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フォトコンテストの落選作 その4 [写真・撮影]

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落選するには、それなりの理由があります。前回は、自分の応募作よりも優れた作品が多かった場合を書きました。それ以外に、写真そのものよりも、レタッチやプリント技術で劣った為に、本来の成果を得られなかった場合もあると思います。フォトコンテストの応募にはデータで応募するものと、プリントしたもの(サイズはそれぞれのフォトコンごとに決められている)で応募する2種類があります。どちらかと言えば、後者の場合の方が多いですね。

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プリントして応募する場合、まずはその用紙サイズを選びます。規定で決められているサイズの中から、できるだけ大きいサイズで応募すべきでしょう。以前にも書きましたが、コンテストでは撮影者の伝えたいものを、いかに表現するかがポイントですから、選者に対する画の大きさのインパクトは必ずあります。小さいサイズで応募しても、画の構図的な点や色味などは変わらないはずですが、見る者に伝える力はやはり弱いと思われます。応募規定範囲内でできる限り大きいとなると、A4や四つ切、四つ切ワイド、といったサイズになると思いますが、注意すべきは、これらの用紙は元写真(デジタル一眼レフの場合)の完全な3対2ではないことです。A4(297mm×210mm)サイズはまだ3対2に近いですが、四つ切(305mm×254mm)などは6対5に近く、元写真をかなりトリミングしなければなりません。応募する画に応じてプリントする用紙を選ぶか、用紙サイズを念頭に入れて応募作を選ぶか、どちらでも構わないと思いますが、A4と四つ切でこうも縦横比が異なれば、A4だと落選作だけど四つ切だと入選、ということも充分考えられます。ベースとなる用紙サイズの選択は、応募写真を選ぶのと同じくらい、結構重要です。
もちろん用紙の大きさに関係なく、上下または左右に余白(黒色でも可)を設けてプリントする、ということも可能です。ただ応募者がこの余白部分をどう活用するか、選者がどう評価するのか、難しい部分でもあります。この点で、余白部分を有効活用できる力量の無い私の場合、未確定要素がなるべく少ないように、敢えて余白は作らないで応募することに専念しています。きっと上級者の方は、そういった点も表現要素の一つとして有効活用するでしょうが、ここではこれ以上の言及は私には無理なので、割愛させていただきます。

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レタッチについても、詳しく述べられるほど腕は無いので、割愛させていただきますが、有るはずの物を無くしたり、無いはずのものを加えたり、有りえない色にしたり、といった事は、多くのフォトコンで禁止されています。レベル補正やホワイトバランスの調整程度では、まず規定違反になることはありません。厳密に言えば、トリミングでさえ画像加工なのですが、これを禁じられてはプリントしようがないですし、昔からベルビア色があったように、使うフィルムや印刷用紙によって好みの色を出す、という事は問題なく行われてきました。特別な規定が無い限り、特別な画像操作をしない限り、大丈夫だと思います。
むしろ、プリントで応募するフォトコンテストでは、そうした印刷技術も採点の対象になる、ということです。自分の表現したいものを効果的に見せる用紙を選び、伝えたい色を出す、ということも重要なこと。いかに優れた写真でも、その点で劣っていた為に入選を逃した、という話を聞いたことがあります。最近では家庭用プリンターも高性能になり、用紙も実に様々なものが販売されています。どれが良いのか、それら全てを試すことは個人では難しいですが、ご自分のプリンターで印刷して応募する場合は、そのクセや設定方法を煮詰めておく必要はあるかと思います。
ちなみに私の場合ですが、過去にいろいろなフォトコンに応募してきましたが、自分のプリンターで印刷したものを応募したことは一度もありません。お恥ずかしい話ですが、自分のプリンターを信頼できるまで突き詰める知識と暇と労力が無かったのです。なので、今までフォトコンに応募したものは、全て近所の「カメラのキタムラ」でプリントしてもらったものです。最近では、この「近所のカメラのキタムラ」のプリント機械は、なかなか侮れない実力があると思っています。何度かやっているうちにクセが分かってきて、持ち込む画をそれに応じた調整をすれば、今ではほぼ思い通りの画にしてくれます。安易なプリント方法ですが、見捨てたものではありませんよ。

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フォトコンテストの落選作 その3 [写真・撮影]

