これまでサッカー撮影に於いて私は、「画の中に少しでもボールを入れること」を勧めてきました。サッカーという競技が、広いグランド内で敵味方22人の選手が1つのボールを巡って争う競技であるならば、そのボールに絡む処にシャッターチャンスがあり、サッカー撮影がプレイ中のサッカー選手の撮影だとすれば、ボールに絡む選手に撮る魅力が多いと思うからです。


では、基本はそうだとして、ボールが画の中に入っていない写真はサッカー写真として魅力が無い、撮る価値が無いのでしょうか。今回は、そんな画の中にボールが無いサッカー写真を考えたいと思います。



ボールの無い画でまず思い浮かべるのは、選手の感情を主とした画ですね。ただ、これらの喜怒哀楽の写真のことは以前にも書きましたから、今回は除外することとします。


では、下の4連写した画を見てください。



サッカーを撮っておられる方々には、このような経験はお持ちでしょう。ボールが画に有るのは②ですが、これが使える画かというと、必ずしもそうではない。
もう一例、下の3連写した画を見てください。




ボールは頭上からやって来て、②と③の画には有りますが、実はベターなのは①でしょう。
ボールが画の中に有れば、選手が懸命になっている対象物がはっきりするので、サッカー写真としてのまとまりは確実に良いと思われます。けれど、たとえ画にボールが無くても、選手の動きや表情から、サッカー写真として十分に見られることもあります。今回は、そんな写真を紹介したいと思います。







次回につづきます。