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サッカー撮影134(単独vs絡み その4) [サッカー撮影]

今回は身体的接触(フィジカルコンタクト)が有る、いわゆる「絡み」の画について書いてみたいと思います。まずは下の画(ノートリミング)を見てください。

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この上の画は身体的接触(フィジカルコンタクト)を伴う、いわゆる「絡み」の画に違いないと思うのですが、両選手の顔が分かりません。連写でこのシーンを押さえたのですが、結局ボールが両選手から離れるまで、撮影者からは両選手の表情を写し撮ることはできませんでした。「絡み」のシーンに魅力を感じて、それを狙って撮ったとて、必ずしも使える画になるとは限らない、という点は前提として理解していただきたいと思います。

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さて、今回の掲載画像はどれも、撮影者が狙う選手に対して相手チームの選手が体を接して競り合う画です。体が接しているので、被写界深度内に両者が入っているものもありますし、(一見するとそう見えても)微妙に外している画もあります。ただし、主たる選手の表情はしっかり撮れていても、それに絡む相手選手の表情ははっきりしません。たとえそうであっても、撮影者が撮りたい選手(主たる被写体)に対してピンが来ていて、それに絡む選手が写り込み、更に身体的接触(フィジカルコンタクト)があれば、元々の選手の闘争心だとか必死さ、懸命さが際立つ場合が多いです。

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試合時間が60分であれ90分であれ、このような絡みのシーンばかりが連続してピッチ上で行われている訳ではありません。しかし、このような絡みの画に魅力を感じたならば、そのような一瞬を逃さない集中力が必須なのは当然です。もちろん試合中の選手の動きを完全に予想できる訳でもなく、ピント合わせが非常に難しいと思われます。ここで重要なのは、狙う選手をしっかり見定めてピントを追従させて撮ることです。絡む選手を一塊として撮らないことです。こういった絡む画を撮りたいが故に、敢えて被写体深度を稼ぐために絞って撮る方もいますが、それでは上達はありません。被写界深度は絞りも影響しますが、被写体との距離にも左右されます。広いピッチ上を前後左右に不規則に動く選手が被写体です。それは撮影者と被写体との距離が常に変化していることを意味します。その場面・位置によって常に絞り値を変化させて撮る力量をお持ちの方なら無用な提言ですが、そこに注力するなら、一瞬の変化に対応する集中力をプレイする選手に向ける方が結果が伴うと思うからです。ただし、自らの使用機材とその設定、そして被写体との距離によって被写界深度がどのくらいであるか、それを頭ではなく感覚として身に付けれるようになれば、もうこんな記事を読む必要も無いでしょう。

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サッカー撮影が試合中の選手を撮るということであれば、それは人物撮影である」これはこのブログで何度も書いてきたことですが、人物撮影であるならば表情が出る顔はぜひとも欲しい。でもこのような絡みの画では(一番最初の画のように)なかなか難しい場合が多い。「ボールばかり見ないで顔をあげて!」とか、「撮影場所がもうちょっと違っていたら」といった考えが過るかもしれません。ですが、そんな考えは試合終了後にして、試合中は集中力を切らさず選手を追うことが次にチャンスを逃がさないことに繋がると思ってください。予測できない動きの選手を撮るのですから、撮影が限定された場所から撮るのですから、試合中の全てのシャッターチャンスを得るというのは、(それを望んでいたとしても)事実上無理なことなのですから。そしてチャンスと思ってシャッターを切ったとて、こういった絡みの場合は表情が撮れる確率は決して高くは無いのです。それでも試合中は選手と同じように果敢に挑み、(これは以前にも書きましたが)撮影した写真の平均値を上げるようにすることが良作を得る近道、だと私は思っています。

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サッカー撮影133(単独vs絡み その3) [サッカー撮影]

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前回は一枚の画に一人の選手しか写っていない「単独」について書きました。今回は一枚の画に複数人が写っているが、「絡み」とは言えない画について考えてみたいと思います。

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サッカーがチームスポーツである以上、主たる被写体の他に相手選手やチームメイトが写り込むのは普通です。ただ、その他選手が完全に背景の一部になっているような写真はここでは除きます。撮影者が狙う選手のプレイに関与して、プラス効果を生む他選手の映り込みは、「絡み」ほどではないにしても、サッカー写真らしい撮影者が欲しい画でしょう。掲載の画はどれも、主たる被写体(撮影者が狙った選手)の前や後ろにチームメイトや相手選手が写り込んでいますが、身体的接触はありませんから「絡み」とは言えないでしょう。この「プラス効果を生む他選手」というのは難しく、別に表情(顔)が撮れている必要は無いのですが、たとえば目を閉じていたり、緊張感の無い表情だった場合は、プラス効果を生んでいるとは言い難いですね。

