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サッカー撮影131(単独vs絡み その1) [サッカー撮影]

今回から「単独vs絡み」というテーマで、画を交えながら私見を書きたいと思います。

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「サッカー撮影が試合中の選手を撮るということであれば、それは人物撮影である」、これか過去に私が書いてきたことです。この試合中の選手といっても、ただ単に立っている、走っている選手だけだと、サッカー写真というには物足らない。やはりここは、画の中にボールを入れてこそサッカー写真となると思いますし、「ボールが有る所にシャッターチャンス有り」と、これも過去に書いてきました。そこで、ボールを入れたとしても、一枚の画の中に選手が一人の場合と複数人が写り込んでいる場合とでは、どのように違うでしょうか。これが今回のテーマです。

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まずは上の①の画を見てください。もちろん、試合中の選手の画ですが、選手の動き自体は俊敏ではなく緩慢ですので、ピント合わせも容易ですし、こうした画を撮ること自体は難しくありません。チーム撮りをしている方なら、この選手の写真として最低限一枚は押さえておきたいところでしょう。でも、画の中にボールが有りませんね。そこで②の画です。

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今度は同じ選手と言えど、ボールが画の中に有りますし、この選手が試合中にボールを扱っているシーンですから、十分サッカー写真として成り立つと思います。試合中の真剣な表情は、家庭などでは決して見せないでしょうから、保護者の方にとっても欲しい画になるかもしれません。では下の③の画です。

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③の画は同じ選手の試合中の写真で、ボールもしっかり入っています。それに加え、そのボールを競り合う相手選手も写り込んでいます。この③の画は、試合という勝負の場の一瞬を切り撮った一枚と言えると思いますが、いかがでしょう。

今回から、一枚の画に一人しか写っていない「単独」と複数の選手が写り込む「絡み」について書き進めたいと思います。もちろん、あくまでサッカー写真として、が前提です。

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卒団・卒業の時期ですね


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サッカー撮影130(機材の更新 後編) [サッカー撮影]

前回の続き、私の経験談です。

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これももう随分前の話です。サンニッパ(EF300 F2.8 L IS無しのⅢ型)+純正1.4x(換算420mm)で撮り続けていたが、こうなるとヨンニッパに目が行ってしまう。400mmでF2.8の描写力はどうだろう、テレコンを使わないのだから歩留まりはさらに上がるのではないか、と。そこでネット上を徘徊していると、中古の旧型ヨンニッパ(EF400mm F2.8 L IS無しのⅡ型)を発見してしまった。見つければ欲しくなる。サンニッパより遥かに高価なこの中古レンズに、思い切って投資してしまった。いざサッカー撮影に持ち出して見ると、全然良くない。サンニッパ+純正1.4xの方が断然描写力が良いではないか。高価な投資をして機材の更新を図ったはずが失敗なのか。やはり旧型はこんなものなのか。自宅で何度も試し撮りしたり、カメラの設定を変えたりしたのだが、不満解消に至らず。そこで当時まだ存在した大阪・梅田のキヤノンサービスセンターに相談したら、「送ってください」との返答。厳重に梱包して送り、約半月後に返ってきたヨンニッパは、見違えるような画を出すではないか。サービスセンターでどのような調整がされたのか、子細は書かれていなかったので分からないが、想像するにピントのズレと光軸のズレが有ったのではないか、と推測している。中古機材を使っての更新の場合、その中古の状態は個々で様々なのだと思い知らされる。

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上の写真
1D MarkⅡ+EF400mm F2.8 L (Ⅱ型)
シャッター速度優先AE 評価測光 1/800 F4.0 ISO 100  焦点距離 400mm(換算520mm) RAW

1D MarkⅢ(1D3)が発売開始されたので直ぐ飛びついて購入。しかし、それまでと同じレンズを使って同じように撮っていても、どうにもピント精度が安定しない。歩留まりが悪い。設定が間違っているのか、と思い、取説やムック本の解説書を買ってきて読んだりしたが、どれも一般的な既述ばかりでスッキリしない。ネットで検索したら、同じように1D3のピーキーなAFに悩む記述を見かけたので少しは安堵したが、キヤノンのフラッグシップ機なのだから間違いない筈、自分側に問題があるはず、と試行錯誤。そうするうちに、メーカーからファームウェアのアップデートが告知され、その後も何度かアップデートがあり、自分か慣れてきたことも加味して、ようやく安定して撮れるようになった。

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上の写真
1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS(Ⅰ型)
シャッター速度優先AE 評価測光 1/1000 F2.8 ISO 640  焦点距離 400mm(換算約520mm) RAW
下の写真
1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS(Ⅰ型)
シャッター速度優先AE 評価測光 1/1000 F3.2 ISO 400  焦点距離 400mm(換算約520mm) RAW

