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サッカー撮影87(ジャンプ その1) [サッカー撮影]

サッカーという競技は、広いグランド内を手を使わずにボールをゴールに入れることを競うスポーツで、サッカー撮影とは、主にそれを行う選手を撮ることです。広いグランド内を走り回ることの多い選手ですが、時にジャンプすることもあります。多くの場合、高く上がったボールを頭で跳ね返す、頭で味方にパスを送る、そんなシーンが連想されますね。今回から少し、その「選手がジャンプする」というシーンについて書いてみたいと思います。

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通常、足でボールを扱うことの多いサッカー選手がジャンプするとは、高い位置にあるボールに対して高い位置で触ろうとすることで、上方から来るボールに、相手選手よりも先に触りたいためです。実際には、ボールを頭で跳ね返すというシーンが多いですね。下の写真は、その典型的な画です。

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多くの場合、走る選手を撮るにはレンズを左右に振りながらの撮影となりますが、被写体である選手がジャンプすると、上下の動きになります。それならば、撮影者もそれに合わせてレンズを上下に振っているのでしょうか。実は上の写真はトリミングしてあり、本来のノートリミング画像は下のようです。

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使用機材は1D4+EF400mm F2.8 L IS、AFは1点指定で領域拡大を使用して連写しています。そのAFフレームも合わせて表示したノートリミング画像が下の画です。

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これを見れば、撮影者である私が高く上がったロングボールを跳ね返そうとするディフェンスの選手(オレンジのユニフォーム)を撮ろうと、AFフレームを合わせていることが分かると思います。しかし、レンズを上下には振っていません。このようにファインダー内で狙う被写体である選手が小さいと、たとえ選手がジャンプしようとも、1点指定したAFフレームが選手の胸の位置から腹の位置になる程度で、特別上下に振らなくても済みます。
また、選手がファインダー内で小さいとは、撮影者と被写体との距離が有るということで、被写界深度は距離が有るほど深くなりますから、これでも十分ピントが合った画にできることがあります。ホームページやブログなどに載せるには、元々サイズダウンを余儀なくされるでしょうから、トリミングすれば使える写真になるでしょうし、昨今の高画素機では、これぐらいトリミングしても、2Lサイズ程度のプリントには耐えれる画になるでしょう。

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たとえば、100-400mmのズームレンズを使ったとして、わざわざテレ端の400mmを使わずに、200~300mm程度にして小さく撮っておいて、後でトリミングする、という手法も有るでしょうし、それ自体を否定する気もありません。しかし、トリミングして使える写真にするには、まずピントが狙う選手にしっかり来ていないとダメです。その点で、ファインダー内で狙う選手が小さいと、相対的に選手に対してAFフレームが大きくなり、正確にピントを合わせることが難しくなります。背景を掴んでしまったり、他の選手をピンを持って行かれたりする可能性が高くなる、またそうなっても撮影者自身が気付きにくい(家に帰ってパソコンで見たらピンが来ていなかった)という難点があります。つまり、ジャンプする選手を容易に撮ろうとして小さく捉えたとしても、ピントを外す危険性が高くなる、ということになります。
もう一例を載せます。

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上の写真はトリミングしてあります。後ろに位置する赤ユニフォームの選手まで被写界深度に入っていることで分かると思います。これのノートリミングの画が下です。

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トリミングに関しては、このブログでも過去いろいろ触れてきました。是非は問わないが、できれば避けたいし、トリミング前提では撮らないように、と書いてきたつもりです。トリミングは後処理です。撮影に当たっては、トリミングの事は横に置いといて、まず狙う選手をできるだけ大きく撮ることに専心すべきで、撮影後に必要ならばトリミングで対処する、というのが私のスタンスです。選手がジャンプするシーンの撮影に関しても、同様だと思います。
第一、選手を小さく撮っていては上達もしないし、サッカー撮影の醍醐味も味わえない。できれば選手をこれぐらいの大きさ以上で撮りたいですね。
(以下の画像は全てノートリミング。使用機材は、1D4+EF400 F2.8 L IS です)

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まだ小さいですか? もう少し大きく捉えた画なら、こんな感じ。

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更に大きく。

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調子に乗って、更に。

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ボールがしっかり入って、しかも画面から選手がはみ出るくらい大きく、となれば、撮れれば大満足ですね。でもレンズの最低撮影距離と被写界深度が、かなりシビアになります。

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