SSブログ

サッカー撮影114(フットサルの撮影 その4) [サッカー撮影]

サッカー114-01.jpg

サッカー114-11.jpg

第四に、撮影ポジションによる難しさが挙げられます。体育館やアリーナの二階席(観客席)からの撮影を強いられた場合、俯角の撮影となります。サッカーでの俯角の撮影については以前「サッカー撮影81~85」で書きましたが、そのサッカーピッチよりずっと狭いコートなので、俯角は深くなります。その為、選手の背景が床になる確率が高く、背景の整理という点では楽でも、床の反射光の影響を受けることがあります。具体的には、思わぬ露出不足に陥ったり、床にピントが抜けてしまったり、AFが不安定になったり、です。更に、深い俯角の撮影となれば、ただでさえ下を向くことの多い選手ですから、選手の表情を撮ることが難しくなります。できれば、なるべくコートサイド、選手のプレイレベルに近い撮影ポジションがベターでしょう。

サッカー114-02.jpg

上の写真
1D MarkⅣ+EF70-200mm F2.8 L IS Ⅱ
絞り優先AE 評価測光 シャッター速度 1/400 F3.2 ISO 4000  焦点距離 200mm
下の写真
1DX MarkⅡ+EF70-200mm F2.8 L IS Ⅱ
絞り優先AE 評価測光 シャッター速度 1/1000 F3.2 ISO 6400  焦点距離 168mm

サッカー114-03.jpg

これは審判経験者の方から聞いた話ですが、「サッカーよりもフットサルの方が、コート外で動くものに敏感になる」とのことです。サッカーよりフットサルの方がずっと狭いのでそれは当然として、従ってたとえコートレベルで撮れるにしても、試合中の移動が禁じられる場合が殆どだと思います。つまりそれは、定点で動体を撮る、ということです。サッカーの場合、40m先の選手が撮影者に向かって10m走り寄って30m先に来ても、必要な画角変化は少ないですが、フットサルコートで20m先の選手が10m近づいてくれば、必要画角は大きく変わります。フルサイズ換算50-300㎜ F2.0などというレンズがもし有れば最適なんでしょうが、無いものはしかたないですね。ただ、こうした動体撮影で定点での撮影を強いられると、やはりズームレンズが適しているという結論になると思います。

サッカー114-10.jpg

上の写真
1DX MarkⅡ+EF300mm F2.8 L IS
絞り優先AE 中央重点平均測光 シャッター速度 1/1250 F3.2 ISO 6400  焦点距離 300mm
下の写真
1DX MarkⅡ+EF70-200mm F2.8 L IS Ⅱ
絞り優先AE 評価測光 シャッター速度 1/640 F3.2 ISO 6400  焦点距離 150mm

サッカー114-07.jpg

複数のコートで並行して試合が行われるような大きな施設の場合、コートによって光量が変わることは前述しました。それに加え、コートをどの方向から撮るかで、露出が変わる場合があります。試合が始まれば移動ができないのなら、試合前にコートを一周グルっと回って、それを確認できる時間を設けたいところです。背景が黒いカーテンなんかだと、測光モードによっては、カメラ側が露出不足と判断してしまう場合もあります。以下に作例を挙げます。

サッカー114-04.jpg

上の写真
1D MarkⅣ+EF70-200mm F2.8 L IS Ⅱ
絞り優先AE 評価測光 シャッター速度 1/250 F3.2 ISO 3200  焦点距離 200mm
下の写真
1D MarkⅣ+EF70-200mm F2.8 L IS Ⅱ
絞り優先AE 評価測光 シャッター速度 1/500 F3.2 ISO 3200  焦点距離 200mm

サッカー114-05.jpg

この2枚の画は同じ試合で撮ったものです(ノートリミング)。どちらも同じ場所から撮っているのですが、レンズを向けた方向は大きく違います。上の写真は、選手の背景に黒い部分(施設のドア)が映り込んだため、画面全体で測光を行う評価測光の設定では、カメラがシャッター速度を落としています。下の写真は背景にそれが無いので、シャッター速度は撮影者の予定した速度で撮れています。
下の写真
1D MarkⅣ+EF70-200mm F2.8 L IS Ⅱ
絞り優先AE 評価測光 シャッター速度 1/200 F3.5 ISO 3200  焦点距離 200mm

サッカー114-06.jpg

上の写真は同日別の試合で撮ったもの(ノートリミング)ですが、この画も背景に暗い部分が大きく映り込んだために、評価測光ではシャッター速度が落ち、しかも露出補正をマイナスにしているにも関わらず、狙った選手の上半身ユニフォームは飛び気味になってしまいました。
では、こうした常にレンズを振っての撮影となる場合、評価測光はミスチョイスなのでしょうか。常に狙う選手を中央に捉え続ける自信が有れば、部分測光という選択もアリかと思いますが、フットサルのような動体撮影の場合「大外し」の危険性もあります。シャッター速度が落ちるのを避けたいのであれば、シャッター速度優先AEで撮るか、カメラ側のシャッター速度の下限を設定する、といった方法が思いつきます。不測な白飛びを避けるために、露出補正をマイナスにしておき、できればRAWで撮るという方法もあるでしょう。いづれにしても、サッカーよりも周りの環境に左右されやすい(背景との距離が近い)屋内競技を定点で撮るのですから、自身のカメラ機能を理解した上で、試合開始前に設定の準備を怠らないことが必須だと思います。

サッカー114-08.jpg

上の写真
1D MarkⅣ+EF70-200mm F2.8 L IS Ⅱ
絞り優先AE 評価測光 シャッター速度 1/1250 F3.2 ISO 5000  焦点距離 200mm
下の写真
7D MarkⅡ+EF70-200mm F2.8 L IS Ⅱ
絞り優先AE 評価測光 シャッター速度 1/500 F3.2 ISO 5000  焦点距離 200mm

サッカー114-09.jpg


nice!(3)  コメント(3) 
共通テーマ:趣味・カルチャー