SSブログ

CANON EOS 5D MarkⅢ+BG [カメラ機材]

「CANON PLAZA 名古屋」とは、サービスセンターと機器の展示のデジタルハウスの総称だということを、やっと知りました。で、そこへ行って・見て・触った話の最終話です。

5D3+BG-1.JPG

5D MarkⅢももちろん置いてありましたので、しっかり触ってきました。7Dと相通じるボディにフルサイズ2230万画素センサー、そしてAFシステムはほぼ1DXのもの。プロ機のAFをハイアマ機に移植するというのは、ニコンで見られた手法ですが、キヤノンでは初めてではないでしょうか。ということは、搭載機を増やしてより多く元を取るということは、このAFに関しては革新的で開発費用が掛かっているのかな、と思ったりして。
ファインダーを覗いた印象は、1DXの時に書いたものと同じ。シャッター音は7Dよりもメカニカルな感じに聞こえましたが、1DXには遠く及ばず。まあ、シャッター音で良い写真が撮れる訳ではないですから。連写も秒6コマになりましたから、1DXのAFと合わせれば、これでスポーツなどの動体撮影もできないことは無いと思います。5D2は知りませんが、操作レスポンスも良さそうだし。けれど、7Dや1D4に慣れた身には、そして1DXを触った身としては、やっぱりソレ向きの機種とは思えませんでした。秒6コマは、この画素数ならできるから、といって付けた機能のような気がしてしまいます。
そしてサッカー撮影するなら、バッテリーグリップ必須の私なので、「5D3のバッテリーグリップは有りますか?」って、オネエサマに聞いてみたところ、「有りますよ」とのこと。早速付けてもらいました。7DのBG同様、バッテリーは2個入れることが可能で(1個でも可)、付け方も同じ。違いはバッテリーの搭載方法が、7DのBGは縦に並べて挿入するのに比べ、トレイに入れて1D系と同じようにボディの横側から挿入する方法です。これで、BG自体の縦でのグリップ部分の厚みを軽減できます。7DのBGは厚くて角ばっていて、角材を持っているかのよう、と以前書きましたが、それと比べて5D3のBGは随分スマートになりました。BGにジョイステックと付きましたし、これならまあ不満無いできかな、と。もちろん1D系の縦に比べれば、まだまだ差はありますが。
5D3+BG-2.JPG

5D3+BG-3.JPG

私の印象としては、やっぱり5Dは風景やスナップ、高感度を生かした夜景撮影やマクロなど、そうした静止画中心の機種だという印象は変わりませんでした。スポーツ撮影しないのであれば、1日あたりに撮影枚数はそれほど多くないだろうし、縦での撮影が主でなければ、改善されたとはいえバッテリーグリップも必須ではないでしょう。前にも書きましたが、フィルム一眼がその受像を、フィルムからCMOSセンサーに替えてデジタルカメラになったとすれば、この5D3は一つの到達点と言えるかもしれません。連写性能はオマケで、一枚一枚しっかり考えて撮る、というスタイルこそが、この機種の本筋のように思えました。

私は5D系のユーザーになったこともなく、今のところその予定も無いのですが、ちょっと余談として私見を書かせていただきます。
5D2からの進化度を考え、CANONは当初30万円オーバーの価格設定をしたのだと思いますし、それはあながち間違ってはいなかったのかもしれません。しかし市場には競争が必ずあり、ライバルは必ず存在するものです。まったく同時期にNikonから、3680万画素のD800が出てしまっては、比べるなという事の方が無理でしょう。ネット上の某巨大掲示板などでは多くの論争があるようですが、あえて非ユーザーの私が書かせていただければ、現在の5D3の価格は高すぎると思います。画素数がすべてを決める訳ではないことは重々承知していますが、点の集合体で画を形成するデジタル画像において、これまでも、そしてこれからも、重要項目であることは、まず異論は無いと思います。事実キヤノンは、これまでその面で批判が出てもトップを走り続けてきたメーカーです。それが、画の緻密さが重要視される機種で、画素数の点でライバルに劣るならば、少なくとも同価格以下に設定すべきです。画素数アップ競争にいいかげん終止符を打って、というならば、価格面で頑張ってフルサイズの普及、量販の方に舵を切るのが普通のように私は思えるのです。
画素ピッチの狭さは、受光面積の狭小化を招き、高感度における不利を生みます。事実、CANONにしてもNikonにしても、高感度に対する比重が増すであろう機種の1DXやD4では、画素数を欲張ら無い方向で共通しています。ではその対極にある機種ではどうかといえば、それがNikonはD800であり、CANONは5D3であるとするなら、5D3はD800より1~2割近く高価な価格差を埋める性能差が有るのでしょうか。高感度における5D3の優位さを訴える声もあります。ただ、巷で作例として見られるD800の高感度の画も、なかなかではありませんか。D800の画素ピッチは4.88μm、それは7DのAPS-C1800万画素の4.30μmよりも広いのですから、Nikon D800がそれほどムチャをしているとも思えません(ただし、これ以上の画素数も必要無いとは思いますが)。これらの機種のユーザーが実使用で、ISO3200以上が必要な状況というのが、どれほどあるのか。画素狭小化の批判なら、むしろ高感度の使用比率の高そうな7Dにこそ、向けられるべきです。
私は高画素化の弊害は、高感度耐性の面ではなく、その高画素を生かすには、それなり以上のレンズが必要だ、という点ではないか、と思います。高性能レンズのラインナップがプアーなメーカーが、これほどの高画素機を生んだなら、「生かし切れない」との評価が出ても仕方ないでしょう。しかしこの点でもニコンは、レンズのリニューアルを積極的に展開しつつあるではありませんか。
5D3の狙うユーザー層は、たぶん初心者ではなく、レンズ資産をある程度お持ちの方々だと思います。5D3に魅力を感じたら、他メーカーなどに目も向けず、購入するのも大いにアリだと思います。決して量販を目的とした機種ではないでしょうから、暫くは価格は下がらないかもしれません。しかし、APS-C機で最上と言われ登場した7Dは、発売当初17万円台だったのが、一年経過後には10万円台まで約40%も落ちたのです。APS-C機は機種豊富ですから、フルサイズの5D3がそのまま当てはまるとは思っていません。けれど今後フルサイズ機が増える傾向にある一年後に、1DXのように価格維持している保障は無いと私は思えるのです。
我々ユーザーは、カメラをオーダーメイドで作ってもらう訳にはいかない以上、メーカーが製品として市場に出したものしか手にすることはできません。CANONは一眼レフカメラ部門で、今年ちょっと角度を変えて舵を切ったのかもしれません。その原因が、社内他分野に社力を削がれたため、というのでなければ良いのだが、と思っているのですが。

というのが、ツラツラと私が感じた事の次第です。ではオマエはどうするのか?と問われれば、それはまた機会を改めて、落ち着いた頃に書こうと思っています。

nice!(5)  コメント(3) 
共通テーマ:趣味・カルチャー