あれほど夏を謳歌していた蝉たち

その声が届かなくなったのは

いったい いつからだろう

巡る季節が彼らから

主役の座を奪ったに違いない

いや 私達よりずっと

移ろい行く季節に敏だから

身を処す機を誤らないからだろう



空を見上げ 汗をぬぐう私たち

肌を焼く陽が落ちるのが

早くなったのは いつからだろう

たとえ巡る季節を感じても

それでもこの地に佇み続ける

移ろい行く季節に耐えてでも

生き行くことは美辞なのか

それとも求める欲ゆえか



春夏秋冬 季節は巡る

巡る季節の中で 今少し

此の地に留まり処する我の身に

許しを乞いたいと 今は思ふ