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「あんしんメンテ」は本当に安心か(後編) [カメラ機材]

あんしんメンテ3-1.jpg

しかし、新品購入後1年間のメーカー保証期間中でも、この「あんしんメンテ」を申し込むと費用が掛かります。私は「スタンダード」に関しては、メーカー保証期間中は無料にしてほしかったなあ、と思いました(後日SSへ電話確認したところ、メーカー保証期間中なら、SSへ持ち込めば無料でセンサークリーニングのみやってくれるらしいです)。
今回私が、「あんしんメンテ プレミアム」に出した5点に関しては、傷や塗装の剥がれ、可動部品の消耗に関しては直りませんが、外観もサッパリキレイになり、メーカーの設計当初の性能を発揮してくれていると信じています。そうなると逆に、「じゃあメンテに出さなかった機材は大丈夫か?」との不安も出てきました。ここ何年も不自由なく使ってきた機材をメンテに出したら、調整・修理が必要になったのです。たぶんそれは僅かなことで、実使用に大きく影響するようなものではなかったものでしょう。けれど、メーカーの専用器具で測定したら、僅かでも調整する余地があったということです。メンテに出さなかった機材も、実使用では不具合を感じていなくても、実際にキチンと測定したら、調整する余地があるのかもしれない、そう思えてきました。今回メンテに出さなかった(他にもありますが)、
EF200-400mm F4 L IS USM +1.4x
EOS 1DX MarkⅡ
この2つは現在私の主戦力となってますが、新品購入後1年以内だったためにメンテに出しませんでした。勿論、使っていて不調や不具合は有りません。けれどもしメンテ(あくまでプレミアムの方)に出したら、僅かでも調整の余地があるのかもしれないし、無いかもしれない。今回のメンテ結果を信用するならば、そんな疑問というか不安は拭えません。
しかし、これをもって「キヤノンはダメだ」「キヤノンの品質管理は・・・」等の批判をするつもりもありません。カメラやレンズ、それもそれなりに高価なグレードのものでも、それなりの量を出す生産品。個体ごとのバラつきをゼロにすることは難しいことでしょう。特にフィルムからデジタルになって、ユーザーの眼がシビアになったことが背景にあるでしょうし、うがった見方だと言われるかもしれませんが、メーカーであるキヤノンがこのメンテを新設したのは、個体差の存在を認めたことなのかもしれません。それでも私達は、メーカーが市場に投入した商品しか手にすることはできないのです。
従来は、「ピントが後ピンになる」とか「色味がおかしい」などと言ってメーカーに調整に出す方も居たはず。その中には、もっと詳しく症状を書いた紙を同封する方も、自分でテスト撮影した画を添えた方もいるだろうし、ただ口頭で伝えるのみの方も居たでしょう。それら雑多なユーザーの調整要求に対してメーカーが用意した総合的なメンテメニューが、この「あんしんメンテ プレミアム」だと私は思います。従来の「異常なし」「規定の範囲内です」という回答と共に戻ってくることを考えれば、もっと総合的な検査の結果、一個体ごとにメンテシートが添えられて戻ってくる方が安心感は確実に上です。それでも費用が掛かるので、その価値はかかる費用に対しての判断になると思います。これ以降は皆さんの使用機材や使用状況、そしてカメラや写真に対する価値観に左右されると思いますから、私はここまでの記述で留めることにします。
最後に一言。メーカーを信じられなければ、そのメーカーのユーザーを辞めた方が良いと思います。
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「あんしんメンテ」は本当に安心か(中編) [カメラ機材]

