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サッカー撮影111(フットサルの撮影 その1) [サッカー撮影]

フットサル(Futsal)は、基本的には室内で行われるサッカーに似た競技で、育成年代のサッカーチームでは、ボールを扱う技術の向上のためにフットサルを取り入れているところもあります。1989年に国際サッカー連盟(FIFA)の所管となり、日本でも日本サッカー協会の管轄となって各種大会が行われていますから、その観点ではサッカーというスポーツ内の一競技とも取れます。今回は、このフットサルの撮影について少し書いてみたいと思います。

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まず結論から先に申し上げれば、「サッカーが撮れるからといってフットサルが思い通りに撮れるとは限らない」ということです。その理由について、サッカーとの差異を挙げながら、必要となるポイントを書き進めたいと思います。
まず第一は、ピッチ(コート)の大きさの違いです。サッカーの場合、基本的には105m×68m、小学生の8人制の場合ではその約半分の約68m×50mのピッチサイズです。それに対してフットサルコートは38~42m×18~22mと規定されています。これは同じ屋内競技のバスケットボールのコート(28m×15m)よりは大きく、ハンドボール(40m×20m)とほぼ同じです。数字だけでは分かりづらいので、下に図にしてみました。

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フットサルコートは面積比で言えば、サッカーのフルピッチの約11%、小学生の8人制ピッチに比べても約24%です。これを撮るにあたって、サッカーのような焦点距離の長いレンズが必要ではない、もっと短いレンズが必要なことは容易に想像つくでしょう。具体的には、(フルサイズ換算で)300~600㎜のレンズを使って撮っていたのが、80~300㎜で済む。それは、大きく重く、高価なレンズを使わなくて済むようにも思えます。しかし、それが撮影が容易になる事とイコールではありません。むしろ、難易度は上がるものだと考えた方がよいでしょう。以前の記事で、遠くの選手を小さくとることは容易で、近くの選手を大きく撮るこのがいかに難しいか、を書いたことがあります。それは被写体である選手が動く、動体撮影であるからなのですが、例えば300mmのレンズでピッチ中央を10mドリブルをする選手を撮るにあたって、(使用カメラにもよりますが)レンズを僅かに振るだけで捕捉し続けることができます。しかし選手が撮影者に近くなるほど、レンズを振る度合いは大きくなり、被写界深度も被写体との距離が近くなるほど薄くなりますから、その動きを先読みしながら狙った選手にピントを合わせ、トレースする集中力が必要となります。つまり動く被写体と撮影者の距離が近くなればなるほど、捕捉し、フレーミングし、ピントを狙ったところにしっかり合わせる、その一連の作業が難しくなります。まして、選手は10mドリブルするといっても、その速度や方向は一定ではなく、急に止まったり、急に方向を変えることは常にありますし、人形ではありませんから、動きながら体型を変えたりします。後述するフットサル選手の俊敏な動きを、サッカーよりもずっと近い距離で追い続けなければならない点が、まず難易度の高い撮影環境にあることを分かっていただけるでしょうか。

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上の写真
7D MarkⅡ+EF70-200mm F2.8 L IS Ⅱ
絞り優先AE 評価測光 シャッター速度 1/640 F3.2 ISO 5000  焦点距離 200mm
下の写真
1DX MarkⅡ+EF70-200mm F2.8 L IS Ⅱ
絞り優先AE 評価測光 シャッター速度 1/1000 F3.2 ISO 6400  焦点距離 200mm

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サッカー111-06.jpg

上の写真
1DX MarkⅡ+EF300mm F2.8 L IS
絞り優先AE 中央重点平均測光 シャッター速度 1/1250 F3.2 ISO 5000  焦点距離 300mm
下の写真
1DX MarkⅡ+EF300mm F2.8 L IS
絞り優先AE 中央重点平均測光 シャッター速度 1/1000 F3.2 ISO 5000  焦点距離 300mm

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