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サッカー撮影46(背景を考える その2) [サッカー撮影]

前回、狙う被写体である選手をできるだけ大きく捉えることが、背景を整理する一つの術であることを書きました。それはすなわち、今まで私が書いてきた、「サッカーをしている風景」にならないように、トリミングを前提で撮らないように、とも合致します。では、サッカーとは何ら関係ない余分なものが入り込まないように、シンプルな背景が良いでしょうか。
背景がシンプルになる一例として、上方から撮る、という方法があります。例えば、スタジアムの観客席から下方のグランド上の選手を撮れば、背景は地面となります。以下に作例を2つ載せます。

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背景は地面(芝)だけというシンプルさ。ただ、こうした俯角の撮影では、どうしてもした向きがちな選手の表情を撮ることが難しいですし、アマチュアサッカーの場合、こうしたスタジアムでの試合自体が少ないかもしれませんね。

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では、グランドレベルで撮った場合、背景をシンプルにするにはどうしたら良いでしょう。背景に何も無さそうな場所を選んで撮る、ということは、広いグランド内を常に走り回る選手を撮るサッカー撮影では、極めて限定的で、現実的ではありません。それならば、背景をボカす、という方法が思いつきます。大きくボカすには、なるべく大口径のレンズを使って、開放F値付近で撮って、被写体と背景との距離が有る、という条件にたどり着きます。それに先の、なるべく選手を大きく撮る、ということを付け加えると、撮影者と被写体との距離が短く、被写体と背景までの距離が長い、といったことになります。しかし、遠くのものを小さく撮るのは簡単でも、近くのもの、それも素早く動くものを大きく撮ることは、画角の狭い望遠レンズですから、難易度は飛躍的に高くなります。

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以上の作例をご覧になって、どうでしょう。背景はきれいにボケていますし、狙った選手にピントはしっかり合っています。撮りたい選手の撮りたい瞬間だと言えます。これはこれで良いと思う反面、ちょっと何か足りないような気もします。それは前回書いた、私がキヤノンフォトコンテストで頂いた選評「背景がきれいすぎる」「背景に何も無いから物足りなさを感じる」に通じるものではないでしょうか。それに加えて、写っているのがいづれも選手一人だけ、と言う点も、試合中のサッカー写真としての迫力や臨場感に欠けるでしょうか(練習中にも撮れそうな写真ですが、選手の表情は試合中です)。
ただし、こうした選手が一人だけ写っている写真と言うのは、絶対に押さえておくべき写真の一つです。特に、チーム専属カメラマンを自称される方には、こうした写真が後々必要になることが有る場合が多いですから。

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