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全国高校総体 撮影後記(前編) [写真・撮影]

このブログの更新、随分間が空いてしまいました。この間に私が何をやっていたかと言いますと、全国高校総体で撮った9200枚余の写真(全てRAW)と格闘していました。そしてその作業も終わり、提出すべき所にも送って、やっと一息入れているところです。

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今回の全国高校総体サッカー競技は、出場55校が県内4か所(四日市・鈴鹿・伊賀・伊勢)計10面のピッチを使って計54試合が行われました。それら全てを撮ることは不可能だとしても、我が県代表2校の試合を優先し、その後はなるべく多くのチームを撮ることを目的に頑張ったつもりです。35分ハーフの70分の試合時間で6日間で9200枚は、平均すれば1日当たり1500枚余になります。この枚数自体はごく普通だと思うのですが、今夏の酷暑の中で、しかも連日となると、これがなかなかにハードで、1日2試合撮るのが精一杯でした。
さて、我が県で行われて貴重な全国大会です。今回の撮影について思った事・気付いた事を書き残しておこうと思います。以下に箇条書きにしてみました。

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■全ての試合を撮ることができないと分かっている以上、撮る試合をチョイスしなければなりません。その際(我が県代表校の試合は最優先として)、天然芝のグランドでの試合を優先しました。全国大会ですから、全ての試合が天然芝グランドで行われるのが本来だと思うのですが、我が県のプアーな施設環境では、一回戦・二回戦では人工芝グランドも使用されました。炎天下での試合が予想されるなか、人工芝の反射光と反射熱が機材、特にオートフォーカスに与える影響が大きくなる事、空気の「ゆらぎ」の影響、そしてその傍らで撮る身にも過酷であること、それらを考慮して、天然芝グランドでの試合を優先しました。結果的にはそれは正解だったと思います。
■今回、大会関係者から試合中のプレイ写真を撮る場所として指定されたのが、以下の青い部分です(あくまで概略図です。正確な縮尺ではありません)。

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サッカーは常にボールと選手が動くスポーツ。この場所(四角いピッチの短辺)から撮ると、被写体はピッチ奥から手前に向かって動く被写体を狙うことになります(逆に、手前から奥へは選手の後ろ姿になることが多い)。この場合、1DX2+EF400 F2.8 L IS では、選手とボールがハーフウェイラインを超えて更に十数メートル進んでくれないと、思うような大きさで捉えられません。更に400mm単焦点レンズだと、ゴール前の攻防を撮るには長すぎる。両方のチームの選手の良いシーンをなるべく多く撮りたい場合には、これはなかなか使いづらい組み合わせです。

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■で、「ここはズームでしょう」ということで、EF200-400 F4 L IS を持ち出したのですが、さてどのボディと組み合わせるか。フルサイズの1DX2と組み合わせれば、選手か近くても引いて撮ることはできますが、全体的には焦点距離不足を感じフラストレーションを生みそうなので、APS-H機の1D4と組み合わせて撮ることにしました。結果的に今回の撮影で一番多く撮った機材組合せがコレとなりました。1DX2より様々な面で劣る1D4を、1DX2を持っているにもかかわらず持ち出したのは、APS-H機だったことが理由です(まあ、この為にメーカーに送ってメンテしたのですから)。
■「EF200-400 F4 L ISにはワンタッチで切り替えられる1.4xが付いているのだから、それを使えば1DX2でイイじゃないか」と思われた方もいらっしゃると思いますし、私もそう思って使ってみました。けれど、爆速のヨンニッパに比べれば若干AF速度の劣るEF200-400が更に遅くなること、開放F値がF5.6になる背景のボケのうるささ、そしてやっぱり鮮鋭感が薄まること(後述する夏場特有の理由もあって)、等の理由により、「完調の1D4が手元に有るなら、それと組み合わせた方が結果が良いのでは」という思案の結果です(もっとも、1DX2の設定について煮詰めが足らなかったこともあります)。

