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サッカー撮影95(等倍) [サッカー撮影]

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写真を鑑賞する、もしくは評価するにあたって、マクロ的にその写真の細部を精査するだけでは正しい方法とは言えず、写真全体を見て、時には少し離れてするのが妥当である、とのことは、皆さんもご存知の事と思いますし、私もそう思います。写真がフィルムからデジタルに代わった今、自宅のパソコンで簡単に細部を拡大して見れるようになりましたが、これを多用して、「木を見て森を見ず」的な鑑賞法に偏ってはいけない。ただ、だからといって、このデジタルになった恩恵を封印してしまうのも、もったいない気がします。等倍、もしくはそれに準じるぐらいに拡大して見る目的の多くは、ピントの確認でしょう。ここでは、「等倍鑑賞」ではなく「等倍確認」をちょっと勧めたいです。

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上の6枚の写真は、7D2+EF300 F2.8 L IS で連写したものです(ノートリミング)。余分な物が入っていないので、私が狙った被写体ははっきりしています。背景を見れば、私が右にレンズを振りながら連写したことが分かって頂けると思います。単純にパッパと見ていくと、6枚とも問題ないようにも思えますが、実は2枚はピントがズレています(最大解像度を得ていません)。拡大したものを下に載せます(ブログに載せる都合上、完全な等倍の画では大きすぎるので、サイズダウンしてあります)。

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被写体は動いてますし、それに合わせてレンズを振っていますが、構図的には単純で、光線的にも難しくはないので、ここは6枚ともジャスピンで欲しかったところです。AFフレームの設定が間違っていたからでしょうか、レンズ振る精度が足りなかったからでしょうか、カメラの設定が煮詰めていなかったからでしょうか、その原因と対策については、敢えてここでは記述しません。ここで私が提案したいのは、「安易にピンズレの写真を享受しないこと」です。
もう一例載せます。今度は2連写です。

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上の写真は、パッと見には普通の写真です。このままプリントしても、何ら問題が無いように見えます。けれど等倍で見てみると、②の写真は選手の顔にピントが来ていません。②だけ一見すれば分からないかもしれませんが、①と比較すれば分かります。この機材で得られる、きちんと解像した画は①です。拡大したものが下の写真です。

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フィルム時代には、ネガをルーペで拡大して、ピントの確認をしていました。それが今では簡単に拡大でき、誰にでも確認できます。それ故にメーカーは、カメラのAF性能の更なる向上に努めなくてはならず、高画素でも解像できるレンズを開発せねばなりません。それは技術の進歩でしょう。ならば我々も、見る眼・確認する眼を上げる必要があります。2Lサイズにプリントする程度なら、上のピンズレの写真もアラが見つからないかもしれません。けれど、「それで良し」としてしまうと、進歩はありません。これまで私は、現在のAF性能は100点満点ではない、と書いてきました。撮影者自身の腕(技術や知識、反射神経など)もまた、100点満点ではないでしょう。一試合に100枚撮ったとて、100枚全てが素晴らしい出来ではないでしょう。そうだとして、もう二度と撮れない画だとしても、「ダメなものはダメ」とすっぱり切り捨てないと、より以上の向上は無いでしょうし、その手掛かりとして、この等倍もしくはそれに準じた程度の拡大確認を使うのは有効だと思います。

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撮ってきた写真を順次見ていく。そこで「これは使える」という画をストックしておく。そして、いざ使おうとしたら、ピントが甘い、僅かにずれていた、という経験をお持ちのかたも多いでしょう。「これは使える」と判断した時点で、等倍またはそれに準じる大きさで確認をするクセを付けておくこと、これをお勧めするのが本題の趣旨です。
良い写真とは、離れて見ても、等倍で見ても、良い写真のことです。

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