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サッカー撮影37(後姿) [サッカー撮影]

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前回のサッカー撮影19では、「サッカーを撮るとは、殆どの場合、プレー中の選手を撮るということ」と書きました。それはつまり、サッカー選手という人物撮影であり、その意味でポートレイトのように、人物の顔(表情)が大きな要素を占めると思われます。では、そんな選手の顔や表情が写っていない写真、後姿の写真には、何の価値も無いのでしょうか。今回はその点がテーマです。

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確かに、自分の子およびチームメイトを撮っておられる方、自称・他称のチーム専属カメラマンの方にとって、選手の顔が写っていない写真は価値の無い写真として、削除対象になると思います。私も実はそうでした。それが何時の頃からか、後姿にも選手の意志が感じられるものもある、と気付いて、そんな写真は敢えて残す、という様に変わってきました。「男は背中で語る」という言葉がありますが、表情そのものは見えなくても、後姿から躍動感や勝負にかける気合を感じることがあります。

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ただ、選手の後ろ姿を撮って、意味ある画にするということは、チーム撮りとは対極の、作品的な画を撮る、ということに極めて近く、この「作品的」という点では、芸術性を重視することになりますから、私程度の力量で「こう撮ればイイ」ということは、なかなか書けないですね。撮る人・見る人のセンスや感性によっても評価が違ってくるでしょう。今回掲載した写真にしても、自分では良いと思っても、見る人によっては意味無い画に思えることもあるでしょうし。

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それと、そういった選手の後姿主体の写真を撮ってどうする?という、使用目的の件もあります。イイ感じに撮れたと思っても、その子の写真としては適さない場合も多いだろうし、ではフォトコンなどに出せるほどの作品にするには、更に高いハードルを越えなければならないでしょう。結局は、撮影者のバリエーションの一つとして、自己満足的にストックしておくケースが多いのではないか、という懸念もあり、積極的に勧めるには、ちょっと抵抗感はあります。

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もちろん、実際の撮影に際して、わざと後姿ばかりを撮り続ける必要はないと思います。前からも後ろからも、と撮り続ければ、20分ハーフの小学生の試合でも1000枚を超えてしまうでしょう。それでは以前書いた、「撮影写真の平均レベルを上げてこそ、良作が生まれる余地が増える」ということと反してしまいます。見る者に何も感じさせない後姿は、やっぱり削除対象ですし、故に撮る必要はありません。普段は当然、選手の表情を含めた写真を狙うのがセオリーだと思います。ただ、後ろ姿だからという理由だけで、シャッターに掛けた指を離してしまうのではなく、そんな写真でも意味あるものにできる場合がある、という「引き出し」を頭の隅に持っていれば、いつもの写真に一考を加えるチャンスとなる可能性は有るかもしれません。
私がここで書けるのはその程度で、後は皆さんの創意工夫とセンスでチャレンジしてみてください。

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ヤングなでしこ(追記) [サッカーあれこれ]

ひろ@さんからご指摘がありました。前のブログ「マイ趣味ライフ」の2010年5月5日の記事に使っている写真は、アンクラス時代の猶本 光(なおもと ひかる)選手ではないか、と。
http://junior-youth.blog.so-net.ne.jp/2010-05-05
いや~、そうみたいです。見落としていました、スミマセン。今回のU-20女子W杯でも主力MFとして活躍し、2得点を挙げた選手です。

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この写真を撮ったのは、2009年3月22日、我が県の伊賀上野市で開催された「忍びの里レディース」という大会。そこに参加した、「福岡J・アンクラス」の一員として、背番号9の選手が猶本光選手で、当時15歳になったばかり。しかもキャプテンマークを付けています。2010年、トリニダード・トバゴで開催されたFIFA U-17女子ワールドカップでは全6試合に出場。2得点を挙げるなど、日本の準優勝に貢献した凄い選手ですね。当時撮っていた私は、そんなにも若い選手とは思ってもみなかったですから、飛び級も納得です。写真在庫から、あと2枚ほど貼っておきます(昨今は、女子選手の写真撮影もナーバスですから、貴重かも)。

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やっぱり、こんな年代から活躍する選手がいるということは、日本女子サッカーの未来は明るいですね。後は、競技人口を増やして、サッカーに専念できるプロ化を進めることでしょうかネ。

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ヤングなでしこ [サッカーあれこれ]

