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EF400mm F2.8 L IS Ⅲ(その2) [カメラ機材]

ヨンニッパ購入記の第二回目です。今回はちょっと、キヤノンのヨンニッパを振り返ってみたいと思います。

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キヤノンが電子マウントのEFレンズを世に送り出して最初のヨンニッパは、1991年のEF400mm F2.8 L USMです。その後、1996年に蛍石を採用したⅡ型にモデルチェンジ(私が最初に手にしたヨンニッパです)。そして、手振れ補正機能のISを搭載した、IS付きⅠ型が登場したのが1999年のこと。ここまでは、約10年の間に3モデルが登場する速さでした。きっとデジタル一眼レフカメラの登場で、技術革新が速かったのでしょうね。次のIS付きⅡ型が登場するのが2011年ですから、12年のスパンがあります。この頃には、一眼レフカメラは全てデジタルになっていましたから、従来のフィルムカメラでの使用は全く考える必要無く、デジタルでの使用に特化したモデルとして、蛍石レンズも2枚使用し、コーティングも変え、1520gの大幅な軽量化も施した、満を持した感じのモデルチェンジでしたから、ここからⅢ型までは少し間があると思われていました(少なくとも私は)。それが7年後の2018年にⅢ型が登場します。7年という月日は「性急すぎる」という長さではなく、十分基礎研究ができる長さですから不思議ではないのですが、理由の一つには、今後ミラーレス化を推し進めるため、製品化が完了しつつあるレンズを早急に送り出し、以後はRFマウントに注力するため、と考えられます。そう考えると、EFマウントのヨンニッパはこのⅢ型が最後かもしれない、との考えが浮かびました(あくまで私見ですが)。
もう一つの理由として、ソニーのヨンニッパの登場が挙げられます。SONYの「FE 400mm F2.8 GM OSS」が2018年6月に発表され、9月から発売開始されました(受注生産のようですが)。そのスペックで驚異なのは、世界最軽量をうたう2895gの重量と160万円(税抜)という価格。キヤノンのIS付きヨンニッパⅡ型の3850gに比べ1kg近く軽量化したのには、キヤノンも驚いたはずです。そこですかさず、同年2018年末にキヤノンは、2840gのⅢ型を登場させた訳です、価格も168万円(税抜)で。僅か55gの差とはいえ、最軽量の称号を奪還しましたが、価格もⅡ型に比べ40万円ものアップとなってしまいました。

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さて、上にに各レンズの構成図を載せてみました。私はキヤノンの技術者ではありませんし、そういった知識が豊富でもありませんので、あくまで素人の眼で見ての推測ですが、Ⅰ型からⅡ型への変更は、もちろんモデルチェンジには違いないのですが、レンズ構成的に同じ考え方での進化のように思えます。それなのに、1520gも軽量化しているのですから、その努力は並大抵のものではなかったと思いますし、故に12年の時間が必要だったのでしょう。そのⅡ型からⅢ型へのモデルチェンジは、レンズ構成も大きく変わり、最前面のレンズが大きいことは変わりませんが、その他のレンズをよりマウント側(後方)に配置しているのが分かると思います。これは、口径の大きなレンズ=重いレンズを少なくし、口径の小さなレンズ=軽いレンズの枚数を増やすことで軽量化を図った結果だと思います。同様の考え方は、ソニーのヨンニッパでも見られますから、Ⅱ型を登場させる際にギリギリまで軽量化してしまったので、これ以上の軽量化を図るには構成レンズ自体を小さくするしかなかった、ということでしょう。実はこのキヤノンのヨンニッパⅢ型と同時に発表・発売されロクヨンⅢ型(EF600mm F4 L IS USM Ⅲ)のレンズ構成図を見てみると、Ⅱ型に比べて同じように構成レンズがマウント側(後方)に配置しているので、構成レンズの小型化で軽量化を図るという同様の考え方で設計されたように思われます。
ユーザーとして、レンズの軽量化は歓迎です。Ⅰ型を丸11年使ってきた私は、撮影時はもちろんのこと、移動の段階から気合と体力勝負だったのですが、大きさは変わらずとも、このⅢ型はⅠ型の半分近い重量になったのです。しかも、外観はキヤノンの今風の色になりましたが、決して高級感を損なってはいませんし、キヤノンLレンズのオーラは感じます。しかし、軽量化で得られる画のクオリティが落ちたのでは意味が有りません。実写してみてどうか、が重要ですね。それは次回に。

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