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サッカー撮影65(1.4xテレコン or APS-C機 その4)  [サッカー撮影]

レンズから入射する画を拡大することで望遠効果が得られるテレコン。受光センサーが小さいがゆえに中央部のみを記録し、結果的に望遠効果を得られるAPS-C機。この両者について考えてきましたが、今回で一区切りとします。

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最初にも書きましたが、受光センサーが高価が故に登場したAPS-C機は、一過性の規格と思われましたが、現実には市民権を得た感があります。特別なイノベーションが起きない限り、ここしばらくは無くならないと思います。当初問題とされた広角域のレンズに関して、APS-C機専用とすることで、大型・高価にならないレンズが複数登場し、それらのレンズも現在では既に第二世代へと進化を遂げています。それに対して望遠側のレンズは、APS-C機専用というのはほとんど見かけません。受像センサーに導く画がフルサイズよりもずっと小さくて良いはずなのですから、レンズ自体も小型化(低価格化)が図れるはずなのですが、需要が少ないのでしょうか、そんなレンズはあまり見かけません。しかしながら、400mmが必要なシチュエーションでも300mmで足りる、ということなら、それはそれで予算の削減・機材の軽量化に加担しているとも思えます(それが理由でAPS-C機専用望遠レンズが登場しないのかも)。

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上の写真
CANON 1D MarkⅣ+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm(換算約390mm) シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F4.0 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW 
下の写真
CANON 7D+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm(換算約480mm) シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F4.0 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 160  AI SERVO AF  RAW 

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現実に我々の目の前にAPS-C機が有るのですから、我々ユーザーは、これを利用しない手はないと思います。フィルム時代には、焦点距離が足らなければ、より高価な長焦点レンズに買い替えるか、デメリットを享受したうえでテレコンを使うしかなかった。それが、センサーサイズの大小を利用するという、もう一つ選択肢が増えたことは、ユーザーとして歓迎すべきことだと思います。実際私も、1D4+ヨンニッパと7D+サンニッパを場合に応じで併用して使っています。サンニッパは持っているがヨンニッパまでは手が出ない、けれどこのサンニッパの切れ味をスポイルするテレコンを使いたくないと思われる方が、APS-C機で必要な焦点距離を稼ぐ、そんな方法もアリだと思います。ただ、「諸手を挙げて歓迎」とまではいかない。そこには画素間の狭小化によるデメリットも存在しますし、ボケがうるさくなる点もマイナス要因でしょうし、前回書いたようにAF性能的にも妥協が必要になるかもしれません。ただ、メーカーが製品化しなければ、我々ユーザーは使うことができないのですが、ユーザーが工夫・努力できる範囲が広がることは良い事だと断言できます。何より一眼レフカメラは、テレコンを使うにしろ、ボディをAPS-C機に替えるにしろ、レンズを含めたトータルな性能で論じ、選ぶべきものだから、です。
ここではサッカー撮影を前提に考えていますから、どうしても画角の狭い望遠レンズで、広いグランドを不規則に動き回る選手と相対しなければなりません。この難易度の高い被写体に対して、状況に応じて選択肢が増えることは喜ぶべきことで、投入予算の削減につながるかもしれません。そうなれば、サッカーを含むスポーツの撮影を、より多くの方が楽しまれるかもしれない。それが、より高性能機の需要の拡大へ、と好循環を生み出すやもしれません。サッカーで思ったような画を撮るには1D系でなければダメ、そうはならないでほしいと私は思っています。

下の5枚の写真は、
1枚目
CANON 1D MarkⅣ+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm(換算約390mm) シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F4.0 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW 
2枚目
CANON 1D MarkⅣ+EF300mm F2.8 L IS+EF1.4xEXTENDERⅡ
焦点距離 420mm(換算約546mm) 絞り優先AE シャッター速度 1/1600 絞り F4.5 評価測光
露出補正 -2/3  ISO 250  AI SERVO AF  RAW 
3枚目
CANON 7D+EF300mm F2.8 L IS+EF1.4xEXTENDERⅡ
焦点距離 420mm(換算約672mm) 絞り優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F5.0 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 400  AI SERVO AF  RAW 
4枚目
CANON 7D+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm(換算約480mm) 絞り優先AE シャッター速度 1/800 絞り F3.5 評価測光
露出補正 -2/3  ISO 800  AI SERVO AF  RAW 
5枚目
CANON 1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm(換算約520mm) シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1250 絞り F4.0 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 250  AI SERVO AF  RAW 

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サッカー撮影64(1.4xテレコン or APS-C機 その3) [サッカー撮影]

