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サッカー撮影104(守りのズーム・攻めの単焦点 その2) [サッカー撮影]

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前回に引き続き、もう一例載せます。前回の作例と同じ試合のものです。
1DX MarkⅡ+EF200-400mm F4 L IS 1.4x  (ノートリミング)
 シャッター速度優先AE 評価測光 露出補正 -1/3 シャッター速度 1/1250 F4.5 ISO 1000  焦点距離 300mm

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撮影者である私が狙ったのは、ジャンプして頭でボールを受ける白ユニフォームの選手です。200-400mmのズームレンズを使って、300mmで撮っていますが、なぜ300mmなのか。既にご覧の方はお分かりだと思いますが、ジャンプしても選手が画面からはみ出さないようにするためです。その目論見は達成しましたが、そのような撮り方を私はお勧めしてきませんでしたし、私には「守りに入った画」と映ります。トリミングすれば良いではないか、という意見もあるでしょうから、トリミングした画を下に載せます。

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ピントは外していないと思います。これはこれで使える画なのかもしれませんが、背景がちょっとウルサク、シャキッとしない画のように思いませんか。
では、上記と同じ試合で撮った別の画を載せます。今度はトリミング無しです。
1DX MarkⅡ+EF200-400mm F4 L IS 1.4x  (ノートリミング)
 シャッター速度優先AE 評価測光 露出補正 -1/3 シャッター速度 1/1250 F4.0 ISO 800  焦点距離 400mm

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同じように、ジャンプして頭でボールを受ける白ユニフォームの選手を撮った画ですが、一例目とは印象が違います。どちらが良いかは明白かもしれませんが、撮影の難易度的にも両作例にはかなりの開きがあり、もちろん後者の方が遥かに難しいことは確かです。

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サッカー撮影の初心者の方の画を何度か見たことがあります。多くはズームレンズを使われてましたが、そこで「なぜズーム域を目一杯使わないのか」と思うことが多かったです。「テレ端まで使えば、もっと主題となる選手が引き立つのに」とか、「まだ引けるのに、近づきすぎたから、とシャッターを切るのを辞めてしまうのは惜しい」、そう思ったことが何度かありました。たとえば下の画(ノートリミング)は、7D2+EF70-200+1.4xのワイド端で撮った画です。

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今回は「守りのズーム」というテーマで書いていますが、消極性を伴う「守り」では、上達も無ければ最終的な勝利も望めない、それは実はサッカーと同じなのです。

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(今回も、掲載画像は全てズームレンズで撮ったものです)

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サッカー撮影103(守りのズーム・攻めの単焦点 その1) [サッカー撮影]

守るとは、勝てなくても負けないことを第一に闘う事。攻めるとは、リスクを負うのは承知の上で勝利を欲する事。

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技術の進歩は留まることはありません。私たちが趣味としているカメラ関係においてもそうです。私がサッカーを撮り始めた頃には、300mmを超えるズームレンズというのは数えるほどしかなかった。それがどうです、現在は各社から、400mm、500mm、600mmまで使えるズームレンズが出てきている。その中には、普及価格帯と言えるものまであり、APS-Cセンサーの望遠効果を利用すれば、換算1000mm位まで使えるレンズがあるのです。翻って、では単焦点レンズは?と言えば、デジタル一眼で使うことに特化したリニューアルを続けているとは言え、数は少なく高価なまま。それは、利便性を優先するズームレンズに対して、高画質でなければ生き残れない単焦点レンズ故の事でしょう。
さて、サッカー撮影とは、主にサッカーの試合中の選手を撮ることであり、その選手は68m×105mの広いピッチを縦横斜め不規則に動く被写体であり、ボールを競り合う競技故にボールの有る所にシャッターチャンスが有り、そのボールの行方をある程度予想しながら撮らなければならない、これまでの私の「サッカー撮影」記事でそう書いてきました。それはつまり、撮影者と被写体との距離が常に変化している状況なので、常識的に考えれば、可変焦点距離のズームレンズを使う方が効率的だと思われます。その理由は、変化する被写体との距離に応じてズーミングすることで、適度な大きさに被写体を捉え続けることができるからです。ましてや先に述べたように、300mmを超えるズームレンズが昔に比べれば容易に手に入る時代ですから、これを利用すべきでしょう。
ではそこで、撮影データも添えて作例を一つ。ノートリミングです。

1DX MarkⅡ+EF200-400mm F4 L IS 1.4x  (ノートリミング)
 シャッター速度優先AE 評価測光 露出補正 -1/3 シャッター速度 1/1250 F4.5 ISO 1000  焦点距離 343mm

