SSブログ

さらば、456 [カメラ機材]

さらば456-1.jpg

OLD LENS。私がEF400mm F5.6 L USMというレンズを手放そうとした理由を考えるにあたって、思いつくのはこの言葉だった。
決して明るいレンズではないとはいえ、400mmの単焦点レンズとしては稀有の存在であったし、サッカー撮影を主目的とする私にとっては、400mmが必要だった。ISは無いが、開放F値を抑えたことで小型軽量であった点も、ヨンニッパを持っている私でさえ魅力的だった。仕事ではなく趣味(現在でも私はその範疇にあると思っている)では、巨大で重いヨンニッパを持ち出すのが億劫になることもある。そんな時に、結構便利なレンズだった。それ故に、ヨンニッパ購入と同時に手放したのに、再度手に入れた(2005年製の中古)のも、そんな理由からだった。確かに、サンニッパやヨンニッパに比べれば、AF速度は速くはないが、他のズームレンズに比べれば勝率は高かったし、色乗りも良く、描写力についても解像度についても、単焦点Lレンズとして現在でも十分通用するものだと思っている。ボケに関しては、開放F値に示す以上のものではなかったが、手放した今でも、良いレンズには違いないと思っている。
しかし、EF100-400mm F4.5-5.6 L Ⅱが登場し、その作例が巷に出回り、それを見ていくにつれ、先の「OLD LENS」という感が私の中に湧き起ってしまった。400mmのズームでこの画が出せるのか。現在のレンズ交換式カメラは、ほぼデジタルである。そして「デジタルに最適化されたレンズ」という謳い文句は、実はデジタル一眼が普及され始めた10年ほど前から登場したレンズほぼ全てに付けられた前置き文句だ。しかし、ここ現在に至って、本当の意味でデジタルに最適化されたレンズというのは、この2.3年以内に登場したレンズではないか、と私は思っている。「デジタルに最適化」という技術が確立されて、製品となって市場に製品となって登場するには、それくらいの時間は必要だったのではないか、と思ってしまう。そう考えれば、1993年に登場したこのEF400mm F5.6 L、通称「456」というレンズが、その「デジタルに最適化」という前置詞を持たないのは仕方ない事。真実は分からないが、メーカーはこのデジタル化の流れで、密かにコーティングを変えた(私が最初に手にしたものと、2回目に手にしたものとを比べての私的な印象)のかもしれないが、ユーザーの要求が開放F値付近からキリッとエッジの効いた画を志向する流れであることを考えれば、そしてそれに合わせるように、EF100-400のⅡ型が登場したことを見てしまうと、私の中に沸いた「OLD LENS」との想いが理解していただけるだろうか。

さらば456-0.jpg

さらば456-11.jpg

しかし、だからと言って、それだけでこのレンズの魅力が激減する程ではない。第一、私はEF100-400 Ⅱにユーザーでも、近い将来ユーザーになる予定も無いのだから、そんな印象だけが手放す理由ではない。実はもう一つの理由は、7D MarkⅡの出来が、初代7Dに比べてサッカー撮影に於いて十分で、それ故にこれと組み合わせるレンズとしてサンニッパの出番が多くなったこと、必然的に456の出番が少なくなったこと、が挙げられる。APS-C機である7D2で、400mmはちょっと長すぎて(画角が狭すぎて)、サッカー撮るには(私的には)使いづらい。1D4との組み合わせならば良いのだが、1D4を持ち出すならばヨンニッパを選びたい。私のそんな状況下で、防湿庫に眠る時間の長くなってしまった456が、ちょっと不憫に思えてきたこともあったし、元より、使わない機材は手元に置かない主義の私なので、この際決断した次第である。
本当は、そんな理由をツラツラと書く必要も無いのだろうが、この歳になると、手に馴染んだ道具を手放すには少しばかりの思い切りが必要で、こうしてこの場を借り書くことで、自分の気持ちの整理をしたつもり。私の防湿庫も、昨今は住人が減る一方で、何だか空き空間が多くなってしまって寂しいけれど、それでもまだまだ撮り続けます。最後に、お世話になったこのレンズで撮った画を載せて、別離の辞にしようと思います。

さらば456-2.jpg

さらば456-3.jpg

さらば456-4.jpg

さらば456-5.jpg

さらば456-6.jpg

さらば456-7.jpg

さらば456-10.jpg

さらば456-8.jpg

さらば456-9.jpg


nice!(4)  コメント(3) 
共通テーマ:趣味・カルチャー