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サッカー撮影113(フットサルの撮影 その3) [サッカー撮影]

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第三に、フットサルが基本的には屋内競技であることが挙げられます。今では屋外のフットサル場というのもありますが、ここでは公共施設や学校の体育館内で行われることを前提に考えています。屋内競技の撮影となれば、光量との戦いです。動体撮影、しかもサッカーよりも激しく動く(たとえ小学生であっても)選手が被写体なのですから、シャッター速度はある程度以上は欲しい。最低でも1/500以上、選手の動きを考えれば、できれば1/1000位欲しいところです。よく、「適度にブレた方が躍動感がある」などと言いますが、それはブレて欲しい部分だけがブレた写真を言うのであって、被写体である選手全体がブレてしまえば、何の価値も無いブレ写真に過ぎません。

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上の写真
1D MarkⅣ+EF70-200mm F2.8 L IS Ⅱ
絞り優先AE 評価測光 シャッター速度 1/800 F3.2 ISO 4000  焦点距離 160mm
下の写真
1D MarkⅣ+EF70-200mm F2.8 L IS Ⅱ
絞り優先AE 評価測光 シャッター速度 1/500 F3.2 ISO 4000  焦点距離 168mm

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光量に関しては、小学校の体育館なのか、大きな大会が行われるようなアリーナなのか、窓からの光だけなのか、照明は点けてくれるのか(全灯なのか半灯なのか)によって様々ですから、実際に行って撮ってみないと分からない部分でもありますし、撮影者自身がドウコウできる事でもありません。大きめの施設では。複数のコートで並行して試合が行われる場合もあり、コートによって光量が変わる場合もありますし、一つのコートでも右側半分と左側半分では明るさの異なる場合もあります。日中屋外のサッカーでは、光源は太陽、ということになりますが、それでも日の射す方向と場所によって考慮する必要があることは過去に書きましたが、屋内でも写真撮影では同様です。
それに応じて、カメラのISOを上げて対処することになるのですが、それにも限界があります。デジタルカメラの高感度ノイズに関しては、数年前に比べれば格段に良くなったとはいえ限界はありますし(許容範囲は個々人次第ですが)、カメラによっての差はあります。この点では、フルサイズセンサー搭載機が優位なのは間違いありませんが、自身の許容できるISO上限値をあらかじめ把握しておくことは必要だと思います。たぶん、その上限値での撮影を余儀なくされるでしょうから。

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上の写真
7D MarkⅡ+EF70-200mm F2.8 L IS Ⅱ
絞り優先AE 評価測光 シャッター速度 1/640 F3.2 ISO 5000  焦点距離 150mm
下の写真
1D MarkⅣ+EF70-200mm F2.8 L IS Ⅱ
絞り優先AE 評価測光 シャッター速度 1/250 F3.5 ISO 3200  焦点距離 115mm

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レンズに関して、サッカーほどの焦点距離が必要ではないことは前述しました。しかし光量のことを考えれば、開放F値の小さい明るいレンズが必須になってきます。それでも50㎜や85㎜では撮れないでしょうから、現実的にはF2.8クラスになると思います。しかも、開放F値付近を使うのは必定ですから、その開放値での描写力も欲しいところです。つまり、絞らないと解像感が得られないようなレンズは適さない、ということです。また、絞れないということは、絞って被写界深度を稼ぐ、ということもできませんから、浅い被写界深度でもしっかりピント合わせのできる性能も要求されます。ボディに高いAF性能が要求されると前述しましたが、その点も考慮すれば、機材にかかる負担がサッカー撮影より大幅に少なくなるとは思えません。

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上の写真
1D MarkⅣ+EF70-200mm F2.8 L IS Ⅱ
絞り優先AE 評価測光 シャッター速度 1/500 F3.2 ISO 4000  焦点距離 160mm
下の写真
1DX MarkⅡ+EF70-200mm F2.8 L IS Ⅱ
絞り優先AE 部分測光 シャッター速度 1/500 F3.2 ISO 6400  焦点距離 100mm

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もう一つ、室内競技で気を付けなければならないのが「フリッカー現象」です。詳しく書くと長くなりますので割愛しますが、光源によっては撮影結果に影響する場合もあります。撮影者自身が光源を変えられる訳も無く、また1/100や1/120以下にシャッター速度を落とせば良いのでしょうが、フットサル撮影では無理です。そこで、最新のカメラではフリッカー低減機能を搭載している機種もありますから、それを使うのも一考です。ただ、連写速度が微妙に落ちたり不規則になる場合がありますから、それを享受できれば有効な機能です。私の場合ですが、敢えてフリッカー機能は使っていません。シャッターが切られるタイミングにカメラ側の制御が入るのが嫌なのが理由ですが、RAWで撮っているので、もしも目立つときは補正しやすい、ということもあります。
最新の施設では光源が複数組み合わされているものもあり、光量の件と共に、早めに会場に行き試写をして、設定を考える時間が設けるべきでしょう。試合が始まれば、もうそれに集中するしかないのですから。

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床の反射光も優位に働くことがあります。サッカーの場合、地面からの反射光や反射熱(天然芝より人工芝の方が顕著)は大抵良くない方向の影響を与えてくれますが、フットサルコートの床が天井からの照明を反射してくれれば、会場全体が明るくなってシャッター速度が稼げることに加え、下を向きがちな選手の顔が陰で暗くなるのを、僅かですが緩和してくれることがあります。上の写真は我が県で最近できたアリーナですが、天井照明はLED照明で調光機能があり、白っぽい明るめの床材です。屋内競技の撮影では会場による影響がが大きいので、やはり早めの会場入りを心掛けた方が良いと思います。

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上の写真
1DX MarkⅡ+EF300mm F2.8 L IS
絞り優先AE 中央重点平均測光 シャッター速度 1/1250 F3.2 ISO 5000  焦点距離 300mm
下の写真
1DX MarkⅡ+EF300mm F2.8 L IS
絞り優先AE 中央重点平均測光 シャッター速度 1/1250 F3.2 ISO 5000  焦点距離 300mm

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