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撮影者である私が撮ろうとしているのが、中央の黄色ユニフォームの選手であることは明白です。注目すべきは焦点距離。343mmはこのレンズのテレ端ではありません。なぜこのような中途半端なズーム位置で撮ったのでしょうか。
狙う選手の頭から足先まで、更にボールも入れての全身を入れたかった、というのが理由の一つ。更に、ボールを保持している選手が左右どちらかに動くのか分からず、どちらに動いてもファンダー内から選手もボールもはみ出さないように収めたかったから、というのが二つ目の理由。そして相対する白ユニフォームの選手がどう絡むのか、絡まないのか分からず、もし絡むのであればそれ全体を撮りたかった、というのが三つ目の理由です。このように理由を書いてくれば、この画自体が間違った撮り方をしているとは思えないかもしれません。しかし私は、この画を「守りに入った画」と見ているのです。

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これまで私は、被写体である選手をなるべく大きく撮ることを勧めてきましたし、その理由も記してきたつもりです。この画もレンズのテレ端である400mmで撮れば、撮りたかった黄色ユニフォームの選手をもう少し大きく撮ることができたでしょうから、主題たる選手の表情をもう少し克明にできたことでしょう。また、白ユニフォームの選手がどう絡もうとも、もしかしたら画面から手足の一部が切れてしまうかもしれないけれど、それは元々撮りたかった選手ではなく、切れることでかえって迫力感が出たかもしれません。トリミングで対処すれば良い、という声もあるでしょう。でもトリミングはあくまで後処理であって、撮影時にそれを前提にすることを、ここで私はお勧めしていません。また、ズームレンズの多くが単焦点よりもF値が暗いことを考えると、被写界深度的に深く、できるだけ大きく撮らないと背景のボケが少なくなってしまう点も、大きく撮ることの意味でしょう。
守りが悪い訳ではありません。守らないと勝てない時もあります。ただ闘う姿勢が必要だということです。

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(今回掲載画像は、全てズームレンズで撮影したものです)

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サッカー撮影102(モチベーション) [サッカー撮影]

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先月、U-12女子の大会を撮りに行ったことを、このブログでも書きました。そのグランドへは自宅からは少し遠く、時間に余裕を持って出発したので、試合開始時間より随分前に到着できました。まだ人影少ない凛とした空気に包まれたピッチに降りてみれば、あの時のことが思い浮かんできました。此処は、愚息2号が現役最後の試合を戦って、敗れた場所。そして私が、サッカー選手の保護者ではなくなった場所。あれから約二年半が過ぎていました。
勿論その当時も県サッカー協会のカメラマンを任されていましたから、全く知らないチーム・選手も撮っていました。けれどやっぱり私も、人の子の親。自分の息子やそのチームを撮るとなれば、付加される想いはあります。「今日の愚息の出来はどうだろう?」「今日の試合を勝ちあがって次に繋げて欲しい」、そんな想いがシャッターボタンに掛ける指に宿ります。そして負ければ即引退のトーナメント戦では、「これが愚息の最後の試合になるかもしれない」との想いも。試合の勝敗や愚息の出来・不出来に一喜一憂しながら撮った、あの頃の記憶が蘇ってきました。そして懐かしさと共に、もうそんな経験ができない事に、暫しの寂しさを禁じ得ませんでした。

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現在のカメラは高性能です。ピントは自動で合わせてくれるし、小難しい露出で悩む必要も無い。連写で決定的瞬間を撮る確率も上がっています。シャッターボタンを押せば写真は撮れるのです。けれど(これまでこのブログで述べてきたように)、サッカー撮影で満足できる画を得るには、片手間では撮れない。常に動き、変化する目の前の選手とボールを追って、無数に現れては瞬時に消えるシャッターチャンス、それを判断する撮影者の価値観とそれを具現化できる集中力を維持し続けることが求められます。更に、変化する光線具合を考慮した設定や四角い画面に被写体をどう捉えるかの構成力、試合展開や内容に応じて選手の意気を感じることなど、撮影者自らのヒューマンファクターも多々必要となるのです。そしてそれらの源となっているのが、より良い写真を撮りたいというモチベーションなのです。

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モチベーション(motivation)。それは、動機を与えること、動機づけ、物事を行うにあたっての意欲・やる気、という意味で使われる言葉です。それには動因(人の内側から行動を引き起こすもの)と誘因(人の外側から行動を誘発させるもの)の二つの要因があるそうです。私が「頑張っている選手の姿や表情を、満足できる画にして残したい」と思うのは前者であり、「県協会のカメラマンとして期待され、より良い形で渡さねば」と思うのは後者でしょう。私が今ピッチサイドに立ってカメラを構えるのは、この二つの要因からであり、残念ながら以前のような「親としての情愛から」という部分は欠落してしまいました。しかし逆に、それが無くても、サッカー撮影をしようというモチベーションは存在するのです。

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サッカーを撮る、試合中の選手を撮る、そうした方々の中で一番多いのは、たぶんご自身のお子さんの姿を撮りたいという想いからでしょう。次に多いのは、贔屓にしている・応援しているチームや選手を撮ることでしょうか。それに比べ私が今撮っているのは、その多くが顔も名前も知らない選手達です。基本的に試合の勝敗に一喜一憂することはありません。撮った写真の提出先が決まっていることを考えれば、撮る目的はあります。しかし、100%義務だけで撮りに来たわけでもない。そんな私のモチベーションを構成しているのは、これまで得られた技術や経験をより切磋すること、そして私の課せられた期待に応えること、です。

