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天皇杯 後編 [写真・撮影]

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台風の影響を色濃くした空からは、雨が断続的に降り続いています。それだけならまだしも、強弱をつけながら風も止むことなく、最悪のコンディションといえると思います。最高気温が26度と、この時期としては涼しかったことぐらいが救いでしょうか。
9年以上もサッカーを撮ってきて、悪い条件での撮影を強いられたことは何度かあります。それでも、傘やビーチパラソルを使えたり、テントの中からや学校の建物を利用して撮影できたり、と救われる部分はありました。今回は、サッカー場のピッチサイドですから、もちろん傘は使えませんし、JFA(日本サッカー協会)管轄の重要な試合ですから、スタッフも多く、雨風を防げるところからの撮影はムリです。小学生サッカーなら15~20分ハーフですから、意を決してその時間だけ我慢して撮る、ということもできましたが、天皇杯は45分ハーフ。最低45分間は雨中にさらされることを余儀なくされます。更に今回は、依頼撮影です。趣味で撮っていたり、チーム依頼なら、まあ適当に撮ってお茶を濁す、ということもできたかもしれませんが、県サッカー協会の年間最重要行事である天皇杯の撮影依頼ということで、手は抜けず、きちんと期待された結果を残さねばなりません。

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その雨も、上から下に降ってくれればよいのですが、横なぐりの雨です。今回も、1D4+EF400 F2.8 LISで臨みましたが、ピッチサイドでレンズを左右に振れば、あの深いフードをかいくぐって、雨粒がレンズ前面に貼りつきます。それに加え、ファインダーを覗く接眼部にも。さらに加えて、私は眼鏡をしているのですが、眼鏡にも。こうなると、ファインダーを通して得られる画がボンヤリで、ピントが来ているのかどうか確認できず、1D4のAF頼りで、あとは勘です。レインコートを着ているのですが、頭を覆うフードは風で飛ばされるので役に立たず、レンズ前面や眼鏡を拭く為のタオルをポケットから頻繁に取り出すために(中途半端に拭くとかえって曇りますが)、否応なくその都度雨が服内に入り込み、文字通り頭の先からつま先まで、びしょ濡れ。私の体はともかく、カメラやレンズは電子部品の塊ですから、大丈夫か?と心配になるのですが、こういった場合に有効なレンズ+ボディをすっぽり覆うレインカバー、私持っていないんですよね。僅かなビニール(シャワーキャップ)でレンズとボディの接合部をカバーしただけで、あとはキヤノンの言う「防塵防滴仕様」を頼りに、斜め頭上からたたきつける雨の中で45分間たたずみ続けるという、なんとも無謀な撮影に挑んだ次第です(ちなみに、記者の方々は、遠くのひさしの下から撮ってました)。
「無理しないでくださいよ」と、役員の方々から声をかけていただいたのですが、意外にも私の撮影意欲はまったく萎えておらず、雨でボヤッとした画になることを避けるため、雨粒や飛沫を鮮明に写すため、シャッター速度をいつもより上げて、撮影に臨みました。午後1時からの試合というのに、途中で急に暗くなったりして、ISOを上げることを余儀なくされましたが、ビニールに包まれたボディで随時のISO変更は面倒(Mモード+ISO AUTOにすればよかった)。まあ反省点はありましたが、雨の試合でしか撮れない画を目指して、苦戦しながらも集中力を切らさず、何とか義務は果たせたかな、と思っています。機材の不良や故障は幸いありませんでした(サスガ!プロ仕様の1D系)。試合時間90分で800枚ほど撮影。もちろん通常時よりも歩留まりは悪かったですが、そんな中から少し「飛沫の競演」を載せますので、雰囲気を分かってください(こんな無謀なこと、真似しないでくださいね)。

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