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サッカー撮影76(それでも捕捉し続ける その8) [サッカー撮影]

連写中のAI SERVO AF でのピント合わせについての私的考察、随分長く書いてきましたが、今回で一区切りとさせていただきます。

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このキヤノンで言う動体撮影向けのオートフォーカス(AF)、AI SERVO AFの使い方については、メーカーの取扱説明書には通り一遍の簡単な説明書きしか無く、ホームページや市販の解説書などでは作例を交えながらもう少し詳しく書かれているのを見ますが、失敗例などは無く、よってこのAI SERVO AFを使ってピンボケ・ピンズレの画を連発させてしまうと、自分の腕が悪かったのか、設定が間違っていたのか、機械的な不具合があるのか、などと悩んでしまうことも多いのではないか、というのがこの記事を書く発端になりました。そして、冒頭に書きましたように、「ことサッカー撮影に於いては、現在のAI SERVO AFは100点満点ではない」という結論から始めて、作例を交えながらここまで書いてきました。その際、これまで私の撮った写真の中から、多くの失敗例を載せてきました。本来私は、使えない写真・必要とならないであろう画は残さない主義で、即座に削除してしまい、こうして後で書こうにも残っていないのが通例です。しかし今回は、この記事を書くと決めてから意識的に取っておきました。なので、今回の失敗例は全て、今年撮った写真ばかりです。
ただこうして載せてみると、1D4であれ7Dであれ、キヤノンのAI SERVO AFがまるでダメかの印象を与えてしまったのではないか、との危惧もあります。実情は逆です。不規則に動き回るサッカー選手を相手にして、ピントを常に合わせ続けようとするAI SERVO AF。秒8コマにせよ秒10コマにせよ、最初のピント合わせの速度&精度、ピントを外した際の復帰速度、ジャスピン率などは確実に進歩していると思いますし、優秀だと思っています。最後にその例を載せたいと思います。いつものとおり、撮影データ記しておきます。
CANON 1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm 絞り優先AE シャッター速度 1/1250 絞り F3.5 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 125 AI SERVO AF RAW 高速連写モード(秒10コマに設定) 領域拡大使用

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ノートリミングの8連写です。DPPにて指定したAFフレームを表示させ、それを中心に拡大したものが、下の画です。

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全8コマともジャスピンです(最後の8枚目はちょっと甘いかな)。状況的に、手前に入る障害物となるであろう選手も現れず、背景もシンプルという好条件だったことも要因だと思います。それでも背景を見てわかるように、レンズを振っての撮影ですし、選手は8コマ中動きを止めてませんし、指定したAFフレームの被写体への当て方も、これまで載せた失敗例と比べて特に厳密という訳でもなく、それでもちゃんとAFは仕事をこなしてくれています。私が8連写をするのは稀ですが、私の中でのAI SERVO AFへの信頼は、実はこれが普通であります。

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さて、長くなったこのシリーズでの結論を出さなければなりません。AI SERVO AFでサッカー選手を連写する場合、
・1コマ目のシャッターを切る前からAF駆動させて、狙う選手にピントを合わせ、1コマ目をジャスピンにするのが大前提
・そうして1コマ目をジャスピンにできたとして、それでも、その後にピンを外すコマが出てくる時がある
・1コマ目をジャスピンにできなくても、AFフレームでしっかり狙いを捕捉し続ければ、それでも、ピンが来る時がある
・連写中にピンを外しそうな時、外した時、それでも、しっかりAFフレームで捕捉し続ければ、再測距でピンが来る
・サッカー撮影において、現在のAFは100点満点ではない。それでも、AFフレームで狙う選手を捕捉し続けることが絶対の必要である
今回のタイトル、「それでも捕捉し続ける」の「それでも」という意味がご理解いただけたでしょうか。未熟な文章ゆえ、分かりにくかったり誤解を招いたこともあったかもしれません。「それでも」これが皆様のサッカー撮影の少しでもお役に立てれば、筆者として望外の喜びです。
長文失礼しました。

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