し回っても、まったく見つけられなかった単一乾電池。被災地から数百キロ離れたココでも、あれから一ヶ月以上も経っても、まだ有りません。「やっぱりなあ」と諦めて立ち去ろうとした時、やって来たのは大きな業務用カートを押してきた店員さん。カートのダンボール箱からおもむろに、単一乾電池を取り出しては、それまで小さな失望を私に与えていた棚に、ドンドン満たしてくれているではありませんか。これは天が恵んでくれた幸運だろう、今朝見た今日の運勢は最悪だったのに、などと思いつつ、遠慮がちに手を伸ばし、4本入り1パックを掴んでしまいました。別に万引きするわけでもないのに、ちょっと罪悪感を感じてしまったのは、やっぱり私が小心者のせいでしょうか。すみません、我が家にある唯一の懐中電灯は、何と単一乾電池を4本も使うヤツでして、この4本パックを一つだけお願いしますよ、などと、誰に言うわけでもない理由を考えたりして・・・
買い物袋の底に入れられて、我が家に辿りついた乾電池。早速セットしようと懐中電灯を取り出して、フッと考えた。今入っている乾電池だって、結局使われないままセットしていたからこうなった。今回だって、今入れても何時使うか分からない。ホントに必要な時に今回のように電池切れでは、今日の私の努力(?)は何だったんだ、ということになってしまう。ここは、切れた電池は捨て、今日買った乾電池は懐中電灯に入れず、一緒に保管しておき、必要になった時にセットして使う、というのが正しいのではないだろうか、と。これが必要になった時、というのは、きっと乾電池も今回のように、入手困難になっているに違いないのだから、と。正解得たり、としたり顔の私は、大事そうにその乾電池と懐中電灯を、物入れの一番上に並べてしまったのでありました。もちろん家人達には、その訳と根拠をコンコンと説くことも忘れませんでした。
まあそんなわけで、頬笑みながらも、内心シブシブ行った買い物で、我が家の防災対策が一つ、完了したという話でした。

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