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CANON 7D MarkⅡ(前編) [カメラ機材]

既にご存知の方も多いと思いますが、昨日CANONは、7D MarkⅡを発表しました。
そのスペック等は事前の噂どおりで、私の第一印象は、一言で言えば「正常進化」、よく言えば「APS-C機としての最上を狙った」モデルだと思いました。実物を見たわけでも触ったわけでもない、あくまでネットからの情報のみの私的印象を以下に書かせていただこうかな、と思います。

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以前、このブログでも書いたことがあるのですが、10年以上前に一眼レフカメラがフィルムからデジタルセンサーに移行するに当たって、最大の問題点は価格(コスト)でした。撮った画をデジタル画像とすることによるメリットが多大であることは分かっていても、それを市場に普及させるとなれば、低価格化は避けて通れません。故に、既に忘れ去られたような「APS-C」という規格を持ち出して、最もコストのかかる受像センサーを、面積比でフィルムの半分程度のものとしました。つまりは、APS-Cを採用することで、市場競争力を持たせたのです。その後、技術の進歩とコスト削減の努力によって、高画素・高速処理・低価格を実現して今に至ったのはご存知のとおり。
本来、36mm×24mmの画像をミラーまで導かなくてはいけないレンズも、もっと小さい画を導くだけで済むのですから、APS-C機専用レンズはもっと小型化・多様化が進むのかとも思いましたが、その点はあまりそうならなかったですね。確かに現在では、そういった小型軽量レンズの存在も見受けられますが、デジタル一眼が高性能化するにつれて、レンズに要求される性能もそれなりに上がってきたこと、ある程度の頻度でモデルチェンジが避けられないボディに対して、メーカーの利益確保の比重がレンズの方にあること、そしてフルサイズセンサー搭載機の普及が将来見込まれること、等がその要因でしょうか。そしてそのとおり、36mm×24mmのセンサー搭載機が一部の超高額機ではなく、我々が無理すれば届く範囲まで到達してきた、しかも一メーカーで複数機を並べられるほどに。この現状では、フルサイズほど大きな画をセンサーに導かなくてもよいのなら、レンズの小型化も進めながら、いっそミラー自体も無くしてしまって、ボディ共々小型化した方が良い、というミラーレス機(およびそれ専用レンズ)がその役目を担いつつあります。
話は戻って、フィルムをデジタルセンサーに置き換えたものがデジタル一眼レフカメラであるならば、このコスト削減と処理技術の進歩によって、センサーもフルサイズ(36mm×24mm)にするのが自然な成り行きに思えます。APS-Cというサイズは当時の便宜上の採用なのですから。では、APS-C機は無くなる運命なのでしょうか。そうかもしれません。しかし私は、そうなるのはもう少し時間がかかる、と思っています。例えば、CANONのKissクラスのボディにフルサイズセンサーを搭載することは、物理的に可能なはずです。そして、そのフルサイズセンサー搭載Kissが、今のKiss X7i並の5万円台で発売できるほどにコスト削減が進んだなら、APS-C機は無くなるでしょうか。いや私はその場合、3万円台で購入できるAPS-C機のKiss Lightなりの下位機種が必ず登場するように思えてならない。それが利益を追求する一般企業の姿だと思うからです。私は今後10年は、APS-Cセンサー搭載機が無くなることは無い、と思っています(特別な根拠はありませんが)。そしてもしそうならば、メーカーとしてはラインアップを構築して、市場シェアを確保する努力をするはずです。

