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サッカー撮影107(守りのズーム・攻めの単焦点 その5) [サッカー撮影]

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前回までにズームレンズについて書いてきましたが、今度は単焦点レンズです。これは話は簡単です。攻めの気持ちが無ければ良い画は撮れません。
過去何度も書いてきましたが、広いピッチを縦横に不規則に動く選手が被写体なのですから、被写体と撮影者の距離は常に変化しています。それを撮るには、可変焦点距離のズームレンズを使う方が理に適っているように思われますし、実際多くの方がまずズームレンズで撮り始めるでしょう。では、なぜ敢えて固定焦点距離の単焦点レンズで撮るのか。
1.描写力・解像力
2.AFの速さ・レスポンス
3.F値の小ささ故にシャッター速度が稼ぎやすい
4.薄い被写界深度を使ったボケ
上記のような点が概してズームレンズに比べて優れていることが(全てとは言い切れませんが)理由として考えられます。個々の項目についての解説は割愛させていただきますが、サッカー撮影で単焦点レンズを使って思うような画を撮れた時は、大きな満足感と快感を撮影者にもたらしてくれます。それ故、重く高価な単焦点レンズ(ここではサンニッパやヨンニッパを想定しています)を使って良作を量産することが、サッカー撮影の究極の目的になりうると思われます。ただし、それには相応のリスクと努力が必要になることから、撮影者に攻めの姿勢が必須であると思っています。

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単焦点レンズで撮る場合、思うような大きさで選手を捉えられる範囲は、広いピッチを考えれば、極めて狭いと言えるでしょう。テニスやゴルフで例えれば、スイートスポットが極めて狭い道具を使っているという事です。それを踏まえ、まずはそのスイートスポットに入ってきた被写体の良いシーンを撮り逃がさない事、それに集中することが第一です。
その場合、自分の立ち位置からどの範囲が許容できる大きさで撮れるのか、を確認しておくことが一つ目。二つ目は、自分が動けるとすれば、どれくらいまで動いて撮ることができるのか、動いた場所でどのように撮れるのか、を確認することです。練習試合や予選一、二回戦などでは、タッチライン沿いに動きながら撮れる場合も有りますが、大きな大会や決勝戦であれば、試合中に移動が禁じられたり、撮影範囲が定められたりしています。それは予め決められたことですから、守らなくてはなりません。例えば、「ゴール裏を除くゴールラインより後方5m」と言われても、ゴール寄りかコーナー寄りかでスイートスポットの範囲が違います。試合展開を予想しながら(あくまで予想ですから外れることもあります)、自分の欲しい画を撮れそうな場所を考えて確保するべきでしょう。それと特に晴天の場合、日差しの位置と角度も考慮すべきでしょうね。

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そうして考えた末のポジションで撮り始めても、なかなか思うような大きさで選手を捉えられないでしょう。でもそれが普通なのです。そこで腐らずに、イイ感じで飛び込んできた選手を絶対に逃さいゾ、という集中力を保つことが要求されます。逆に、あまりに遠くのプレイに関しては捨てても良いと思います。遠いと選手と撮影者の間に介在する空気の影響を受けますし、ファインダー内で狙った選手が小さいので、如何に高性能なカメラを使っても、ピント合わせが難しいからです。ズームレンズを使っていても同様の事が言えますが、単焦点レンズの場合は特に、捨てるシーンはキッパリ諦め、欲しいシーンは絶対逃がさないゾ、という攻めの気持ちを保つ、ということが良い結果に結びつくと思います。

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(今回の掲載画像は全て、単焦点レンズで撮ったものです)

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