暑さに呻いていたのは何時のことか

肌を焼く陽は、斜光に変われども

程よい気候を楽しむ余裕も無く

近づく冬の足音に、身構えるばかり



季節の移ろいに身を任せ

何とかここまで来たけれど

軌道を外れた身なれば

何処に足跡を残してきたのやら



色付く葉は花ではない

未来を謳歌する花ではない

去り逝く定めのその前に

僅かに証を示したかっただけ



佇み続けることなど許されぬ

そう思って歩を踏み出すが

僅かな風にもコートの襟を立てる

暮れゆく秋が、身に染み入る