SSブログ

すそ野にて 5 [サッカーあれこれ]

すそ野にて5.jpg

もう既にご存知の事と思いますが、カナダで開催されたサッカー女子ワールドカップに於いて、日本代表の「なでしこジャパン」は惜しくも連覇を逃し、準優勝に終わりました。
ただ、「惜しくも」と書くにはちょっと勇気の要る私です。決勝戦をテレビ観戦した私には、スコアどおりの完敗に映りましたから。勿論、日本代表の彼女たちは全力で戦いましたし、スコアに関係なく最後まで戦意を保ち続けたと思います。そういう意味で、称賛に値するのは間違いないと思います。けれど一方で、このW杯での反省と対策がなされないと、マスコミ紙上で一時期賑わっただけの一過性に終わってしまう、そんな危惧があります。シロウトの私がココでそんなことを書く必要も無く、既に何人かの識者の方が指摘していますが、「頂を高くするには、まず底辺を広げること」ではないでしょうか。
ちょっと古い資料によれば、世界中での女子サッカー競技人口は約2900万人。トップはアメリカで、圧倒的に多い720万人、そのうち130万人がサッカー協会にライセンス登録を行い、本格的にプレイしているとのこと。元々スポーツ大国であること、施設が質・量ともに充実していること、女子が屋外で行うスポーツとしてサッカーが注目されたこと、などが要因と考えられます。ちなみに第2位は、現在の世界ランク1位のドイツで、220万人がプレイし、協会登録は約半数の106万人だそうです。それに比べ日本は、2011年のW杯優勝の影響で着実に増えたとはいえ、一昨年のJFA登録女子選手数は約3万人。決勝で戦ったアメリカの何十分の一でしょう。そう考えれば、世界ランク4位でW杯に挑み、準優勝を成し遂げた「なでしこ」の彼女たちが、如何に頑張って得た成果なのか、計り知れません。
大都市圏の事は分かりませんし、静岡などのサッカーに力を入れている県では当てはまらないかもしれません。地方の我が県でも、サッカーに汗を流している小学生女子はいます。しかしこれが中学生となると激減します。最大の理由は、中学校に女子サッカー部がほとんど無いからです。従って、小学生の時にサッカーをやっていても、中学生になると他のスポーツに流れていく女子中学生が圧倒的に多い。女子のクラブチームも有りますが、絶対数が少なく、(昨今の防犯意識の高まりもあって)近くで通える子か、送迎できる熱心な親がいないと続けられません。勿論、このハードルを越えてまで「サッカーをやりたい」という女子中学生は有望でしょうし、その後の成長も期待できるでしょう。でも、だからと言って、そんなハードルは必要無いと思うし、このままで良いとも思えません。
男子でさえ若年層の指導は、学校の先生の献身的な努力やボランティア精神を持つ指導者に支えられている面が多々あります。現在の日本の女子サッカーでは、それが更に脆弱であることは間違いない事でしょう。世界のサッカー界から見れば、まだまだサッカー先進国に追いついていない日本です。今回の結果を、「よく頑張った!」との賛辞と共に、「これからどうするか?」の対策もしてほしいなあ、一朝一夕にはできないかもしれないけど、とサッカーピラミッドのすそ野から思う私です。

nice!(4)  コメント(3) 
共通テーマ:趣味・カルチャー