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GSX-R 600 (L3) その1 [車・バイク]

朝5時起床、いつもの峠に行く。折り返し地点は、山間の渓谷を堰き止めたダムの駐車場。その日着いてみれば、先客がいた。ネイキッドのナナハンと思えるバイクに乗ったライダー。後頭部で結わえた髪は白かったから、たぶん私より年長だろう。ライダージャケットを着て、ライダーブーツを履いて乗る人には好感が持てる。
「どうだい、水が出てた?」
と、山を下りてきた私に聞く。
「ええ、一か所、いや二か所かな。いつものところですよ」
この峠には斜面から伏流水だろうか、道路に流れ出て川になっている所がある。天候は晴れだが、コーナリング途中でいきなりウエット、は気を付けなければならない。
「お一人でツーリングですか?」
どう見ても通勤や仕事の感じには思えないので聞いてみた。
「もうすぐ定年でね。今は溜まった年休を消化しているところだよ」
平日の早朝なのだから、確かにそんな感じに見えて合点がいく。
「そのバイク、速いだろう」
「ええ、でもまだ全然乗りこなせない」
「そんなきついポジションのバイク、俺には無理だ。よく買ったね」
私の歳も察しがついたのだろう。
「たぶん、今しか乗れないだろうから」
とだけ答えて苦笑。
そんな十数分の会話の後、彼を残して私は再度、峠に戻っていった。

キッカケは、愚息2号がバイク(CB400 SB)と共に帰郷したこと。そこから「リターンライダーになる!」、そう決心して半年が過ぎました。「自分のバイクを持ち、それを自在に操れてこそ、リターンライダーと呼ばれて相応だと思います」と以前に書きました。自在に操るという点ではまだまだ志半ばですが、ここで何故このバイク、「SUZUKI GSX-R 600(L3)」を選んだか、から話を始めたいと思います。
自分のバイク購入に心が向かってから、三十数年ぶりの返り咲きですから、現在のバイク状況を改めて眺めてみました。すると、当時と今では大きく違っていて、私の持っている中型自動二輪(今の普通自動二輪)で乗れる400ccまでのバイクで心を惹きつけられるものが無く、あの頃憧れだったナナハンは随分縮小されていました。ちょうどその時、たまたま寄った店にあった、HONDA CBR600RR 跨ってみて「コレだ!」と心ときめいた故に、大型自動二輪の免許取得にチャレンジして、四苦八苦の甲斐あって何とか手に入れたこと。以上のことは、「リターンライダーへの道」として書かせていただきました。さて免許を手にしたら、次は自分のバイク選びです。
自分のバイクを手に入れてどうするか?
・仲間とツーリングに出かける(NO 群れるのはキライ)
・通勤に使う(NO 通勤は自転車で十分)
・日常の買い物などの移動手段に使う(NO それには荷物が載せられる車を使うから)
・観光地などの風光明媚なところを走ってみたい(NO 楽に楽しめる車を使うでしょう)
・サーキット走行したい(NO 還暦の私には体力的に無理)
じゃあ、自分のバイクを手に入れてどうするのか? それはちょっとストイックな理由でして、
・三十数年前に峠通いをしていた感覚をもう一度取り戻したい
・現代のバイクを今の自分がどこまで操れるか、性能を堪能できるか、試してみたい
この2点が購入目的なのです。一言で言えば、還暦の自分自身への挑戦。そこで私のバイク選びのポイントは、
・手に入れても年間走行距離は多くないだろうし、この先何歳まで乗れるか分からないので、中古車で十分
・走る気にさせるスポーツ系バイク一択
・完全に趣味なので、自分がカッコイイと思えるもの(フルカウル)
・4気筒車
この条件で、ネットやバイク店を徘徊してみました。排気量の制限の無い大型免許保持者になったので、この際は排気量を考慮せずにバイクを選べます(予算には制限アリ)。スポーツ系バイクの頂点は、MotoGPのベース車であるリッタークラス(1000cc)なのですが、実車を見て「コレは無理」と即断。私には、大きすぎ・重すぎ・パワー有り過ぎ・高価過ぎ、です。もちろん、1000ccを超えるような大型バイクも無理です。かといって、400cc以下にはそれらしい車種を見つけられない。そうなると、やはり600ccクラスのスポーツ系バイクになってしまいます。このミドルSS(SSはスーパースポーツの略)には国内4メーカーの車種が揃っています。ホンダの「CBR600RR」、ヤマハの「YZF-R6」、スズキの「GSX-R600」、カワサキの「ZX-6R」です。海外メーカー製は予算的に無理なので除外としましたから、この時点でこの4車種に絞って、中古車で検討してみました。ただ、この600ccクラスというのは国内では不評のようで、日本国内で正規販売されていない車種があります。それでも今ではネット検索で簡単に探せますから苦労は無いのですが、実車を見ないで選ぶという点は中古車だけに不安。でも地方在住者としては、全国チェーン店で探して取り寄せてもらうしかありません。中古バイクというのはアンチな話も多いのですが、ここは全国展開しているショップを信頼するしかないですね。

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