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その他にもいろいろありますが、このあたりで止めにしておきます。随分と無駄に遠回りしたように思われるかもしれませんが、逆に機材を更新して、より良い画をより多く得られた例は数限りなく有るので、自分の歩んできた道程が決して間違っていると思っている訳ではありません。サッカーを撮り始めてから18年以上、当初の画を今更見返してみれば、「こんな画で満足していたのか、恥ずかしい」と思うこと、多々あります。それが今では人様に見てもらえる画を撮れるようになったのは、機材を順次更新したのも大きかったと思っています。先にも書きましたように、このサッカー撮影における機材性能の比重は重く、それを更新することで、知識や技量、経験を更に積み重ねることができたと思っています。そして何より、自らのモチベーションや向上心を喚起させる効果も大だと思うのです。

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上の写真
1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS(Ⅰ型)
シャッター速度優先AE 評価測光 1/1000 F3.2 ISO 125  焦点距離 400mm(換算約520mm) RAW
下の写真
1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS(Ⅰ型)
絞り優先AE 評価測光 1/1000 F3.5 ISO 100  焦点距離 400mm(換算約520mm) RAW

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さて、機材の更新について私見を書いてきましたが、この辺りで締めとさせていただきます。制限なく予算を費やせる立場の方を除いて、多くの一般ユーザーは、ベストと考えられる機材から妥協したものでサッカー撮影に臨まなければならないでしょう。そしてメーカーは、機能を充実させ、それに妥当な値段を付けた新製品を登場させ続けます。それは貴方の手持ち機材の陳腐化を招くかもしれません。また、撮り続けることによる知識や経験、技量の蓄積が(それに少しばかりの向上心を加えれば)、新たな機材への要望を貴方に芽生えさせるかもしれません。これら二つの流れによって、手持ち機材の更新を考えることは自然なことであり、間違ったものではなりません。機材の更新の欲望は、貴女自身の成長の証とも言えます。ただ現実的には、如何に渇望しようとも投入できる予算に限りが有る以上、万人がその望みを叶えられるとはいかないでしょう。それでもどうか、撮り続けていただきたい。継続こそが「貴方の撮る画の更新」に繋がると思うからです。

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上の写真
1DX MarkⅡ+EF200-400mm F4 L IS+1.4x
絞り優先AE 評価測光 1/1000 F4.0 ISO 640  焦点距離 229mm RAW
下の写真
7D MarkⅡ+EF300mm F2.8 L IS (Ⅰ型)
絞り優先AE 評価測光 1/2500 F3.5 ISO 100  焦点距離 300mm(換算480mm) RAW

サッカー130-08.jpg




以下は余談です。
「貴方のような高価な機材を買えないから、貴方のような画は撮れない」、そう言われたことがあります。確かに「高価な機材を使わないと撮れない画」というものは存在します。しかし、機材のよって写真の優劣は決まってしまうものでしょうか。その回答は、各種フォトコンテストの結果を見れば分かります。入賞作品は必ずしも高価な機材を使ったものだけではありません。どのコンテストでもそうです。たとえ安価なエントリー機であっても、入賞作品を撮ることは可能なのです。むしろ、最高級機材を手にした者こそ、それに見合った結果を残さなければならない、というプレッシャーを感じているものです(私もそうです)。

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上の写真
1DX MarkⅡ+EF400mm F2.8 L IS Ⅲ
絞り優先AE 評価測光 1/1000 F2.8 ISO 6400  焦点距離 400mm RAW
下の写真
1DX MarkⅡ+EF400mm F2.8 L IS Ⅲ+EF1.4x Ⅲ
絞り優先AE 評価測光 1/1250 F4.5 ISO 125  焦点距離 560mm RAW

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サッカー撮影129(機材の更新 中編) [サッカー撮影]

