世界最大の写真機材見本市「フォトキナ2012」が、ドイツ・ケルンで9月18日より開催されていることは、カメラを趣味としている方々は、既にご存じの事と思います。これを期に、各社が一斉に新製品を発表したり、開発予定機種を公表したりするので、我々としてはワクワク楽しみでもあります。キヤノンユーザーの私としては、6Dの発表にはもちろん注目しましたが、もう一点、気になる発表がありました。それはレンズメーカー(カメラボディも作っているので、純粋なレンズ専業メーカーではありませんが)のシグマから発表された内容です。

http://www.sigma-global.com/jp/lenses/cas/
今後、同社の交換レンズは特徴をよりわかりやすくするため、3つのプロダクトライン「Contemporary」、「Art」、「Sports」に統合していくとのこと。第一弾として、各カテゴリーに1本づつ、
17-70mm F2.8-4 DC Macro OS HSM
35mm F1.4 DG HSM
120-300mm F2.8 DG OS HSM
が発表されました。
デジタル一眼レフカメラの高画素化がここまで進み、しかもフルサイズセンサーを使った機種の拡販が今後予想される現状、サードパーティ製レンズといえども、中途半端な製品を出していては生き残りができない、という表れ(決意かな)でしょうね。キヤノンユーザーとしては、EFレンズのリニューアルの足取りがイマイチ遅い状況では、これは歓迎すべきでしょうね。

さて、実は私が注目したのは、その3本のレンズではなく、レンズとパソコンを接続して、さまざまな機能拡張ができるシステムも発表したことです。レンズとパソコンを専用USBドック(2013年初期に発売予定)を介して接続し、レンズの持つファームウェアの更新や、無償ダウンロードできるソフトを使って、ピントの微調整やファーカスリミッターの設定などがユーザ自身でできる、というらしいです。これまで、キヤノン機の一部に搭載されているマイクロアジャストメントは、レンズごとに補正値を記憶できましたが、補正値は一定でした。それを一歩進め、ズームレンズで焦点距離別にフォーカスアジャストメントが設定できるシステム、らしいです(詳細なことは分かりませんが)。今やレンズは電子デバイスの一つになりましたが、「ここまできたか、それもサードパーティのシグマで」と驚いてしまいました。
もちろん詳細なことは分かりませんし、実際に使って見ないことには、その熟成度・完成度によってはマイナス評価になる事もあろうかと思いますが、シグマ社の意欲的な姿勢には好感が持てると同時に、発売延期を繰り返すメーカーには、より一層の奮起を期待したいところですね。