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サッカー撮影83(俯角の撮影 その2) [サッカー撮影]

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サッカー撮影を前提とするならば、俯角の撮影=上方に位置する観客席からの撮影、となる場合が殆どで、その場合は必要焦点距離は長くなる、と考えて良いのではないか、と前回書きました。もう一つ理由があります。それは、手前のタッチライン沿いの攻防が撮り難いことです。
サッカー撮影は人物撮影、と以前書いたことがあります。人物撮影である以上、顔は重要なポイントです。ただでさえ、地面付近にあるボールに視線が行く選手は、下を向く時間が長いのに、これにプラスして上方から撮るという事は、更に顔や表情を撮るチャンスが少なくなります。陸上トラックのある競技場の場合は、前回書いたように、元々被写体との距離がかなり離れますから、俯角は浅く、長焦点距離のレンズが必須になります。そんな陸上トラックが無い場合でも、被写体が近づくほどに俯角(見下ろす角度)が深くなり、選手の斜め頭上から撮る事によって選手の顔を写すことが難しくなることは、理解いただけると思います。観客席最前列から手前のタッチライン沿いの攻防は、最も近くて撮り易そうに思えますが、実は上方からの俯角が大きい故に、撮っても表情の読めない写真になるケースも多いです(唯一、選手が上を見上げた時を除いては)。

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そうなると、俯角があまり大きくならない選手・プレイを撮るようになってしまいます。俯角が大きくならない、とは、撮影者から見て遠くの選手・プレイ、ということになります。手前のタッチライン付近に比べれば、ピッチ中央付近は俯角が浅く(つまり水平に近い)、グランドレベルで撮る感覚に近くなり、選手の表情を狙いやすい。でもそれは、撮影レンジが遠くなることを意味し、長い焦点距離が必要という事とイコールなのです。下にその概念図を載せてみました。

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下の写真は、上の写真と同じ日に同じ試合を、観客席最前列から撮ったものです。ブログ掲載上、4:3にトリミングしてありますが、感じとしては分かっていただけるでしょうか。(1D4+EF400mm F5.6 L)

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もちろん、誰でも長焦点レンズを用意できる訳ではありませんから、小さく撮ってトリミング、という方法も否定しません。観客席からの俯角の撮影の頻度が多い場合は、それを主としたレンズ選びをすべきでしょうが、ご自分のお子さんやそのチームメイトを主に撮るであろうアマチュアカメラマンの場合は、汎用性は無視できません。一年間撮り続けたとして、そんな観客席からの俯角の撮影が2.3回程度ならば、それ用のレンズを用意することは予算的に難しい方が多いでしょう。ここは1.4倍テレコンやトリミングで乗り切るのが現実的かもしれませんね。

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サッカー撮影82(俯角の撮影 その1) [サッカー撮影]

俯角(ふかく)とは、自分の目線よりも下向きの角度を意味します。サッカー撮影における「俯角の撮影」とは、撮影者よりも被写体である選手が下方に位置し、それを撮るためにカメラ+レンズをやや下に向けなければならない撮影状況です。俯角の撮影を強いられるのは、選手のプレイするグランドレベルに撮影者も居るのに対し、より高い観客席やスタンドのある競技場での撮影が思い浮かびますね。今回からその俯角の撮影について書こうと思います。

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まず、撮影者が選手と同じグランドレベルに居る場合に比べて、「俯角の撮影ではより長い焦点距離が必要か」です。下の図のように三角形の辺の長さを考えれば、撮影者の位置が選手よりも上がれば、相対的にグランドレベルで撮るよりも選手から離れることが分かります。それならば、こうした俯角の撮影では、例えば通常は300mmのレンズを使っていたところが400mmが必要だ、という事になるのでしょうか。

