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卒団額 [写真・撮影]

今年も残り少なくなってきましたね。この時期、お子様の卒業・卒団を迎えられているチーム専属カメラマンの方もいらっしゃることでしょう。最終学年の最後の公式戦が終わってしまうと、これまでチームメイトだった仲間たちが、それぞれの道に向けての準備をする中、今年撮った写真を振り返ることもあるかと思います。私自身も、愚息の所属するチームの専属カメラマンです。愚息2号が最終学年の最後の公式戦を終えた今、今年撮った写真を全て見直して、卒団記念の額を製作しました。
このブログで以前、この卒団記念の額のことを書きました。愚息1号・2号が各年代で卒業・卒団するごとに、何らかの形で作ってきましたから、今回で何作目になるでしょうか。そして多分、今回が最後になるでしょう。今年の初めからできる限り愚息のチームに同行して撮ってきましたが、もちろん最後の形、この卒団額のことを念頭に入れての撮影でもありました。サッカーは11人で試合をするスポーツですが、11人だけがチームメンバーではありません。バックアップメンバーも、ベンチに入れず応援に声を枯らすメンバーも、同じチームメイトです。卒団額とするならば、(昨年までに途中退部した子はしかたないとしても)ここまで一緒に来たメンバー、今年一緒に戦ったメンバー全てを載せるべきでしょう。試合出場の有無、プレイ時間の長短はもちろん有ります。けれど、それを前提として撮り続けることが、チーム専属カメラマンの責務だと思っていますし、(言い方はキツイですが)それができてこそチーム専属カメラマンを名乗れるのだと思います。
で、ほぼ一カ月を要して完成したのが、下の額です。

卒団額1.jpg

手法としては以前と同じで、その点では新鮮味はないのですが、この形が今まで一番好評だったので、私が作る最後の額もこの形にしました。今年撮ったこのチームの写真は、約2万枚。それらを全て見直して、使える写真を各個人別に選別する一次選考から始めます。高校生ですから、成長に伴う顔つきの変化は小さいですが、それでも差はありますから、なるべく直近の写真を使いたいですよね。それに加え、この子は走っている表情がイイ、この子は叫んでいる顔じゃないと、この子の滅多に無い表情は希少、などという撮り手の想いも込めて、最終的に選んだ写真をパソコン上でカットしていきます。今ではこのカット作業も簡単にできるソフトがありますが私的には、手作業に勝るものはない、との考えが根強くあって、等倍以上に拡大して地道にカットしました。この作業が実は最終的なクオリティに大きく影響しますから。
さて、自分的には満足した出来栄えですが、これを作ってしまえば、本当に使命終了です。満足感と共に、寂寥感もあります。懐古感も出てきます。あの時、チームの勝利と共に思わずガッツポーズをしてしまったこと、真夏の遠征で流れる汗がファインダーを覗く眼に入って痛かったこと、いつも寡黙な子が敗戦に思わず涙を見せた姿・・・。たぶんチーム関係者以外は何ら価値の無い額でしょう。けれど、この子達がこのユニフォームで共に戦った証であり、将来それぞれの道に進んでも、決して色褪せない記憶であって欲しい、そう思いながら作りました。皆さんもそれぞれの形で、それぞれの想いを込めて、作ってみることをお勧めします。何といってもそれは、これまでずっと撮り続けてきた貴方にしか作れないものですから。

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