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サッカー撮影69(それでも捕捉し続ける その1) [サッカー撮影]

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サッカーを撮られている方々には、動体にピントを合わせ続けるAFモード(CANONで言えば、AI SERVO AF)を使われている方が多いと思いますし、それで連写モードで撮られている方も多いと思います。もちろん私もその一人です。カメラ雑誌のテスト記事などでは、このモードを使うと動体に対してかなりの確率でピントの合った画が得られる、との結果をよく見ますが、それは一定方向に一定速度で動く被写体、しかも被写体自体の形が変化しない場合が多いです(たとえば列車や航空機など)。動体と言っても、こういった被写体だと、現在のAFでは常にピントの合った画が有られる確率はかなり高い。しかしサッカー撮影では、そんな一定速度一定方向など稀有で、しかも人間ですから、走りながら手も振るし体形も一定ではありません。たとえプロ仕様の1D系であっても、このAI SERVO AFを使えば狙った被写体に100%ジャスピンし続けるというものでもない、ということ、も実戦の場で体験されていると思います。
CANONでいう、このAI SERVO AFのアルゴリズムは、多くのプロからのフィードバックと技術者の研究成果の積み重ねによって年々進化していて、現行機の1DXではかなり進歩した、との記述も見られます(あいにく私はオーナーではないので、断定はできないのですが)。それでも私は、未だ100点満点だとは思えませんし、100点満点になってしまえば、撮影者の経験やスキルに関係なく、オートマチックにピントの合った写真が100%撮れることになるでしょう。それはそれで面白くはないのかもしれませんが、自動車のATと同じように、時代はそういった方向に進んでいくものと思われます。この点を、今回から少し触っていこうと思います。

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CANONで言うAI SERVO AFは、まず最初に撮影者自身が狙った被写体にきちんとピントを合わせてやる必要が有ります。それは撮影者が、「コレを撮りたい」というカメラに向けての意思表示であり、それを受けてカメラ側が動く被写体(つまりは撮影者と被写体との距離が常に変化する)に対して、ピントを合わせ続けようとします。最初にしっかり狙った所にピントが来ていないのに連写すれば、撮影者にとってピンボケ(カメラはピンボケとは思っていないだろう)の量産につながることもあります。しかし、実際のサッカー撮影の現場では、思いがけない動きや突然飛び込んでくる良シーンなど、撮影者が完全に予測できるはずもなく、かといってそれを撮り逃がすのも惜しく、シャッターを切ってしまう(連写してしまう)ことはあるかと思います。
恥ずかしながら、作例を下に載せてみました。撮影者に対して向かって走ってくる選手の4連写です。ちなみに、撮影データを記しておきます。
CANON 1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm 絞り優先AE シャッター速度 1/1600 絞り F3.5 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 160  AI SERVO AF  RAW 高速連写モード(秒9コマに設定)

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選手は全速力で走っていないこと、シャッター速度が1/1600であることを考えれば、被写体ブレは無いと思ってよいでしょう。ちなみに、AFフレームは任意の1点指定で領域拡大を使用しています。DPPにて表示させたものが下の画です。

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この4枚はノートリミングですが、ブログに載せるためにサイズダウンしてあります。これでは分かりにくいので、少し拡大してみましょう。

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シャッターを切った1枚目では、AFフレームの合わせ方も未熟ですし、それ故に狙った被写体にピントが来ていません。慌ててシャッターを切り始めた感じが見受けられます。本来、AFフレームを狙った所に合わせ、駆動させ、ピンが来たことを確認してから撮っていけば、1.2枚目はこうならなかったはず。AFが狙った被写体にピント合わせをしている前から連写を始めたが故に、ジャスピンが4枚目という結果になった、と推測されます。ちなみに、分かりにくいかもしれませんが、3枚目はジャスピンではありません。この4連写で使える画は4枚目のみで、他はボツ(削除)ですね。
CANONでいう、ONE SHOT AFでは、通常は合焦しないとシャッターは切れないですが、AI SERVO AFでは合焦せずともシャッターは切れますので、こうなることもあります(もっと醜い結果になることもあります)。ただこの作例から考えれば、AF駆動が遅れたけど、連写しながらでもAFフレームで狙った被写体を捕捉し続ければ、ピンは来る、ということになります。
しかし・・・

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