前回はファインダー内で狙う選手が小さいと、たとえジャンプしたとしても移動距離が小さく、故にレンズを上下に振らなくても対処できる例を載せました。しかしこれが、ある程度以上に大きく選手を捉えた場合は、もちろんレンズを上下に振らなくては、1枚の画に選手とボールを収めることはできません。例えば下の写真です。


上の写真はトリミングしてあります。ノートリミング画像は下の画です。合わせて、連写してますから、AFフレーム(1点指定 領域拡大)を表示させた画も載せましょう。



レンズは単焦点レンズを使っていますから、焦点距離は一定です。背景を見れば分かるように(芝生の部分が徐々に低くなっています)、僅かに上方にレンズを振っています。振らなければ、ボールが画の中に入ってこないかったでしょう。


サッカー写真で、必ずボールを画に入れなければならない、という決まりが有る訳ではありません。しかし、ボールが有るのと無いのとでは、やはりサッカー写真としての見栄え度が違う、と私は思います。例えば下の写真(ノートリミング)。これは選手がジャンプしている写真に違いありませんが、画にボールが無いので、何となく「サッカー写真」と言うには気が引けます。


やっぱり、ボールは欲しいですね。



また、この選手がジャンプしてボールに触るシーンでは、やはり横よりも縦の画の方が見栄えがすると思います。




横だと、どうしても選手を大きく捉えることが難しく、そうなるとピント合わせもシビアになります。トリミングの度合いも大きくなりがち。せっかく選手が懸命にジャンプしているのですから、ここは縦で撮りたいシーンです。