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サッカー撮影75(それでも捕捉し続ける その7) [サッカー撮影]

はっきり言って、この話題でここまで長くなるとは思いませんでした。今回と次回で終わりにしようと思っています。お付き合い頂いている方、もうしばらく我慢してください。

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今回これまで、私の撮った失敗例を多く載せてきましたので、キヤノンのオートフォーカスってダメ、との印象を与えてしまったかもしれません。私の印象は逆で、キヤノンのAFは優秀だと思っていますし、それだからキヤノン使っています。ただ、サッカー撮影という難解な被写体相手では100点満点ではない、ということを書きたかっただけです。1日に1000枚撮って、1000枚とも全てジャスピンとはいきません。それでも、私は10年以上サッカーを撮り続けて、機材も変更してきましたが、その進化の度合いを感じますし、現在の手持ち機材のジャスピン率には満足しています。
さて今回は、そのジャスピン率を上げる有効な方法として、「再測距」を提案したいと思います。「指定したAFフレームを狙う選手に合わせて連写すれば、ジャスピンの画が量産できる」それはこれまで作例を挙げたように、如何に優秀な機材を使っても、必ずしもそうではない場合もあるのがサッカー撮影。ではピントを外しそうになったら、AFフレームで捕捉するのが難しくなったら、カメラに再度測距させてみる、という術は有効だと思われます。いや、「再度測距させる」という表現は間違いですね。AI SERVO AFは常にピントを合わせ続けようとして、再測距を連続して行うモードですから。その連続性を一旦リセットして、再度測距の連続性を行わせる、と言った方が、この場合の「再測距」の意味としては適切ですね。
作例を載せます。いつものとおり、撮影データ記しておきます。
CANON 1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm 絞り優先AE シャッター速度 1/1250 絞り F3.5 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 250  AI SERVO AF  RAW 高速連写モード(秒10コマに設定) 領域拡大使用

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この4枚の写真はノートリミングですが、Exifデータを見てみると、4枚とも15:29:08になってますので、1秒以内の4枚であることが分かります。しかし、背景から分かるように、2コマ目と3コマ目には明らかに「間」が有ります。これは、2コマ目で外したことを感じた撮影者が、一瞬連写を止め、再測距して連写をした結果です。再測距は、シャッター半押しでAF駆動に設定している場合は、一瞬シャッターボタンを全上げして再度押す、親指AFをお使いの方は、背面のAF-ONボタンを一瞬離して再度押す、という操作です。この「一瞬」は短ければ短いほど良いでしょうが、撮影者の反射神経に左右されるでしょうし、何よりその間もAFフレームで狙う選手を捕捉し続けていなければ意味がありません。
もう一例載せます。今度は7Dです。
CANON 7D+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm 絞り優先AE シャッター速度 1/1600 絞り F3.5 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW 高速連写モード(秒8コマ) 領域拡大は未設定

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この4連写も1秒以内ですが、2コマ目と3コマ目に「間」が有ることは分かって頂けると思います。1コマ目以前から狙う選手は捕捉していたのですが、前進したので味方選手が間に入ってきて、ピンが持っていかれました。そこで、一瞬AF駆動を止めて再測距して連写した、という訳です。

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フィルム時代とは違ってデジタルですから、何枚撮ってもコスト増になることはありません。フィルムエンドになってフィルム交換に手間を掛けなければならないこともありません。良いと思えるシーンを10連写、20連写することも可能です。ただ私は、そうして闇雲に連写で枚数多く撮るより、意識的に狙いをはっきりさせて撮ることの方が、良結果に結びつく、という経験を、これまで多く持っています。10連写するぐらいなら、3連写を2回の方が、といったように。もちろんサッカー撮影での全てのケースに該当するとまでは申し上げられませんが、撮りたかったシーン、残しておきたい画というのは、一連の流れの中でも1コマ、2コマだったりします。そのコマをジャスピンで得る確率を上げるために、「一瞬の再測距」を間に挟むことは有効な術だ、と私は経験的に感じています。
秒9コマならコマ間は0.125秒です。1コマ目にジャスピンを得たとして、0.125秒後の被写体の位置を予測して、AI SERVO AFはピント面を駆動させます。そこでもジャスピンを得られるかもしれませんが、僅かに外す可能性も有ります。けれど、その0.125秒後にはまたジャスピンが得られるなら(それはこれまでの作例で示しました)、それは優れたAFだと思います。撮影者がAF駆動を一瞬止めて再駆動させる間は、練習を積んでも多分0.125秒よりも長いでしょう。カメラの性能に任せた方が良い結果を招く場合も、もちろん有ると思います。それでも私は、この「一瞬の再測距」は憶えておいて、必要に応じて使ってみて損は無い、と思います。

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