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2009年10月、CANONはAPS-Cセンサー搭載機の最上位モデルとして、7Dを発売開始しました。当時販売中の1D3の機能・性能の多くを移植することで、高速連写性能を持った動体撮影に強みを発揮するモデルでした。今回発表された7D MarkⅡ(7D2)もまた、現在のフラッグシップモデルである1DXの機能・性能を惜しげもなく投入することで、5年間のギャップを埋めるべく登場したはずです。その意味では、正常進化モデルと言えると思います。モデルの性能は上がっても、その立ち位置や要求されるものに変わりがないからです。
私は、「高速連写性能を持った動体撮影に強みを発揮するモデル」と書きました。それは何故でしょう。それは、フルサイズセンサー(36mm×24mm)よりも小さい、APS-C規格のセンサー(今回の7D2の場合、約22.4mm×15mm)搭載機の最上位機だからです。上の写真を見ても分かるように、レンズマウントの大きさに比べ、受像センサーは小さい。センサーが小さければ、レンズを通して得られる画の中心部のみを使って画とするので、使用レンズよりも画角の狭い長焦点レンズを使った場合と同じような効果が得られます。CANONでは約1.6倍とアナウンスされてますから、例えば300mmのレンズを使っても、約500mmのレンズを使ったのと同じような画が得られます。つまりは、長焦点レンズを使っている・好んでいる方にとっては、ありがたいメリットということになります(厳密には、背景のボケや被写界深度は異なります)。逆に広角が必要な場合も約1.6倍になってしまいますから、その点ではデメリットですが、このデメリットはAPS-C機専用広角レンズの普及によって、既にある程度解消しています。それらを考慮の上、APS-C機の最上位モデルを造るとなれば、このメリットを生かした使用シーンに適した機種、その為の機能・性能を有した機種ということとなるのは自然な成り行きでしょう。長焦点レンズが必要なシーンとはどんなものでしょう。それは、被写体に対して近づくことが許されない、できないシーンでしょう。具体的には、大空を飛ぶ鳥や飛行機、近づくことができない野生動物、選手に近づくことが許されない野球やサッカーなどのスポーツ、などが思いつきます。これらの被写体は総じて、静物ではなく動体です。そう考えると、APS-C機の最上位モデルに要求されるのは、動体撮影に優れた性能、ということになります。もちろん、APS-C機で静物を主に撮っていらっしゃる方もいるでしょう。でも、動体撮影に向けた性能・機能を有したとしても、静物が撮れない訳ではありません。更に、より静物撮影に特化した性能を欲すれば、それはフルサイズセンサー搭載機という選択肢が、既に我々の目の前にあるのです。そちらを選ぶべきで、よってAPS-C機の最上位モデルで重視すべきは、上記に述べた動体撮影に向けた性能・機能という結論になると思いますし、事実今回の7D2のメーカー発表でも、そのカタログでも、その点を強調しています。5年前に登場した7Dも、そういった目的の機種であった、と思います。ただ5年前は、まだフルサイズセンサー搭載機が少なく、否応なく静物撮影主体の方でも7Dを選ばなければならなかったかもしれません。が、今は違いますよね。逆に考えれば、動体撮影主体の方が、フルサイズセンサー搭載機が有ってもそれを選ばず、APS-C機の最上位機を選ぶ、という選択は不思議でも何でもないとも思えます。このように考えていくと、APS-C機というのは、低価格化と動体撮影に特化、という2つの方向に向かうような気がしています。
前説が長くなってしまいました。そういったことを踏まえた上で、今回の7D MarkⅡを見ていきたいと思います。

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SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM [カメラ機材]

既にご存知の方もいらっしゃると思いますが、9月16日から開幕する「フォトキナ 2014」に向けて、各メーカーが新製品の発表を始めました。なかなか魅力的な製品が目につく中、株式会社シグマは9月12日、35mmフルサイズ対応の超望遠ズームレンズ「SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM」を発表しました。しかも驚くことに、まったく同じスペック表記ながら、鏡筒や光学設計の異なるレンズ2製品を、同社のSportsラインとContemporaryラインでそれぞれ発売する、とか。これにはちょっと驚きました。