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この場合、もちろん主たる被写体にしっかりピントを合わせれば、写り込んだ他選手は(条件にもよりますが)被写界深度から外れる場合もあるでしょうが、むしろそれは主題をハッキリさせる効果は出ると思います。それに、写真としての奥行き感を表すのに加担している、とも言えると思います。単独の場合は狙った選手にしっかりピンが来ていることを確認して連写すればよいのですが、この程度の複数選手の映り込みでも、試合中のサッカー選手は複雑な動きをしているので、思った所にピントが来ない場合もあります。その点で、前回の単独よりは撮影の難易度は上だと思われます。

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ただ、サッカー撮影をしている方にはお判りでしょうが、これらの写真は単独写真の延長線上の範疇にあります。一人の選手を追いかけ、シャッターチャンスをうかがい、そして狙って切り撮った結果だとしても、狙った選手も前後に入って来る味方選手や相手選手も、不規則な動きをする動体です。偶発性を完全に排除することはできないでしょう。しかし大切なことは、前後に入って来る味方選手や相手選手に惑わされることなく、狙う選手にしっかりピントを追従させて撮ることです。そして狙った選手以外の人物がファインダー内に入り込んできた時に、画としてどのような効果を生むのか、主たる被写体に対してどのように作用するのかを知識として持ち、経験を蓄え、価値を判断できる冷静さを持つことは重要だと思います。私はチャンスと見れば、5連写でも10連写でもしますが、無価値と思えば連写中でもシャッターボタンから指を離します。

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サッカー撮影132(単独vs絡み その2) [サッカー撮影]

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前回は、一枚の画に一人の選手しか写っていない「単独」と、相手選手との競り合いが写っている「絡み」の作例を、同選手で比較掲載しましたが、いかがだったでしょう。こうして並べて見れば、「絡み」の方により魅力を感じた方が多かったのではないでしょうか。では、その「単独」の画というのはダメなのでしょうか、撮る価値が無いのでしょうか。今回はそんな単独の画について記してみたいと思います。

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サッカーという競技が、一つのボールをゴールに入れることを目指して競り合うスポーツというなら、そのボールを競り合う場面がサッカー写真としてインパクトのある画になる可能性が大です。しかし選手同士の体が触れ合う程に接近する、そんな場面ばかりが試合中に常に行われる訳ではありません。いやむしろ、単独でボールを扱っている時間の方が多いはずです。この点は、バスケットボールやハンドボールよりずっと広いピッチを使っていることにも由来しますし、それらの競技より試合時間の長さにも遠因が有ると思います。それ故、「絡み」だけを狙って撮れば、たとえ90分の試合時間だとしても、撮影枚数的にはかなり少なくなってしまいます。その「絡み」にしても(後述しますが)、撮れば必ず良い(満足できる、価値有る)写真になるとは限りません。それに加え、1チーム11人で競うとはいえ、選手によって(ポジションによって)撮影枚数のバラつきがどうしても出てくるのがサッカー撮影です。絡みだけを狙って1試合撮って撮影枚数が少ないと、そのバラつきがさらに顕著になり、これはチーム撮りをしている方にとっては致命的になるやもしれません。たとえ相手選手との絡みが無く単独であっても、それは試合中の選手のプレイに違いなく、それをしっかり撮っておくことは必要なことだと思います。

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では、そんな単独写真に於いて重視すべきはどのような点でしょうか。ボールを画の中に入れたいのは前提です(サッカー撮影98・99で書きましたが、ボールが無ければダメという訳ではありません)。それは(先に述べたように)ボールをゴールに入れる競技で、ボールを扱っているシーンは、その選手のプレイ中である証明であるからです。それに加え、サッカー撮影は動体撮影で、その一瞬を切り撮るのですから、たとえ単独と言えど、その選手の体から躍動感や力感を感じさせる画であれば、十分価値有る画になると言えないでしょうか。更に、「サッカー撮影が試合中の選手を撮るということであれば、それは人物撮影である」と前回書きましたが、人物撮影に於ける最重要は「顔」でしょう。選手の表情から真剣さや闘争心が感じられるなら、これも十分価値有る画を言えないでしょうか。

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ただし、如何に人物撮影とはいえ、撮影会でモデルさんを撮るのとは違います。こちらからポーズや表情のリクエストはできないのです。躍動感・力感・真剣さ・闘争心と書きましたが、いつ、どの瞬間がその選手の貴重なシャッターチャンスになるのか分かりません。選手の表情など、カメラの連写速度以上の速さで、一瞬で変わります。けれどここはカメラの性能を信じて、連写機能に頼って良いと思います。たとえ1連写で5枚撮って、その中で使える写真が1枚しか無かったとしても、です。

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