寒椿 [巷の雑感・時の想い]
春の訪れを謳歌するがごとく咲く花がある
夏の日差しをいっぱいに受けて咲く花がある
その夏に力を溜めたあかつきに咲く花がある
しかし
この厳しい寒さの中で艶やかに咲く花もある
歳の終りに感謝を込めて手を合わせる人がいる
歳の初めに願いを託して手を合わせる人がいる
久しぶりの家族の団らんを笑顔で楽しむ人がいる
しかし
そんな年の瀬も年初めも汗を流して働く人もいる
寒椿 何と孤高の存在よ
周りに媚びず流されず咲くその彩美な花は
自らの誇りの象徴なのか
それとも人知れぬ努力の結晶なのか
それが真の実力なのだと 告げられたように思ふ