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東京タワー [日々の徒然]

初めて東京タワーに行ったのは、中学の修学旅行でした。その一週間ほど前の事、学校で一番怖い先生が私を指して言うのです。「東京タワーの高さって333mだけど、平らな地面に立っている訳じゃないんだ。僅かに傾斜した地面に立っている。その何処から何処までが333mなのか、明日までに調べてこい!」と。田舎の小心者の私は、図書館に行って必死に調べましたが、結局分からず、翌日ビクビクしながら教室の隅で、先生と目を合わせないようにしていたことを思い出しました。
東京スカイツリーが出来てからは、観光名所としての知名度も、電波塔としての機能も、そちらに移ってしまったようで、今眺めてみると確かに付近に高層ビルが増えたせいか、「そびえ立つ」感は薄れてしまったように見えます。けれど私に、そんな40年以上の前の事を思い出させるだけの存在感はありました。
先週末、台風が近づいてきていること知りながら、東京に行きました。どうしても会わなければならない人がいるからです。その件は、また機会を改めて書こうと思いますが、途中下車して見た東京タワーは、雨雲で頂上まで見えなかったですが、やっぱり東京タワーでした。今の若い世代ではたぶん感じられないだろう、ノスタルジックな装いをまとって、凛と立っていました。
半世紀以上の間、田舎からこの大都会へ来る者たちに、少なからず記憶と印象を植え付けた東京タワー。できることなら、このままの姿で、いつまでも残って欲しい、雨粒が舞い落ちる中を見上げて、そう思いました。
東京タワー.jpg


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