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U-20女子ワールドカップが先週末閉幕したことは、皆さんご存知だと思いますし、我が「ヤングなでしこ」が3位決定戦でナイジェリアを下して、銅メダルを獲得したこともご存知の事と思います。FIFAの国際大会が日本で行われることは、2002年の日韓W杯以来の事で、しかも、当初ウズベキスタンで開催される予定が、今年2月に急遽日本で行われることになったため、準備不足や観客動員の不安もあったようですが、ロンドン五輪での「なでしこジャパン」の活躍の後押しもあり、またゴールデンタイムでのテレビ放映のお陰もあって、なかなか成功裏に終わったのではないでしょうか。男子のW杯だけに拘らず、こうしたFIFAの国際大会を、今後も日本で開催していってほしいですね。それが、日本でのサッカーファミリーの拡大を生むと思うからです。
さて、「ヤングなでしこ」の最終戦となったナイジェリアとの3位決定戦は、2-1で日本の勝利となりましたが、この試合で得点したのは、田中陽子選手と西川明花選手でした。この2選手、いづれも私、直に見たことが(撮ったことが)あります。というのは、我が県で試合をしたことがあるからです。

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2年前の2010年全日本女子サッカー選手権一回戦が我が県で行われた際、JFAアカデミー福島の一員として、背番号13を背負うMFが田中陽子選手(当時17歳の高校2年生)。体格は普通の高校生のままでしたが、実にクレバーな動きをする選手で、それは多分、確かな基礎技術の元に成り立っているように思って見ていました。特別大柄でもなく、足が特に速いわけでもないと思いましたが、体格で勝る大学生を相手に、フィジカルで押される前に「いなす」、何とも上手いプレーヤーで、これで17歳なら日本の女子サッカーの将来は明るいな、と思った次第です。

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もう一人の西川明花選手は、同じく昨年の全日本女子サッカー選手権一回戦で、FC高梁吉備国際大学の一員として、背番号9を付けていました。彼女(当時19歳)は見かけどおり、何とも野性味溢れるプレーぶりのFWで、縦横無尽にピッチを駆けまわり、2得点を決めていました。フィジカルコンタクトをものともせず、嗅覚鋭くゴールを狙う姿は、男子顔負けのゴールゲッターに見えましたね。

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当県で、天皇杯や全日本女子のような全国規模の大会を開催できている(一回戦ですが)お陰で、ボランティアカメラマンとして協会のお手伝いをしている私にも、こうした選手を写す機会に恵まれた、という訳です。そう考えれば、採算面では当然厳しいであろう地方での開催も、見に行く価値が見出せるのではないか、意義ある事ではないか、と思えます。Jリーグの試合などは観客数も多く、交通手段のことなど考えると、「気軽に」とか「暇だから」とかで見に行くには躊躇してしまう方でも、近所でこんな試合があれば、覗いて見るのもいいかもしれませんよ。
余談ですが、今回の「ヤングなでしこ」を見ていて私的には、180cm級のゴールキーパーが欲しいなあ、と思いました。女子で180cm? いえいえ不可能ではありませんよ、女子バレーボール界を見てみれば、ね。

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サッカー撮影36(表情を撮るために) [サッカー撮影]

久しぶりの「サッカー撮影」です。文字数の多い記事の後ですから、今回は写真中心で。

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サッカーという競技は、ボールを足で扱うことがほとんどの競技。ということは、ボールは地面上にあることが多く、それを追う選手の顔は下向きになることが多くなります。「サッカーを撮る」とはほとんどの場合、「プレー中のサッカー選手を撮る」ということと同意ですので、この下を向きがちな人物を撮るにあたって、その表情を写す難しさを皆さんは感じておられると思います。見方を変えれば、では地面より高くボールが上がった時はシャッターチャンスだ、とも言えます。

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ボールが地面より高くとは、選手の頭より高く上がらなくても、腰の位置以上にボールが上がれば十分でしょう。ではそういったシーンが試合中に稀な事か、といえば、幼児期のサッカー以外では、豊富ではないがソコソコ有る、と思います。蹴ったボールを頭で競る、ロングボールを胸でトラップする、バウンドしたボールを相手選手と競り合う、そんなシーンはサッカーを撮っている方々には見慣れたシーンだと思います。そして、その時こそがチャンスなのだと意識して撮れば、思わぬ表情を写し出すことができます。

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サッカー撮影では基本的にボールを追います。けれど、ボールだけを追っていては、そんなシーンはなかなか撮れません。ボールの行く先を予想して、ボールが渡るであろう選手に、ボールが来る前にピントを持っていかなければなりません。そして、その際ボールが地面から上がっていればチャンスです。彼ら(彼女たち)の、真摯で必死の表情が捉えられると思います。ただ、それが良作になるかどうかのポイントは、実は画面上で選手とボールの位置関係。これは場数を踏んで慣れていくしかないですね。

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