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フォトコンテストと一口に言っても、実に様々あります。キヤノンフォトコンテストのように、応募総数が何万点という大規模のものから、地方自治体などが行う小規模のもの。テーマやジャンルも、その季節や場所に限定されたものから、ある意向に添ったものなら想像力を働かせることを求めるもの、自由課題として何でもOKのもの。プロ・アマ問わず参加できるもの、順位をはっきり決めないもの、賞金・賞品が豪華なもの。一年中、実に様々なフォトコンテストが全国各地で行われています。それらのフォトコンに於いて、趣旨に合致したものでなければ、如何に優れた作品といえど、落選作になってしまうのは当然のことですが、やはりフォトコンによって難易度の上下があることは想像できると思います。
ここではサッカー写真をベースに話を進めていますが、ちょっと逸脱させていただければ、テーマは自由で、しかも応募総数が多いフォトコンは、本当に入賞が難しいと思います。見る者に伝える強さやアピール性、作品としての完成度のみで優劣を付けられるのですから。ジャンルやテーマが決められたフォトコンの方がイメージしやすく、まず手慣らしに応募するなら、そういったフォトコンから始められるのがよいかもしれません。

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サッカー写真という点では、スポーツ写真の分野に入りますが、このスポーツ写真に絞ったフォトコンテストは(以前から言ってますが)、実は意外に少ないです。キヤノンが年一回のフォトコンに「スポーツ・モータースポーツ部門」を設けてくれているのは、同社がその分野に理解がある所以だと思われますし、そういったスポーツの撮影をされている方々にとってはありがたく、チャレンジしがいのあるコンテストだと思います。ただ、さすがに大メーカーの主催するコンテストだけあって、応募数は多く、入賞のハードルはかなり高いですね。
難易度の高いフォトコンに応募して落選したとして、その同じ作品を難易度の低いフォトコンに応募したら入選した、ということは有ると思いますし、実際私も経験しました。もちろん、二重応募はどんなフォトコンでも厳禁ですから、早まって同時期に他のフォトコンに応募しないよう、注意しなければなりませんが、落選作には(特別な規定が無い限り)主催者側に拘束力は無いはずですから、落選が決定した時点で他への応募は可能となると思われます。ただ、落選するにはやはり、それなりの理由があって、いくらそれより難易度が低いフォトコンとはいえ、そこで入選なり受賞できるかといえば、現実はそんなに甘くないことが多いです。それが可能なのは、自分の作品よりも優れた作品が多くて落選した場合で、応募総数の少ないフォトコンだと、そういった自分より優れた作品が少ない可能性があり、その場合のみ以前の落選作が入賞作になる、というケースしか考えられないですね。もちろん選者による志向の影響もあると思いますが、プロが選者のフォトコンテストでは、少なくとも我々アマチュアカメラマンが撮る画のレベルでは、その影響は少ないと思いたいです(選者がはっきり明記されていないフォトコンでは、?という結果になることも)。

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一般的なジャンルを問わない自由課題のフォトコンでは、サッカーなどのスポーツ写真の応募というのは、実は総数に比べかなり少なく、大多数を占める風景写真やスナップ写真に埋没してしまい、よほどインパクトのある作品でないと、激戦区を勝ち上がってきた風景作品を押しのけて受賞するということは難しいです。受賞作には数に限りがありますから、その意味では「運」も左右するかもしれません。そう考えて、スポーツというジャンルやテーマのフォトコンの方が応募しやすく、難易度の点で優位とだと思い、お勧めする所以です。落選作に一様にダメ印を付けず、もう一度見直してみることも、意味有る事かもしれません。
そしてもう一つ付け加えさせていただければ、小規模なコンテストであっても、大賞ではなく佳作であっても、入賞すればそれは誇って良いことだと思います。趣味で撮っている我々アマチュアが、まったくの他人に見てもらって、評価を頂いたのですから。そして、その時の順位は(運に左右されることもありますから)あまり気にせず、複数回入賞することが大切だと思います。

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フォトコンテストの落選作 その2 [写真・撮影]

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フォトコンテストに応募する画の選択について、今回は考えてみようと思います。
当たり前ですが、狙ったところにピントが来ていない、作画意志の無い極端なオーバーorアンダーな露出、手ブレした画、意味のない被写体ブレの画など、自分で失敗作と思うものは論外でしょう。稀に、自分では失敗と思っても、見る人が見れば秀作になることもあるかもしれませんが、それはここで論ずるには値しないと思うので、省かせていただきます。
上の写真は、高校生サッカーの試合中で撮ったものです。撮影者(私)は、黄色のユニフォームの選手を撮りたいと思い、その動きを追い、AFでピント合わせをしてシャッターを切りました。狙ったとおりの画が得られた訳ですが、ではこの画を応募作として選べるでしょうか? 答えは当然、NOですね。サッカー撮影は多くの場合、サッカー選手のプレー中の人物撮影、と以前書きましたが、写っているこの選手の写真としてはOKでしょう。重要な試合で撮ったものであるならば、貴重なものになるかもしれませんし、被写体本人に渡してあげれば喜ばれるかもしれません。しかし、作品としては決定的に何かが欠けています。それは何かというと、第三者に「見せたいもの」が感じられないことでしょう。この選手も、この試合も知らない人に、サッカーという競技に疎い人にも、撮影者自身が写真という媒介を通して伝えたいものが感じられなければ、たとえ狙ったとおりに撮れたとしても、応募作には成りえないと思います。