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フルサイズを基準とした場合、「もう少し焦点距離を」といった場合、1.4倍テレコンを装着するか、APS-C機である7Dにボディを替えるか、です。
300mmのレンズを使っていたとするならば、フルサイズ換算で1.4倍テレコンで420mm、APS-C機なら約480mm。400mmのレンズならば、560mmと約640mmということになります。この場合の約60mmや80mmの焦点距離の差は、それほど問題にはならないと思います。それよりもこれは、1DXと7Dのボディの性能差(ここでは主にAF性能差)と、1.4倍テレコンを使う際のデメリットを両天秤にかけて、どちらが重いかを計る、ということになると思います。この点で、1DXのユーザーではない私には、結論を言う資格はありません。あくまで推測ですが、1DXのAF性能が素晴らしい評価を得ている点、解像力や切れ味の点で優れた単焦点であるサンニッパやヨンニッパを使う点、7Dが現在もCANON APS-C機の最上位機種であっても、発売開始から既に4年半も経過している点、それらを考えてEF 1.4xEXTENDERのⅢ型を使うという前提ならば、1DX+EF1.4xEXTENDERⅢの方に軍配が上がるような気がします。確かに、1.4倍テレコンを使えば、開放F値がF2.8からF4.0になってしまうし、その為ISOを少し上げざるをえないかもしれませんが、それでも日中屋外のサッカー撮影ならば軽微なことでしょうし、高感度性能に優れたフルサイズセンサーならば、7DのISOアップよりも優位に思えます。テレコン無しの素の描写を知っている身としては、サンニッパ・ヨンニッパの切れ味鋭い描写力が幾分かスポイルされることでしょうから、口惜しく思うこともあるかもしれませんが(レンズがズームレンズだったりすれば、結論は微妙かもしれません)。
それでは、もし1DXと同等のAF性能を持ったAPS-C機が出現したら、どうでしょう。たとえばごく単純に、1DXのボディはそのままに、フルサイズセンサーのみを7DのAPS-C 1800万画素に替えて、ファインダー倍率を少し上げてみた機種が出現したとしたら、です。
センサー.jpg

AFユニットはそのままで、受光センサーのみが小さくなるわけですから、周辺部をトリミングしたように、AFセンサーの配置は前後左右に広がり、測距できる範囲が画面に対して広がります。その代り、AFフレームは相対的に大きくなってしまいます(7Dのように領域拡大は使いにくいかも)。もしこのような機種が現れれば、ここではサッカー撮影を舞台にしていますので、日中屋外での使用が前提で、高感度特性に関しては特段に厳しく注視しなくてよい状況ですから、結果が逆転する可能性は大いに有ると思われます。
前々回の概念図を参照して別の観点から見ると、テレコンを使うということは、マスターレンズを通って来た画を更にレンズで拡大することですから、テレコン無しの画に比べれば、画の(というか、これでは光の)純度と言った点で劣ることは避けられません。それは画を構成する解像度や描写力に影響しますが、同時にサブミラーからAFセンサーに導かれる光の純度も劣ることに繋がります。センサー性能が同じだと仮定するならば、そこへ導かれる光の質は、間違いなくテレコンを使わない方が優位だと思われますし、それを基にしたAF速度・レスポンスの面でも同様に、素のレンズ+APS-C機の方が優位だと思われます。
ただ以上は、1DXのボディを使うことが前提の話です。では7D後継機に1DXのAFを積んだら同じような結論になるでしょうか。私はそうは思われないのです。如何にAFセンサーが優秀であろうと、そこに導かれる光の質が良くなければ結果も良くはならない。1D系がなぜあのように大柄で重いボディなのか、それは大型のバッテリーを積むことや縦での操作性を上げるだけではないのです。サブミラーを含めたAFセンサーユニットに、より理想的に光を導くために必要なスペース確保する、という目的もあるのはずです。従って、7D後継機に1DXと全く同じAFセンサーを積んだとて、AF性能が同じになるとは私には思えません。

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ただ、仮定の話をしてもしかたない。どんなに希望と期待を膨らませようとも、メーカーが製品として市場に投入しない限り、我々は手にして使うことはできないのです。そのメーカーが製品化するかどうかは、商品ラインナップの戦略性によります。7D後継機には1DXのAFユニットのディチューン版が採算される、との噂がありますが、ボディの大きさを考えれば、1DXと同じ性能を与えることなど最初からできないのです。しかも、1DXの半値以下で販売されることでしょう。それは、より多く売るためであり、結果的に使用ユーザーの力量の幅を考慮せざるを得ず、1D系のように尖った製品になりづらい。やはりいつの時代も、1D系はCANONでは、孤高の存在なのだと思います。
仮定や希望の話は好きではないので、ここは現実に眼を戻しましょう。

サッカー63-3.jpg

上の写真
CANON 1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm(換算約520mm) 絞り優先AE シャッター速度 1/2000 絞り F4.0 評価測光
露出補正 -2/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW 
下の写真
CANON 7D+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm(換算約640mm) 絞り優先AE シャッター速度 1/2000 絞り F4.0 評価測光
露出補正 -2/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW 

サッカー63-4.jpg


サッカー63-6.jpg

上の写真
CANON 1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm(換算約520mm) 絞り優先AE シャッター速度 1/1250 絞り F3.5 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 200  AI SERVO AF  RAW 
下の写真
CANON 7D+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm(換算約480mm) シャッター速度優先AE シャッター速度 1/1250 絞り F3.5 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW 

サッカー63-7.jpg


サッカー64-4.jpg

上の写真
CANON 1D MarkⅣ+EF300mm F2.8 L IS+EF1.4xEXTENDER
焦点距離 420mm(換算約546mm) 絞り優先AE シャッター速度 1/1000 絞り F4.5 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 200  AI SERVO AF  RAW 
下の写真
CANON 1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm(換算約520mm) 絞り優先AE シャッター速度 1/1600 絞り F3.2 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 125  AI SERVO AF  RAW 

サッカー64-5.jpg


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