あんしんメンテ2-1.jpg

各個別の機材の状況に関しては、これまで書いてきたので、ここでは割愛します。総じて、この「あんしんメンテ」なるものがどうなのか、感じた事を書きます。
この「あんしんメンテ」には「スタンダード」と「プレミアム」があります。「スタンダード」の方はボディのみで、各サービスセンター(SS)でも行えます。これは、「私は名古屋SSへ、年に一度はセンサークリーニングに行っていた」と以前書きましたが、それに準ずるものと推測され(当時は1台1080円)、それが3240円になったのですから、何となく割高感があります。ただ、単なるセンサーのみのクリーニングに、更に加えられた項目もありますから、一概に「高い」とは言えないのかもしれませんが。
それに対して「プレミアム」の方は、ボディとレンズ両方に対応し、SSではなく大分修理センターで行われます。その内容に関しては、「スタンダード」の項目にプラスして、メーカーの専用測定器を使っての各種検査・調整ですから、時間もかかり、費用もアップしますし、遠方の場合は送料もかかります。ただ、作業内容を考えれば、その費用は妥当な感じを受けました。以前私は、手持ち機材のピント調整に出した経験がありますが、どのように行われたのか、どう調整されたのか、機材が戻ってきても使ってみないと不安でした。それがここまでメーカーがメンテ方法の情報を開示し、受入体制を整えたことに、まず好感を持てます。
以前のピント調整は、それのみの調整。その過程で不具合が見つかれば、別途連絡がありますが、あくまでユーザーが要求した点のみに応えるものでした(外観のクリーニングは付随してありましたが)。それがこの「あんしんメンテ プレミアム」では、もっと総合的に行われます。なので「調整」ではなく「メンテ」と呼んだのでしょう。勿論、実際に作業が行われていることを自分の眼で確認したわけではないので、あくまで結果として戻った機材を使ってみて感じた事ですが、この「プレミアム」のメンテ自体は信頼できると思います。それは、何年もこの機材を使い続けてきて染み付いた自身の感覚が、僅かながらも違和感という結果を生み出したことによります。この「違和感」は「変化」と置き換えてもいいでしょう。そしてその「変化」を私はプラスに考えてます。現実には、2月末に戻ってきたこれらの機材を使って撮り続け、現在ではその違和感は解消へと向かってます。今は普通に撮れる、昔のように撮れる、ということです。そうなれば、キチンとメンテした安心感がプラスされて、メンテに出した価値が有る、と感じられるようになりました(ただそれ故に、失敗の要因を機材に押し付けることはできなくなりましたが)。
比較的安価な機材だと、その購入価格に対してこの「プレミアム」の費用は負担に思えるかもしれませんが、上位機種・高価な部類のレンズを何年も使ったなら、そして今後もしばらく使い続けていくつもりなら、私は「スタンダード」ではなく「プレミアム」の方をお勧めしたいところです。費用と手間と時間はかかりますが。
それと、この「プレミアム」というメンテの存在が、中古市場に影響するかもしれません。高価でなかなか手が出せなかった機材を中古で手に入れて、この「プレミアム」メンテを行う。メーカーの保有するデータに基づき、専用機器による検査・調整が行われるのですから、消耗や傷等は直りませんが、中古に特有の不安を解消して使い続けられるかもしれません。

しかし・・・
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「あんしんメンテ」は本当に安心か(前編) [カメラ機材]

機材メンテの話が続きましたが、ここで一先ずまとめてみようと思います。

あんしんメンテ1-1.jpg

今回私が手持ち機材のメンテナンスを思い立ったのは、キヤノンの「あんしんメンテ」という点検サービスが開始されたことが契機でした。それを申し込むにあたっては、サービスセンター(SS)へ持ち込んでもよかったのですが、平日の時間がなかなか取れなかったこと、往復の交通費や時間を考えると、そしてどうせSSへ持ち込んでも転送されることを考えると、修理拠点に直送した方が効率的だと判断したのでした。
まず、キヤノンの「お客様相談センター」に電話して申し込みます。「これぐらいの機材をメンテに出したいのだけど」と言うと、電話応対に出た女性の方が、「らくらく修理便」の利用を勧めてきました。これはヤマト運輸が引取りから梱包、修理後の返送まで行うサービスで、引き取り日の指定もできます。ただ今回私は、「ヨンニッパやサンニッパを出すのですが、大丈夫ですか?」と聞いたところ、「大丈夫です」とキッパリ言うではありませんか。「あの~、結構な大きさの箱が必要になりますが、大丈夫ですか?」と再度聞くと、「大丈夫です」と即答。私は以前これらのレンズを送った時、精密機器ですから、箱や梱包方法に気を付けて結構大変だった経験がありますから、こんな返答だと不安になってきました。「あの~、ヨンニッパやサンニッパがどのくらいの大きさ、重さか、ご存知ですか?」と念を押して聞いたら、「少々お待ちください」と数分間の待ち。その後、「お客様のお送りいただく製品の場合、らくらく引き取りサービスが適用できません。セルフ梱包で送っていただくことになります」と、悪ぶれもなく前言撤回。ちょっとあきれてしまいました。「自社製品のことなんだから、もう少し知識を付けてください」とやんわり言ったつもりですが、伝わったかなあ~。
そんな訳で、自分で箱と梱包材を用意して、大分修理センターへ直送することにしました。「あんしんメンテ」に申し込むのに、電話受付は全く「あんしん」できませんでしたが、これなら手間がかかっても自分で梱包した方が逆に安心。もちろん、製品別に現状と要求する内容、そして見積りの連絡を頂く旨を書いた紙を同封しました。
1D MarkⅣ
7D MarkⅡ
EF400mm F2.8 L IS USM Ⅰ型
EF300mm F2.8 L IS USM Ⅰ型
EF-S 15-85mm F3.5-5.6 IS USM
上記の5点を送りました。送付2~3日後に、まず1D4担当者から電話連絡があり、見積金額が知らされました。その翌日、別の担当者から、EF-S15-85に関して「修理しますか?」の電話連絡がありました。両方ともOKの返事を出して、今回のメンテ総額が知らされました。そしてその約2週間後に我が手に戻ってきたという次第です(ヤマト運輸の大きな箱2つで)。料金は代引きで支払いました。
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EF-S 15-85mm F3.5-5.6 IS USM [カメラ機材]