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どの段階から(どのような機材から)サッカー撮影を始めたかは個々人によって異なると思いますが、撮り続けるうちに(ほぼ必ず)機材の更新が頭に浮かぶことになるかと思います。その動機として具体的には、
・もっと選手を大きく撮りたい(焦点距離の伸長)
・ピントの合った画がもっと欲しい、歩留まりを上げたい(AF性能の向上)
・決定的シーンを連続して欲しい(連写速度)
・背景をもっとボカしたい(開放F値の明るいレンズ)
・詳細・緻密な画が欲しい(解像度)
・トリミングしても印刷に耐ええる画が欲しい(記録画素数の増加)
etc.
ザっと考えただけでも、上記のような要望が湧き出ることでしょう。そして、(前回にも書いたように)機材にかかる負担が大きいサッカー撮影ですから、この要望に応えるには、撮影者自身の更なる努力より、機材に対する追加投資の方が有効な場合も多いですから、そちらに目が向くのは自然なことです。その際、「最初からコッチにしておけばよかった」「無駄使いをしてしまった」とマイナス思考に陥らないことです。このような要望は、実は貴方自身の成長の証であり、向上心と表裏一体なのですから。また、サッカー撮影を始めた時に、その時点の最大限の投資をされたはずですから、その時に様々な情報を得て、相当悩んで考えて機材を購入したはずです。手にした機材は自然に成長してはくれません。成長したのは、それを使う貴方の方なのです。それ故に、機材の更新に目が向いたのです。成長を促した機材は決して無駄ではなかったはずです。

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上の写真
10D+SIGMA 100-300mm F4 HSM
シャッター速度優先AE 評価測光 1/500 F5.6 ISO 200 焦点距離 300mm(換算480mm) JPEG

さて、ぼんやりとした不満点が上記のような具体的な要望点に代わった時、もう回答に向けた道を見つけることが可能でしょう。大きく撮りたければ焦点距離の長いレンズを、解像度の高い画を欲すれば高画素機を、等々です。現在はカメラ店に足を運ばなければ得られない情報や、導く人が身近にいなければならない時代ではありません。ネット上で幾らでも情報を集めることができます。ただそこで幾つかの注意点が有ります。「新製品が出たから」とか「評判が良さそうだから」という事を機材更新の第一の理由にしないことです(第二、第三の理由になっても構わないと思いますが)。不満点の解消や要望点を満たすため、というのが第一の理由になるように選考するのが結果的に良いと思います。
では、以下に私の経験談を交えながら書いてみたいと思います。

サッカー129-03.jpg

上の写真
1D MarkⅡ+EF100-400mm F4.5-5.6 L IS USM + EF1.4x Ⅱ
絞り優先AE 評価測光 1/1000 F8.0 ISO 250 焦点距離 300mm(換算420mm) JPEG

もう随分前のことですが、ズームレンズ(EF100-400 Ⅰ型)の描写力に満足できず、単焦点のサンニッパ(EF300 F2.8 L IS無しのⅢ型)を購入。焦点距離の不足は1.4xテレコンでカバーすればよい、と思ったからだが、その1.4xテレコンを純正ではなくレンズメーカーのK社のものにしてしまった。価格面で安く、決して評判が悪いわけでもなかったK社のテレコンだったのだが、これが失敗。確かに静物を撮れば問題無いのだが、AI SERVO AFで動体を追って連写すると、1枚目はジャスピンでも2.3枚目に僅かに外し、4枚目にジャスピン、そして5枚目にまた僅かに外す、といった歩留まりが悪い状態。確かに1.4xとはいえテレコンを装着すれば、F値は一段暗くなるし、AF速度の低下を招くことは事前に分かっていたことだが、サンニッパの爆速AFなら大丈夫だろうと高をくくった結果、テレコンをケチって純正以外を選んでしまった失敗例で、その後すぐに純正テレコンに買い替えた。純正テレコンでも外す時は外すが、シビアなAF追従性能を求められるサッカー撮影では、テレコンを使うとしても純正に限る、と思った。

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上の写真
1D MarkⅢ+EF300mm F2.8 L IS(Ⅰ型)USM+EF1.4x Ⅱ
シャッター速度優先AE 評価測光 1/800 F5.6 ISO 160  焦点距離 420mm(換算約546mm) RAW

サッカー129-05.jpg

上の写真
1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS USM(Ⅰ型)
シャッター速度優先AE 評価測光 1/800 F5.0 ISO 160  焦点距離 400mm(換算約520mm) RAW

サッカー129-06.jpg

上の写真
7D MarkⅡ+EF70-200mm F2.8 L IS USM(Ⅱ型)
絞り優先AE 評価測光 1/1600 F3.5 ISO 100 焦点距離 160mm(換算256mm) RAW

サッカー129-07.jpg

上の写真
1D MarkⅣ+EF200-400mm F4 L IS+1.4x
シャッター速度優先AE 評価測光 1/1000 F4.5 ISO 200  焦点距離 400mm(換算約520mm) RAW

サッカー129-08.jpg

上の写真
1DX MarkⅡ+EF400mm F2.8 L IS Ⅲ+EF1.4x Ⅲ
シャッター速度優先AE 評価測光 1/1000 F4.0 ISO 160  焦点距離 560mm RAW


(次回に続く)

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