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■EF200-400 F4 L ISにAPS-C機の7D2を組み合わせたことも有りました。それは主に我が県代表チームの試合でしたが、フルサイズ換算320mm~640mmは、より広くピッチ上をカバーしてくれるので、より多くの選手を撮れるからです。この場合、内蔵テレコンの使用は無し。APS-C機にF4ズーム+テレコンは、背景がうるさくなりますし、鮮鋭感が薄まり(後述する夏場特有の理由もあって)、7D2のAFでもピント位置が不確かになることが予想されたためです。
■それでEF200-400 F4 L IS+7D2は、出場全選手を撮りたい時や、前半だけ(後半だけ)で両チームの選手を撮りたい時に使いました。ただし、逆光が予想される試合では、APS-C機の7D2のダイナミックレンジでは心許ないので、他の組合せを使いました。

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巡り行く夏 [巷の雑感・時の想い]

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あれほど夏を謳歌していた蝉たち
その声が届かなくなったのは
いったい いつからだろう
巡る季節が彼らから
主役の座を奪ったに違いない
いや 私達よりずっと
移ろい行く季節に敏だから
身を処す機を誤らないからだろう

空を見上げ 汗をぬぐう私たち
肌を焼く陽が落ちるのが
早くなったのは いつからだろう
たとえ巡る季節を感じても
それでもこの地に佇み続ける
移ろい行く季節に耐えてでも
生き行くことは美辞なのか
それとも求める欲ゆえか

春夏秋冬 季節は巡る
巡る季節の中で 今少し
此の地に留まり処する我の身に
許しを乞いたいと 今は思ふ



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全国高等学校総合体育大会 男子サッカー競技大会(後編) [写真・撮影]

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我が県で全国高校総体(インターハイ全国大会)が開催されていることは、前回書きました。8月6日に開会式が行われ、翌日から出場55校が県内4か所(四日市・鈴鹿・伊賀・伊勢)、計10面のピッチを使って試合が行われ、そして8月13日の決勝戦で幕を閉じました。既にご存知の方もいらっしゃると思いますが、優勝は山梨県代表の山梨学院でした。

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決勝戦はその山梨学院と神奈川県代表の桐光学園の一戦でしたが、ファイナルに相応しい好試合だったと思います。先行したのは桐光学園。前半のクーリングタイム直後にヘッドでキレイに一発。しかし後半に入って山梨学院が攻勢。気温35度の中で徐々に足が止まりつつあった後半アディショナルタイムに同点弾。決勝戦だけは同点の場合、延長戦(10分ハーフ)になることを知っていましたが、まさにその展開。その延長戦でもしっかり走り切った山梨学院が、混戦からのオウンゴールを誘って、これが決勝点となりました。優勝した山梨学院は一回戦からの登場ですから、この酷暑の7日間6試合を勝ち抜いて(PK勝ちが2回)のインターハイ初優勝です。これは素直に賛辞を送れる結果だったと思いました。

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さて私の撮影ですが、我が県勢が両校とも初戦で敗退したので、その後はなるべく多くのチームを撮ることに目的を変更。試合が並行して行われた会場では、前半をAピッチ、後半をBピッチ、といったように移動しながら撮り続け、準々決勝からは腰を据えて試合展開を見ながら撮り、そして決勝戦&閉会式を撮って今大会の撮影を終了しました。前回、「10000枚ちかくなるかも」と書きましたが、結果は約9200枚でした。はっきり言って、非常にハードで充実した一週間でした。
撮影に使った機材は、
・1D MarkⅣ
・1DX MarkⅡ
・7D MarkⅡ
・EF400mm F2.8 L IS USM(Ⅰ型)
・EF200-400mm F4.0 L IS +1.4x USM
・EF1.4x EXTENDER Ⅲ
・430EX Ⅲ-RT
・Tokina 10-17mm Fisheye
これらを会場ごとに使い分けました。地元開催なので、各会場の様子が事前に分かっていたのが強みでしたね。それと、今大会用に購入したブラックラピッドのストラップも活躍してくれました。今回は高校サッカーの全国大会ですから、高校サッカーを撮る方々の全国大会でもあります。実際、各試合会場にはカメラを手にした保護者の方々も多く見かけましたし、報道関係の方々も多く、その中に混じっての撮影となりました。意外と言っては失礼かもしれませんが、ニコンユーザーも多かったですね(下の写真のオレンジのビブスを付けているのが各社のカメラマンです)。