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メーカーですから、いろんなレンズを研究・試作していることと思います。そして市場調査を加味して、実際に発売するはずです。メーカーにとっても、新製品を市場に投入するのには、多大なエネルギーが必要。しかも、世界的に見て決して大会社とは言えないシグマが、その製品ラインナップに、全く同じスペックのレンズを並べるというには、結構な英断だったのではないでしょうか。そこから察するには、この同スペックレンズに性能差、価格差があって、併売したとしても購入層が被ることがない、との判断でしょうか。レンズ構成は確かに違いますし、フィルター径も105mmと95mmで差があります(ちなみに直接のライバルとなるであろう、TAMRON SP 150-600mm F5-6.3 のフィルター径は95mm)。上位機のSportsラインの方は25万9000円(税別)とのことですが、Contemporary Lineの方は価格はまだ未発表。上位機が有るのですから、同スペックのTAMRONの実売価格に合わせてくるのでしょうね。この同スペックのレンズの性能差と価格差が、市場が納得できるものなのか(シグマは、YESと判断したから発売したのでしょう)、なかなか興味があります。一般的には、こうした長焦点のズームレンズを必要としている方は限られると思うので、当初は上位機が売れて、次第に手が出しやすい下位機が売れていく、というのが私の予想ですが。
それにしても、まったく同スペックではなくて、Sports Lineの方だけでも、せめてF4.5-5.6にして欲しかった、と思うのは私だけでしょうか、ネ。

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600mmといえば、一昔前までは、超高価な単焦点レンズのみが可能な焦点域だったはず。それがこうも簡単に手に入るようになったのは、需要があることと技術の進歩、そしてデジタル一眼のフルサイズセンサーの普及が加速するとの思惑がベースになっているように思われます。
しかも今回シグマは、新型レンズに最適化された1.4xと2.0xのテレコンバーターレンズも発表しました。う~んシグマ、なかなか気合が入ってます。

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新生イレブン [サッカーあれこれ]

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サッカー界最大の大会、ワールドカップが終わって2か月。毎日のように日本代表の話題で賑わせていたのが、たった2か月で嘘のように静かになったのは、日本だけの事なんでしょうか。それでも、新監督が決まり、その初戦が先日行われるとなれば、注目度アップ。試合結果については、私などがココで論じるのは恥ずかしいことなので、遠慮しておきますが、目新しいメンバーがスターティングイレブンに選ばれるのは新鮮で、嬉しいこと。選ぶ監督が代われば、選ばれる選手が変わるのは至極全うなことで、こんな当たり前のことを喜ぶべきなのか悩みますが、日本代表というのは、ボールを蹴り始めたばかりの子供たちを底辺とするなら、その頂点に位置する選手たち。そんな子達の夢であり、目標であって欲しいものです、いつも、いつの時代も。
さて、学生のサッカー選手にとっても、夏休みが終わって2週間が経ちました。諸外国のことは分かりませんが、こと日本では、この過酷な時期はフィジカルを鍛えるには最適、とばかりに、多くの指導者の方々が遠征や試合、練習に工夫を凝らしています。我が愚息も、毎日ヘトヘトになるまで追い込まれていました。私は、毎年見てきた光景なので、特に何とも思いませんが、これから続く重要な大会へ向けての地ならしということでしょう。そして、それを撮る私もまた、これから連戦が続きます。体調を整えながら、過酷な夏を乗り切って一回り大きくなった選手たちを追っていきたいと思っています。
サッカー撮影を初めて12年目に突入です。

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ごまドレッシング [日々の徒然]

私の両親は近所に住んでいるのですが、たまにお昼ご飯をお呼ばれすることがあります。その際に食卓にいつもあるのがコレです。

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ごまドレッシングですが、「株式会社 食通」というところから出ているもので、通常スーパーなどで売っているものとは一味違います。何というか、濃厚でありながらもサッパリ感を失っておらず、なかなかのお味(その分、値段もなかなか)。ドレッシングといえば、サラダにかけて食べるのが普通でしょうが、フライや焼き魚、肉料理にかけて食べてもイケマス。我が母のお気に入りの一品で、一度食べたら、もうこれ以外のごまドレッシングは使えない、と言ってまして、実家の食卓には、どんな料理の時も必ず鎮座しています。確かに私の感想も同様で、「ごまドレッシングって何にでも合うんだ」と言うと、「いやいや、コレじゃないとダメよ」との母の言。いろんな料理に使えるとなると、この価格も納得できるものです。
食べ物のことをこのブログで書くのは稀なことなのですが、これはお勧めの一品なので、ぜひ!

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