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サッカー撮影は趣味、または子供の成長記録として撮る、そういった方が、お子さんの現役引退と共にサッカー撮影を辞めてしまうことは不思議でも、悪い事でもありません。そこに注力していた分を、そこに価値を見出していた分を、他に振り向けることは、何ら不思議でも悪い事でもないので、否定もしません。ただ私は、「親として」という前提の有無で撮影結果が変わるようならば、それは自らの技術がまだ未熟、または未だ経験値が足りないからではないか、と考えてます。その根拠は私自身の経験からです。「選手の親」というステッカーを剥がされた直後、同じ機材を使って同じように撮っても、どうにも冴えない画が多くなってしまった、「何故だろう」と自問した結果です。イヤイヤ撮っていた訳でも、義務で撮りに行った訳でもない、これまでと同じように撮っているつもりが、「サッカー撮影はそんなに甘くないゾ」と言われたようでした。そしてその疑問解消の追及が、今の私のモチベーションの一つになっています。

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このブログで私は、サッカー撮影は写真撮影の中でも難易度の高い分野であることを述べてきました。それに挑むにあたって、モチベーションは不可欠です。良い写真というのは、良い機材、高い技術と経験、そして旺盛なモチベーション、この三つによってもたらされると思います。撮る被写体が自分の子やそのチームであるかどうかは、モチベーションの中の一部に違いありませんが、他の要因が占める割合が高ければ、その有無で撮影結果が大きく変わることはない、そう思うのです。お子さんのサッカー撮影を辞めてしまってしばらく経っている方、機会を見てもう一度サッカーを撮ってみてはどうでしょう。そこで以前と同じような画が得られるなら、辞めるには惜しい技術と経験をお持ちだと思います。

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ブログを再開して一年が過ぎました。満を持して、という訳ではないですが、このブログの基幹である「サッカー撮影」を、少しずつでも書き続けたいと思います。

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軽自動車 キャンバス(後編) [車・バイク]

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現在売れている軽自動車は、ホンダのN-BOXやダイハツのタント、スズキのスペーシアなどが上位を占めますし、地方都市でよく見かけるのは殆どこのタイプですね。いづれも後部ドアがスライド式で、車高が高いトール型。売れているのには理由が有る筈で、軽自動車として完成度が高いのでしょうけど、あまりによく見かけるので、かえって没個性かなぁ、と思っていたところ、この「キャンバス」が発表されました。それらの車よりはちょっと全高が低く、一見すると長細く感じられるボディで、(オプションですが)ツートンカラーがなかなか個性的。販売店曰く、私のようにあまりに売れすぎている車に少し抵抗がある方に選ばれている、とか。このキャンバスの良し悪しは、このボディデザインを気に入るかどうか、でしょう。
車内は前述の三車に比べて、頭上のスペースが確かに小さい。しかし、小さい子さんだったら立つことができる程に広大すぎるのであって、このキャンバスに乗って頭上方向の狭さは感じません。逆に左右方向の狭さは、やっぱり軽自動車を感じる所です。この車は主に一人で乗って、街中の買い物などの近距離の利用が殆ど、という使い方が一番適していると思います。それならば、ホイールベースのほぼ中央寄りに座り、買ってきた荷物などは後席に放り込んで、取り回し良く使っていける車だと思います。その点、やっぱり後部ドアが左右とも電動というのは正解だと思います。

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欠点は、まずは内装。高級感は皆無ですが、これは仕方ない部分ですよね。次に後席の乗り心地の固さが挙げられます。運転席と違って、後席は後輪の直ぐ上にあるので、どうしても後輪からのショックを受けがちです。この点は前任車のアクアよりも悪く、このキャンパス最大の欠点ではないか、と思ってます。鉄ホイールにホイールキャップでは、と思って、密かにインチアップを企てていたのですが、扁平率を落とすと更に乗り心地が悪くなるようで、諦めました(ちなみに、メーカーオプションでもインチアップホイールはありません)。ハンドリングを云々する車ではないですが、今どきの車としては、強アンダーステアです。それで、インチアップしてタイヤの扁平率を下げれば、少しは改善するかな、とも思ったのですが、上記の理由で諦めて、現行通りで過ごすことにしました。それと、これはウチの個体だけのことかもしれませんが、エアコンの効きが悪いです(暖房も冷房も)。かなり極端な温度設定を強いられます。ディーラーで一度見てもらったのですが、異常無しとのことでした。燃費は、街中の近距離のみで1リットル当たり16~18kmといったところで、これはまあ予想通りでした。
我が家はコレ一台しかないので不満な点が出てきますが、奥様用のセカンドカーとして使えば、なかなか個性的で納得できる車なのかな、と思います。我が家もコレを何とかセカンドカーにしたい、と画策しているのですが・・・

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