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しかしこの暑さです。帽子・タオル・大き目の水筒を毎日持ち出していたのですが、撮影よりもまず自分が熱中症にならない事を最優先に頑張ったつもりです。サッカー撮影を始めて今年で丸16年。これまで愚息の遠征やら合宿に付き合って連日撮影をしたことはありますが、ここまでの酷暑の中の連日に、多試合・多枚数を撮った記憶はありません。ひょっとするとコレが最高記録で、もうこんなことは無いかも、との思いも有り、そのお蔭で最後まで頑張れたのかもしれません。

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もちろん地元開催ですから、県サッカー協会の皆さんや高体連の先生方にお世話になりながら撮れたから、という要因は有ると思いますから、その点は感謝に堪えません。ただ、撮ったらそれで終わり、ではないのも確かなこと。この頑張って手にした9200枚余の写真を、一枚一枚見て、選別し、使用目的ごとにレタッチ・編集していく作業がこれからしばらく続くとなると、ちょっと頭が重~くなってきます。今月は、これらの写真の中に埋まって過ごす日々が続きそうです。

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この一週間の成果です(笑)


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全国高等学校総合体育大会 男子サッカー競技大会(前編) [写真・撮影]

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ご存知の方も多いと思いますが、現在我が県で全国高校総体(インターハイ全国大会)が開催されています。その中の男子サッカー競技は、8月6日に出場全55校の代表が集まって開会式が行われ、翌日から試合が続いています。

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現代のネット環境ですから、試合終了後すぐに結果が公表されます。これは各会場に陣取った記録係の方々やメディア関係者の方々が発信しているお蔭なのですが、それを見て一喜一憂されている方も多いことでしょう。戦前では、本命なき混戦と予想されていたようですが、案の定、優勝候補に上げられていた高校が軒並み敗退する展開となっています。やっぱりサッカーは、特に学生サッカーは分かりませんね。
もちろん私も、開会式から毎日撮り続けているのですが、出場55校が県内4か所(四日市・鈴鹿・伊賀・伊勢)、計10面のピッチを使って試合が行われるので、それら全てを撮ることなどできません。せっかく我が県で行われる全国大会なのですから、なるべく多くの試合を撮りたいところですが、会場が離れていて、当日の会場間の移動は不可能。なので、まずは我が県代表校の試合を優先、それ以外はなるべく多くの試合が組まれている会場に足を運ぶことにしました。

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しかし、暑い。今年は特に暑いです。選手はもちろん、全国から来てくださる保護者や応援の方々の熱中症対策として、各会場には救護室を設け、救護隊員もできる限り常駐していただく体制をとっています。この酷暑の中での試合は35分ハーフですが、途中にクーリングタイムと飲水タイムを設けています。開始から15分程経ったところでクーリングタイム(選手全員がベンチ(テント内の日陰)に入って水分補給と送風機で体を冷やす。その間は戦術指示も可)、そしてその後の試合再開から10分ほどして飲水タイム(両チームともピッチから出ないで飲水のみ)、これを前半も後半も行います(まれに気温がさほど上がっていない午前の試合では、クーリングタイムのみの場合も有りました)。選手ファーストを考えれば、当然というか、やむを得ないことだと思います。しかし私には、これがこの大会の混戦を生んでいる要因の一つではないか、と思うようになりました。学生サッカーでは、同じメンバーで試合をしても、昨日と今日ではまったく出来不出来が変わることがありますし、前半・後半でも違ったりします。まだまだ成長途上の選手なのですから、それは仕方ないことです。それに加えて、狙い通りの試合運びをしていたはずなのに、クーリングタイムで良い流れを断ち切らされたり、またはその逆だったり。私的には、このクーリングタイムと飲水タイムをうまく使って戦ったチームが、試合を優位に進めているように感じました。

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さて、55校で始まった大会も、3日を過ぎるとトーナメント戦ですから、もうベスト8です。つまりこの3日間で47校が敗退してこの地を離れて行ったことになります。「せっかく遠方から来たのだから、観光したり名産品を食べてネ」というのは、やっぱり不謹慎なことでしょうね。年末の選手権に向けて、「明日から練習だ!」とか「帰ったらまずは反省会」という声もアチコチで聞かれましたから。そういう私も、まだこの大会は終わっていません。決勝戦、そして閉会式まで、まだまだ撮り続けます。この3日間で5000枚近く撮りましたが、まだ折り返し地点、最終的には10000枚近く撮りそうです。暑さは続きますから(歳ですから)体調に気を付けて、最後までシャッターを切り続けようと思ってます。

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