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サッカーグランドは、68m×105m(中学生以上の場合)です。撮影者が同じグランドレベルで撮る場合の撮影ポジションについては、以前のブログの「少年サッカー撮影 55」でも触れましたが、ここでは撮影者がグランドレベルに位置し、被写体までの距離が30mとします。これよりも高所に位置する観客席最前列から撮る場合、高くなればなるほど、選手との距離が離れます。しかし現実には、観客席最前列がグランドより10m以上も高い、ということはあまり無いでしょう。大規模施設ならあり得るかもしれませんが、我々アマチュアが撮るような地方の競技場レベルならば、せいぜいが4~7m位でしょう。例えば5mとするならば、下図の斜辺cの長さは、約30.414m。つまり通常より約41cm程離れた、という事で、これは30mに対して僅か1.4%程に過ぎず、無視して良い値だと思います。被写体である選手がもう少し近づいて20mだとしても、約20.616mで62cm(3.1%)です。これでは、俯角の撮影を強いられたからと言っても、その俯角の角度がその程度のものならば、これによって必要焦点距離が延びるとは考えにくいですよね。

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しかし、です。サッカー撮影で俯角を強いられるのが、殆どの場合が観客席からの撮影だとすれば、通常より長い焦点距離が必要になります。理由は、近づけないからです。最初の写真は、主に私の主戦場となっているサッカー・ラグビー専用グランドです。陸上トラックは有りません。観客席最前列ならば、グランドレベルから5m程の高さでしょう。この最前列から撮影したとしても、グランドレベルで通常撮影するのに比べれば、タッチラインまで距離が有ることが分かって頂けるでしょうか。観客席最前列からも、タッチライン沿いの攻防が見えるように、実際にはグランド端から観客席は距離を取ってます。通常、私がグランドレベルで撮る場合、もっと観客席最前列よりもタッチラインに近づいて撮れますから、その位置に比べれば如何に最前列とはいえど、距離差が有ります。もちろん、競技場によってその差は様々でしょうが、この差は無視できません。

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練習試合や地方予選の1.2回戦で使われるような、学校のグランド程度であれば、タッチラインやゴールラインにかなり近づいて撮ることができます。しかしそれが、全国大会や地方予選の決勝などで、観客席のある競技場で撮ることになれば、通常よりも近づけない事になり、より長い焦点距離のレンズが必要になることが殆どです。ましてやこれで、陸上競技用トラックのある競技場ならば、尚更でしょう。下の画は、よくある地方の競技場ですが、観客席の最前列からでも結構な距離が有り、陸上トラックの向こうで行われる試合を撮るには、かなり焦点距離の長いレンズを使わなければなりません。よく知った競技場なら準備もできますが、初めて行く競技場の場合、下調べをしておくことと、念のために1.4xテレコンをバックに入れておくこと(使う使わないはその場で判断するとして)が、私の場合多いです。

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CANON EOS 5Ds / 5DsR 発表 [カメラ機材]

既にご存知の方も多いと思いますが、一昨日2月6日、CANONから「EOS 5Ds」「EOS 5Ds R」が発表されました。
http://cweb.canon.jp/newsrelease/2015-02/pr-eos5ds.html
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何といっても約5060万画素(総画素数約5300万)のフルサイズセンサー搭載が最大のポイントでしょう。現行の5D3の倍以上の高画素機です。ついにここまで来たか、という感じですね。同時に発表された、「EOS Kiss X8i」「EOS 8000D」が、約2420万画素のAPS-Cサイズセンサー(約22.3×14.9mm)を搭載していることを考えると、そのAPS-Cの倍以上の大きさのフルサイズセンサー(約36×24mm)ですから、5000万画素オーバーも可能かとは思いましたが、ここへ来て一気の高画素機決定版の登場というところでしょうか。しかしこの機種をあくまで、5D3の派生機という位置づけ、というのが商売上手なキヤノンらしいと言えばそう思えます。要するに、あくまでフルサイズの量販機は5D3であり、この5Dsはプロや一部のマニア向けである、ということですね。
詳細なスペックは、キヤノンホームページを見ていただくとして、1画像は8688×5792の大きさで、RAWでは1枚が60.5MB程になるとのこと。もちろん、記録画素数を落とすことも可能ですが、高画素が最大の魅力のこの機種ユーザーがそれを使うのでしょうか。そもそも高画素化反対意見の内、1枚当たりのファイルサイズが大きくなること、その画像を迅速に処理するには高性能なパソコンが必要なこと、がありました。しかし今や、記録メディアは64GBや128GBが珍しくなくなり、現状の最高レベルのパソコンにしても15万円程度(もちろんデスクトップ)で手に入る時代。税別で46万を超える機種を手にするなら、その程度の事は必要経費と見なすべきでしょうから、コレを狙うユーザーに限っては足枷にはならないと思います。それより、この高画素に対応しうるレンズがどの程度あるのか、の方が問題だと思います。APS-Cで2400万画素もかなりレンズに厳しいと思いますが、これはレンズ中央部しか使わないので何とかなっても、フルサイズで周辺まできちんと高画素の恩恵を得られるレンズとなると、かなり数少ないのではないか、と推測します。コレのユーザーになるには、ボディよりもレンズに対する投資の方が大きくなるかも。

