全国的に厳しい暑さが続いてます。連日、新聞紙上でも熱中症で倒れたり、最悪死亡に至った話題が載っています。もうこの暑さは、一日だけならまだしも、こう連日続けば「殺人的」と言って良いのではないでしょうか。熱中症と聞くと、「こまめな水分補給を」という声をよく耳にします。では、こまめな水分補給をすれば熱中症にならないのか、と言えば、決してそんなことはありません。熱中症になった私は、半日で1.5リットルのスポーツ飲料をこまめに飲んでいましたが、それでも熱中症になりました。水分補給は最低限の対策であって、それだけでは十分ではない所まで来ていると思うのです。
最高気温が体温を超えた所が増えています。この最高気温というのは、土の地面で日陰で風通しの良いところで、地面から1.5mの所に設置された温度計で測定されたものです。厳しい日差しが照り付ける学校のグランドや街中のアスファルト路面上では、もっと高温になっているのは誰でも容易に分かると思います。それ故に、「屋外での作業は控え、涼しい屋内へ」と気象庁や環境省、厚生労働省などのお役所は呼びかけています。それでも、小中学校の部活動は行われ、屋内に入ったとて、主に市立・県立の学校教室のエアコン設置率は、あまり上がっていないのが現状です(我が県では約40%とか)。日本は昔のような温暖な国ではなく、朝晩ですら涼しくはなく、エアコンは命を維持する必需品になってしまいました。
この酷暑の日々で、屋内のエアコンの効いた部屋だけで働いている人はどのくらいの割合なのでしょう。屋外で大量の汗を振り撒いて働いている方々もいます(私もその一人です)。そんな、熱中症と常に隣り合わせで働いている人たちがいるからこそ、まだこの国は普通に過ごしていけるのだと思います。これも、日本人的勤勉さの表れなのでしょうか。その勤勉さが、戦後の復興を支え、高度経済成長期を誕生させ、バブル崩壊を生み、それでも先進国の仲間から外れず、今も地球規模の環境問題を世界に提唱できる国に住んでいるのが私達です。「島国根性」と言われるものを良い意味で利用して、連帯感や相互扶助をもって、この厳しい環境に対する必要があるように思えます。
甲子園を目指す高校球児たちの戦いが、連日各地で行われています。来月には高校総体も行われますが、高校総体はサッカーだけでなく、多くのスポーツ競技の全国大会の総称です。その出場権を手にした選手達は、きっとどんな環境でも全力を振り絞ることでしょう。でも、そんな過酷な暑さの中で頑張ることを美徳とし、褒め称えるだけで良いのでしょうか。高校生だけではありません。明日から夏休みに入る小学生や中学生が多いと思います。死に至る危険性のある酷暑であることを、周りの教師や指導者、親、そして公の立場の人などの大人が理解し、元気に二学期の始業式を迎えられるようにして欲しいものです。その始業式の日も、きっとまだ酷暑だと思うからです。