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全国高校総体 撮影後記(後編) [写真・撮影]

前回の続きです。機材の事以外で気付いた点・思った事です。

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■真夏の日中の試合で、撮影場所も限られています。常に順光で撮れることはまずありません。前半は順光でも後半は半逆光になったり、その逆だったり。広いピッチを不規則に動く選手が被写体なのですから、一試合の中でも光線状況は様々です。しかも私の場合、対戦する両方のチームの選手を撮らないといけない。そこで、今回撮影した約9200枚は全てRAWで撮りました。RAWで撮ったからといって、逆光が順光になる訳ではありませんが、レタッチの幅がRAWの方が広いのが理由です。デメリットはファイルサイズが大きくなることですが、今やメディアの価格は数年前に比べれば驚く程下がっていますし、保存するHDDの価格も同様ですから、もうデメリットとは言えないでしょう。ただ、速報性が必要な報道関係の方は、現像が必要なRAWは使っていないでしょうが。

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■真夏の炎天下での撮影で一番気を付けなくてはならない事は、機材でもその設定でもありません。私は、撮影者自身の体調だと思います。最高気温とは、土の地面で日陰で風通しの良いところで、地面から1.5mの所に設置された温度計で測定されたものです。たとえそれが30度前後の日でも、日差しをまともに浴びるピッチ上ではもっと高く、熱中症になる危険性があります。特に今年のように、体温を超える最高気温を記録した日の炎天下でのピッチ上は、体温どころか、それよりずっと暑い。これは、その傍らで撮る我々も同様です。サッカーを撮っていて、選手でなくて撮影者が熱中症になるなんて、絶対避けなくてはならない事です。「熱中症予防の為に、こまめな水分補給を」とのアナウンスが頻繁に流れていましたが、熱中症になった経験のある私に言わせれば、こまめな水分補給だけしていれば熱中症にならない、ということはありません。それは最低限のことです。私は今回の連日の撮影で、家に帰って来ても撮った写真をパソコンに落とすだけで、一切見ませんでした。ただひたすら、明日の撮影に備えて体を冷やすこと、休めることに専念しました。これをご覧の方々は私よりずっとお若い方が多いと思いますが、「過信は禁物・準備は必須」と思って夏の撮影に挑んでください。

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■最後に書きたいのは、どんな機材を使っても、どんなグランドで撮ろうとも、天候に左右されようとも、最終的に重要なのは撮影者の意欲と集中力です。それは、試合に挑むサッカー選手と同じです。それらが欠けていては、最終的な勝利は得られません。その点で、「スポーツ撮影はスポーツ」ということを身に染みて感じました。と同時に、我々も生身の人間です。ハーフタイムで、試合の合間で、熱の籠った体を冷やせる場所が、そんな施設が、このような真夏の大会では必須なのだと思いました。しかし、施設がプアーな我が県では、冷暖房が完備したロッカールームの有る施設は一か所しかないのが現状です。しかたなく、日差しを遮るだけのテントとバケツに入れた氷が数個、それとミストファンが用意されたのみの所もありました。
全国から集まって来て下さった記者や報道関係の方々も同様です。冷房の効いて電源が確保されている部屋が用意できた施設は、今大会で一か所のみ。それでも、この無線LANが当たり前の時代に、それも無い。報道陣用にただテントのみ、なんて恥ずかしい限りで、せっかく遠路訪れてきていただいた方々に頭を下げるしかありません。そんな状況でも運営の方々の努力で、何とか無事に大会を終わらせることができましたが、それでヨシとせず、我が県の行政の方には十分な反省をしていただきたいと思いました。三年後には国体の開催が決まっているのですから。

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以上、私の今年最大の撮影イベント、全国高校総体サッカー競技の後記でした。

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今回撮った写真は


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