EF-S15-85-01.jpg

サブ機に関しては以前のブログでも取り上げましたが、人それぞれ。私にしてもサッカー撮影の現場で、7D2のみで撮ることもあれば、1DX2や1D4をメインに、7D2をサブ機に、ということはあります。そんな場合、7D2にはEF-S15-85mm F3.5-5.6 IS を主に使っています。このレンズ、まず焦点距離が適している。フルサイズ換算約24-136mmというのは、集合写真や表彰式を撮るにしても、ベンチに座る監督や選手を撮るにしても、実に使い易い。確かに明るいレンズではないですが、日中屋外での使用なら問題ないし、サッと取り出してパッと撮るのにはIS搭載はありがたい。このレンズは、先代7Dを購入した際にキットレンズとして我が手に来たものですから、2009年末から使っていることになりますが、持ち出す頻度はかなり高いレンズです。
ただ最近では、その描写性能に物足りなさも感じ始めています。一部では、「Lレンズ並」との記述も見かけますが、そんなことはありません(Lレンズはもっと上です)。ここ2~3年で発売されたAPS-C機用単焦点レンズは凄い解像度を誇るものもありますが、それは単焦点。ズームレンズに比べて利便性で劣るのですから、ある意味では描写性能が良くて当たり前。APS-C機で使うことを前提に、このレンズより勝るズームレンズを探しても、現在の私の使い方を考慮すれば、なかなか見当たりません。
そこで、メンテナンスです。大分修理センターにここまで機材を送るなら、その中にコレも入れて、一緒にキッチリとメンテしてもらおうと、「あんしんメンテ プレミアム」を申し込みました。「不具合や故障ではありませんが、描写力には疑問を感じていますので、その点を確認・調整してください」と書き加えて送り出しました。そして、3、4日後に担当者から私に電話がありました。
「描写性能に不満とのことで、送られたレンズを拝見しましたが、描写に関しては特別不具合は発見できませんでした」とのこと。要するに、「このレンズはこんなものです」ということでしょう。まあそう言われてしまえば仕方ないですね。ただそれに付けくわえて、
「ただ頻繁ではないですが、AF駆動モーターが空転する現象が確認できました。修理しますか?」
との問いかけには、そんなことを感じていなかっただけにビックリ。でも、メーカーで専用測定器を使ってキッチリ検査した結果なのですから、事実なのでしょう。先にも書いたように、このレンズに代わるものを未だ見つけられない私には、今後もこのレンズの出番は多いだろうし、それならばこの期にしっかり治してもらった方が良い、との結論が直ぐに出ました。その分費用は掛かりましたが、他の機材と一緒に約2週間後に戻ってきました。
修理伝票とメンテナンスシートを載せますね。

EF-S15-85-02.jpg

EF-S15-85-03.jpg

外観はスッキリきれい。中を見ても、気になっていたチリも取り除かれてスッキリきれい。「後ピン傾向のため調整」とありますが、これはちょっとそんな気がしていたので納得。
で、早速いろいろ撮ったりして見たのですが、どうもあまり差を感じません。まあ、メンテに出して安心感が付与されたことはプラスですから、今後安心して使っていけるということで、良しとしましょう!
(これからこのレンズは、保護レンズを外して使おうかなあ~)
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