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では、見せたいもの・伝えたいもの、とは具体的にはどういったものでしょう。選手の必死の表情でしょうか、体全体からみなぎる力感でしょうか、敗戦の心情でしょうか、爆発した歓喜の表現でしょうか、それとも滅多に見られない貴重なシーンでしょうか、印象的な色合いでしょうか、優れた作画技法でしょうか。見せたいもの・伝えたいもの、は実に多岐にわたります。無限に有ると言ってもいいくらいです。例えば、今年のキヤノンフォトコンテストではタイトルに、「一枚の感動、待ってます」と書かれています。昨年は、「見つけたものはなんですか?」でした。それが無いと、いかに良い写真でも「作品」にはならず、応募作として選ぶことはできません。無限に有ると思われるそういったセンスを秘めているか否かが、まずは作品=応募作に成りえるかの基準となると思います。
例えば風景写真などで、フォトコンに出したいから、そんな作品を求めて今日は撮りに行く、ということが、実際にあります。けれどサッカーを撮っているアマチュアカメラマンの方々の多くは、特に自チーム撮りをしている方々は、作品のみを狙った撮り方をすることは、なかなか難しいことです。ただ、普通に選手を追いながらも、撮るに当たってそうした「作品」というイメージを頭の片隅に置いておくことが、後日に実を結ぶこともある、ということでしょう。上の写真はゴールを決められてしまった直後のゴールキーパーの写真ですが、これとて彼女がこうしたしぐさをしたのは、僅か1~2秒のことで、その瞬間を撮らなければ得られない画です。とても静的な画に見えますが、これも一瞬の判断を要します。

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フォトコンテストに送る応募作を選ぶにあたっては、そうした眼で選ぶことになります。しかし、写真は「芸術」として認められていますが、「記録」としても使われます。フォトコンテストでは主に前者の部分を重視してランク付けされますが、そこでランク漏れしたとしても、後者の側面で価値が見出せれば、落選作=価値の無い写真、とはなりません。
ただそう書くと、何でも残したがる方がいらっしゃるのではないかと推測してしまいます。今はデジタルカメラで撮られている方がほとんどでしょうから、一年を通じてサッカー撮影をすれば、膨大な枚数になると思います。失敗作は削除対象です。後にも先にも利用しないであろう画を、残して置く必要は(HDDの単価が安くなったとはいえ)ありません。残すのは、撮影者自身が意図して残す画のみです。そうでなければ、たとえ後になって価値が見出せても、愚作の中に埋没して見つけられない危険性が大きいことを、ここで付け加えさせてください。

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フォトコンテストの落選作 その1 [写真・撮影]

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これまで私は、いくつかのフォトコンテストに応募し、また皆さんにも応募を勧めてきました。何も応募するためだけに写真を撮るのではなくても、応募して入選するなり、賞を頂くなりすると、素直に嬉しいですし、何といっても励みになります。そして、ただ単にシャッターを切るという行為に目的意識が生まれ、また同じ土俵の上で競った他の受賞作品を見ることで、今後の撮影に当たっての参考になることも多いです。自分の作品に選者からコメントを頂ければ、どういった点が評価されたのか、今後さらに向上するにはどうすればいいのか、ヒントを得られることもありますし、他者の作品のコメントを見る事でも同様の効果が得られることもあります。趣味ですから、上手くなること、賞をもらう事が目的ではないにせよ、逆に結果を残さなければならないという事も無く、多くの場合、応募に多額の費用が掛かる訳ではないので、故にこれまでフォトコンテストへの応募をお勧めしてきた次第です。
私の場合、もちろん風景やスナップも撮るのですが、多くはサッカー撮影に注力してきたので、このスポーツ写真部門のあるフォトコンテストに、主に応募を続けてきました。優れた作品というのは、別にジャンルを問わない自由課題の中でも当然光るものでしょうが、やはり同じ動体を撮影している作品の中での評価を見てみたいし、そうした他者受賞作に今後の撮影の糧になるものを見つけたかったからです。そしてその結果、少なからず技量アップに役立ってきたと思いましたし、皆さんにお勧めしている所以でもあります。
もちろん、応募すれば必ず受賞するというはずもなく、多くが落選の憂き目にあってきました。その都度、落胆と反省を積み重ねてきたわけですが、この落選作というのは、本当にダメな写真なのでしょうか。前置きが長くなりましたが、これが今回のテーマです。但し、これまでの経験から私の場合、どうしてもサッカー写真をベースにしなければこうしたことを書けず、その点を前提でお付き合いください。

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