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残価設定型ローン [日々の徒然]

前回は、我が家のアクアに別れを告げたことを書きましたが、ちょうど3年前に購入した際、ディーラーで残価設定型ローンを利用しました。今回はこの「残価設定型ローン」について私見を書き残しておこうと思います。
残価設定型ローン(「残クレ」とも言いますね)とは、車購入時に3年後(または5年後、私の場合は3年)の下取り価格(残価)を差し引いた金額、つまり最初の3年間で失う車の価値を36回分割払いで支払うものです。

残価設定型1.jpg

たとえば200万円の車で、頭金無し、3年後の残価が100万円だとします。
残価設定型ローンの場合は、200-100=100万円を3年間(36回)ですから、月々27777円+金利 になります。これが通常のローンだと、200万円を3年間(36回)ですから(当たり前ですが)、残価設定型の方が月々の支払額がかなり安くなります。それに加え、ディーラーの通常ローン金利に比べて残価設定型のローン金利は、かなり安く設定されていることが多いですから、金利負担の面でも優位です。月々の返済額がもう少し高くても良い、というのなら、もうワングレード高い車に乗る事もできます。ただし3年後に、
1.同じ販売店で新車に乗り換え
2.車を返却
3.残価を一括または分割ローンで支払って購入
の選択を迫られます。
1の選択は、その車を返却して、新たに新車で残価設定型ローンを組むというもので、これを続ければ3年毎に新車に乗り続けることができます。当然、車検費用というものを支払う必要も無い。実はこれが、車ディーラーが最も望む選択で(新車が売れるので)、故にこのローンが宣伝されている訳です。
2の選択は、そのまま乗っていた車を返却して終わり、というもの。
ただし、1と2の場合、どちらも3年間乗っていた車の残価が当初の設定金額以上で有る必要があります。走行距離が設定よりも多い場合、事故歴が有る場合、車に傷や損傷が有る場合、内装などに予想以上の汚れや臭いが有る場合、オイル交換やワイパーブレードなどの消耗品の劣化具合が基準より悪い場合等だと、その分の金額が残価から差し引かれて、負担をしなければなりません。故に、3年間のメンテナンスパックのオプション加入が必須の場合が多いようです。また、3年後の残価を予想して設定するので、例えば思ったよりもその車が売れて市場価格が下がったり、逆に上がったりする場合も有ります。下がったとしても、最初の契約は守られますので、差分を請求されることはありません。
3の選択は、その車をそのまま乗り続ける、ということで、残価を一括支払いするか、その額を新たにローンを組んで支払っていくか、どちらかになりますが、車検費用が発生します。低金利で月々の返済額が低い3年間の間に、この残価の為に貯蓄しておく、というのも一つの手でしょう。
さて、この残価設定型ローンをどう考えるか、ですが、私は「車」というものに対する考え方や思い入れによるのではないか、と思います。確かに月々の費用を安く抑えながら3年ごとに新車を乗れることにメリットを感じる方もいらっしゃると思いますし、通常ローンを使うよりグレードの高い車に乗れるメリットを重視する方もいるでしょう。最近の若者などは、車に対する特別な思い入れなどが無い方が多いようですし、年間走行距離が特別多くなければ、考慮する価値は有ると思います。ただ私は実際にこのローンを使ってみて、3年後に乗り換えるにせよ返却するにせよ、3年後の残価を維持するために走行距離を気にしたり、事故はもちろん、ちょっとした傷や汚れにも神経質になってしまいがちになり、何だかレンタカーやリース車に乗っているように感じていました。つまり、借り物の車に乗っている、ちょっと「愛車」とは呼べない、そんな感じです。それに、カスタマイズなどはできない、という点もあります。簡単に元に戻せるものなら良いのですが、サスペンションやマフラーに手を加えよう、などと考える方には不向きです。私のアクアも、鉄ホイール+ホイールキャップではちょっとなあ、と思っても、3年後の事を考えると、扁平タイヤ+気に入ったアルミホイールに替える気が無くなりました。つまり「車」というものを、買ったままの状態で丁寧に乗る方には向いても、「車」を趣味の一つとしている方や、単なる道具以上に見てしまう方には、あまりお勧めではないかな、と。
時代のニーズによって様々な商品が生まれては消えて行くのが常ですから、この残価設定型ローンも、そんなニーズによって生まれたことでしょうし、様々な選択肢が有ることは良い事だと思います。でもそれは、よく考えて選びましょう、という事と同意です。車というのは結構大きな買い物ですから、今後の3年間なり5年間の家計状況も考慮しないといけないでしょう。ちょうど3年前は我が家の家計が苦しい時期でしたから、これで助かったことも事実です。でも私はアクアに乗って2年目位から、上記の2の選択(車を返却)をすることを決めましたから、その頃から愛着が急速に薄れていきました。今後はもうこれは利用しないかな、と思ってます。

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