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まあ、私には縁の無い機種ですが、今回の5Dsを見て「?」と思ったのは、キヤノン機としては初めてクロップ撮影機能を搭載したこと。1.3倍で約3050万画素、1.6倍でも約1960万画素の画が得られるそうで、以前キヤノンの技術者のインタビュー記事の中に、「高画素機でなければ搭載しても意味が無い」といった旨の発言を見た記憶が有るので、いよいよ、ということでしょうか。しかし、そもそも5Dsという機種は静物撮影を主としたカメラでしょう。高画素故にクロップしてもある程度緻密な画が得られるとしても、フルに撮っておいて、後でパソコンでトリミングしても同じな訳で、トリミングという操作自体が特別難しい訳でも高度なソフトが必要な訳でもないのですから、この5Dsユーザーでクロップ機能を使う人いるのかなぁ、と思ってしまいました。できるから搭載した、という感が私にはあります。
トリミングではなくてクロップ機能を利用する最大の利点は、1枚の画像ファイル容量を少なくし、それによって画像処理や記録時間を短縮できることだと思います。しかし5Dsはクロップしたところで、連写速度が速くなるわけではありません(秒5コマ)。ここが惜しい。これで、1.6倍クロップにすれば秒10コマで撮影できます、というなら、俄然魅力倍増だと思うのですが(そう思うのは私だけでしょうか)。これは私の推測ですが、約5060万画素を搭載するために、カメラボディやその内部可動部分に対するブレ対策を行った旨の記述があります。APS-C機である7D2のミラーに比べて大きなミラーを高速可動することと、5000万画素を超える静止画を撮るための内部機構ブレ対策、という相反する命題で、後者優先を選んだ結果ではないかと思うのです。それはそれで、5Dsの性格を考えれば正解だと思うのですが、故に1DX後継機の方に期待が向いてしまう私です。この5Dsよりもずっと剛性に富むであろう1D系ボディならば、この両立は可能なのではないか、それならばクロップ機能を有する意味が大いにある、とネ。
まあ、推測の話をしても仕方ないので止めておきますが、今回の5Ds/5DsRの発売は一つのブレークスルーになるかもしれません。

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卒業旅行 [日々の徒然]

確かに私が学生の頃(何年前の話だ!)にも、卒業旅行というのはありました。だいたい大学4年生なんて就職活動メインで、大学に顔を出すなんて週に2、3日。その就職も決まってしまえば、後は卒論ぐらいで、もう心は「残り少なくなった自由な学生生活をいかに遊ぶか」ですよね。特にこの時期は、卒業旅行に行っているお子さんをお持ちの方も多いかもしれません。
さて、ウチの愚息1号も大学4年生。就職先も決まり、例にもれず現在は、卒業旅行に行っております。ハイ、もちろん愚息の事ですから海外です。何処へ行ったかといえば、なんと中南米。友人と2人で約2か月のバックパッカーの旅です。

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15か国程を廻る、といって正月明けに行きましたが、さて今はどの国に居るのやら。親のスネをかじらず、自分でバイトで稼いだ資金で行くところは、まあ立派と言えばそうですが、なので親としても文句は言えず、「もし何かあっても、身代金は出せんからな!」とだけは言っておきました(笑)。
いつも通り、「土産は写真で」とも言っておきましたので、帰国後はまたこの場で紹介できることと思います。無事に帰れば、ですがネ。

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